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ピュアハート~異世界に魔法聖女爆誕!~  作者: 初雪しろ


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必殺技と決意

「では、最後に浄化のための決定打として使える物を少し模索して本日は終わりにしましょう」

「決定だってことは必殺技みたいなものだよね。この前のあれだと駄目なんだよね?」

「シロナ様。そもそも、先日の最後の技はもう一度すぐに出せますか?」

「…………」


 冷静に考えたら出せる保証はないかもしれない。


「それにこの前の技はかなりの大技です。一度使っただけで魔力をすべて使い切ったような状態になっていました。逆に考えますと、外した時に取り返しがつかなくなるかもしれません」

「たしかにそうかも。あたしもあの技の後に倒れてしかもあの空腹だったんだもんね」

「ですので、何か他にもう少し規模は小さくてもいいので通常よりは浄化に特化した技がみつかればいいのですが……シロナ様のスマホ? に何かあったりしませんか?」

「スマホ……そういえば、変身すると消えて変身を解くと手の中にあるんだよね。どこにあるんだろ?」


 あたしは変身状態のまま自分の体を確認する。

 わかりやすいポケットみたいなのはないんだけど……あれ、腰になんかついてる。

 見覚えのない小さいポーチがついていた。

 開いて中を確認するとスマホ――によく似てるけど微妙に近い端末が入っていた。

 いくつかのボタンと何かをはめ込めそうな場所がある。


「形が違いますね」


 エミリアがそれを見てあたしの思っていることと同じ感想を言った。


「やっぱりそうだよね。どうやってつかうんだろ?」


 あたしはひとまずボタンを押してみると画面はすぐに付いた。

 ただスマホの画面とは違う。

 アプリを開いたときの画面と雰囲気は似ているけど……。


「うーん」


 ボタンを押して何かわからないか調べていると、何か宝石のようなものだったり小さいアクセサリーのようなものが画面に映ってボタンで左右に移動させて確認ができた。

 ただ、特に選択ができるとかいうわけではなくて……。


「あたしの予想だとこの画面に写ってるみたいなものを、ここの何かつけられそうなところにつけるんじゃないかと思うんだよね」

「なるほど……あ、シロナ様。このピンクの宝石なのですが」


 とりあえずボタンを押しているとエミリアがその画面を見てひとつを指さす。


「お城にあったり、何か聖女として受け継がれてたりとかする?」

「いえ、その……シロナ様の胸元についている飾りのものではないですか?」

「……へ?」


 エミリアに言われて自分の胸元を確認すると、確かにピンク色の宝石の小さい飾りがついていた。

 手にとって画面に写したものを比較してみるとそっくりだ。


「ということはこれをはめ込んで見れば」


 あたしはそのまま端末に宝石をハメてみる。

 サイズはあったみたいで、はめ込んだ瞬間に端末から音がなった。


『ピュアハートストーン!』


 そのまま画面が光ると何かが飛び出してきた。


「あたし別に自分がピュアだと思ったことないんだけど……」


 一度空中に飛び上がるとあたしの手元に自然とやってきてそれを掴むと、光が収まってピンク色の小さな杖になった。


「えっと……なんだろうこれ」

「かなり短いですが杖にみえます。ただ、その杖にも同じようなハメられる場所がありますが……先程の宝石を付け替えるのでは?」

「なるほど」


 あたしは言われるがままに試してみる。

 宝石を外して端末はポーチに戻して、杖のはめ込めそうな場所に宝石をはめ込んでみる。

 サイズはぴったりで宝石を押し込んでしっかりと付けた瞬間だった。

 杖と体がつながるような感覚で魔力を流し込めることが直感的にわかる。

 いや、それだけじゃなくそもそも杖の使い方などが頭に浮かんだ――勉強したことも見たこともないはずのものも含めて。


「エミリア。ちょっとやってみるから離れてて」

「は、はい!」


 あたしはエミリアが離れたのを見てから杖を振り上げる。

 そして魔力を杖に集めてから。


「はあ!!」


 杖を空に向けて振り上げた。

 すると杖の先からあたしが狙った方向に向かって光の玉が飛んでいく。


「シロナ様。今のは!」

「え、えっと、今のって聖女の魔力なの?」

「はい。あの威力があれば先日の黒の魔物ぐらいであれば十分浄化が可能です。先日ほどの大きな魔力を使わずとも戦えると思います」

「それならよかった」


 少なくとも大きい収穫があったといえる。

 ただ、やっぱり規模は小さくなってもこのような技を使うと、動いているだけよりも魔力を消耗はするらしい。

 体を動かしているよりもなんとなく疲れた。


「これで、あたしも役に立てるかな?」

「先日からずっと助かっていますよ。ですが、今日のこの力を使いさらに研鑽をつんでいけば黒の魔力の大本を浄化することもできると思います」

「そっか」


 そうなってくると本当にあたしも戦っていく日々がはじまるってことかな。

 だって、黒の魔物を作るきっかけになるような場所を浄化しにいくってことは確実に魔物だっていそうだからね。

 あたしにできるのかっていう自信は未だにないけれど。

 何もしなくたってこの世界の危機は迫っている。エミリアやこの前の城内の混乱ぶりをみただけでも流石にわかった。

 そう考えたら何もしなくてもあたしだって危なくなるわけだし、帰るためとかじゃなくたって何かしなくちゃいけない。


 それに――。

「改めてシロナ様。私たちもできる限りの助力はします。ですので世界を救うのにお力をおかしください」


 このお姫様も放っておけないなって思ってるあたしもいるしね。


「うん。あたしができることはやってみる」


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