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ピュアハート~異世界に魔法聖女爆誕!~  作者: 初雪しろ


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聖女の印

「ちょ、ちょっと待ってください」

「はい。上手くまとまってからで構いません」


 まとまらないというわけではないのだけれど、少し時間をもらって自分なりに考えてみよう。

 いや、まあ相談を一旦諦めるという選択肢もあるけど失礼になってしまいそうで、改めて相談に来るのが気まずくなる。

 あたしの気持ち的なものだけど。

 じゃあ、どこまで話して良いのか。

 とりあえず、念を押して外で話してはいけないとは言われていない。

 そのうえで外に出ることを禁止もされていないし、1人でこうして出かけることも許されている。

 あたしの勝手な想像ではあるけれど、エミリアやお城にいる人達からしてよほど言ってはいけないことであれば対策を取っているはず。

 だから、めちゃくちゃきつい縛りはないと思う。

 じゃあ、問題はどこまで話して良いのかということなんだけど……駄目だ。

 考えては見たけど、あたしってそもそも頭がお世辞にもよくはないんだから。

 考えることはできても、根本的な知識と経験が不足しているから付け焼き刃にも程がある。

 そもそも聖女が城下町の人にとってはどうなのかを聞いてみながら様子を見よう。


「実は聖女の伝承などに最近興味をもったんですけど、聖女にまつわる魔道具があるとかないとかいう噂を聞いたんですけど。専門家でそれに当てはまりそうな物や話は聞いたことがあるのかという話をローズさんとしていたんです」

「聖女にまつわる魔道具ですか。ワタシも聞いたことはないですね。ちなみに、もう少し道具の種別であったり特徴などはありますか?」

「へ? あー、あたしが聞いたのは宝石のような石ですね。ただ、宝石なのは特殊な別の石なのかは定かではない……とかそんなようなお話を」


 すごい下手くそな聞き方した気がする。

 めちゃくちゃ怪しくない?


「宝石……魔石の類の可能性も。聖女の伝承でそんな話があるとは初耳ですが、興味深いですね」

「や、やっぱりあまり知られてないんですかね」


 この方向はダメだったかな。

 エミリアもそもそもあたしの能力とか含めて全体的に今までの聖女に当てはまってないっぽいもんね。

 うーん。やっぱりあたしにはこういう駆け引き向いてないのかな。


「ちなみに、どこでそのような噂を」

「あー、えっと……すみません。ちょっと、誤魔化してました。少し込み入った話になるんですけど、大丈夫ですか?」

「ワタシは最初からそのつもりではありましたが……ワタシの想像より入り組んだ話になりますか?」

「白状してしまうと、どこまで話して良いのかわからないものだったと話し始めてから気が付きまして。あたしの確認不足で申し訳ないです」

「な、なるほど」

「それで少し確認したいことがあるんですけど、それ次第では話せるかがわかりそうなので」

「ワタシでわかることであればいいですが」


 聖女についてどこまで知っているかを聞くべきだけど――それに係ることだから聞いても大丈夫かな。


「黒の魔物のことって城下町とかではどんな認識ですか?」

「黒の魔物ですか。そうですね。少なくとも冒険者の間では危機感が強まっていますね」

「冒険者の間でですか?」

「はい。黒の魔物と通常の魔物の区別がつかない事例がたまにあって、魔物の討伐依頼と思っていってみたら黒の魔物で対策もなしに戦うには無謀な相手なので」


 そうか。この前あたしが戦ったのはわかりやすい大型だから判別がつくけど、小型だったりすると魔物との区別がつきにくいのか。


「城下町でも商人の交易路への影響がでたりで、物価が不安定になるなどして少し危機感はありますね。それに、聖女の伝承を知っている人からすれば世界の危機が近づいていると思う人達もいますから」

「なるほど……」


 伝承の認知度はかなり高いことを考えたら世界の危機が迫っていることは、危機感の強さはともかく誰しもが気がつくきっかけはある環境なんだ。


「ちなみに聖女について最近聞いた話とかはあったりしますか?」

「……ローズからワタシの店と勧められるほどですし聞いているかも知れませんが、城のほうで聖女召喚をしたとかしないとかいう話は個人的に聞きましたね。ただ、ローズ経由なので、この事は広くはしられてはいないかと」

「あ、あー……それはあたしも~……いや、もうそこまでいったら大丈夫と勝手に思うことにします。ただ、やばそうなら都合がいいかも知れませんが忘れてください」

「まあ、一応商売をしていることもあるので口の堅さはしっかりと調整ができるつもりです」


 あたしは立ち上がってお腹の部分が見えるように服をずらして聖印を見せた。


「これで証明になるかわからないんですけど、あたしが召喚された聖女なんです」

「ほ、ほお~……本物は初めてみましたが、なるほど。たしかにこれは話に聞いたことがある聖印ですね。それに聖女であればローズが勧めるのも……いや、そっちはあまり関係ないですね」

「へ?」

「あ、いえ、こちらの話です。それで……聖女様とお呼びしたほうが?」

「いえ、名前で呼んでもらったほうが。まだ聖女のことが周知されていないならなおさら」


 しかし、こうなってみて思う。

 聖印はもっと手の甲とかせめて二の腕とかじゃだめだったのかな。

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