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ピュアハート~異世界に魔法聖女爆誕!~  作者: 初雪しろ


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初めての戦いー必殺と決着

 体感的には変身してから10分くらいはたっている気がする。

 疲労感は感じていないけど、アニメみたいな変身だとしたらそろそろ時間切れになってもおかしくないくらいの時間だ。

 まあ、アニメを基準にするのはどうなんだろうとは思うけど、それぐらいしか参考にできるものがない。

 そもそも異世界にきている時点で非現実的なわけだし。


「シロナ様! 何か、魔力を感じることは出来ますか!?」


魔物に攻撃に対処していると何か思いついたのか、それとも純粋な確認かはわからないけれどエミリアがそう声を上げた。

 だけど、魔力を感じるって……うーん。

 魔物の攻撃を回避しながらだから集中して探れないけど、体の中に今までは存在しなかった何かがあるような気はする。


「魔力って体の中にある感じ!?」

「はい!」

「なんとなーく、わからないでもないくらいだけど。どうすればいいの?」

「ど、どうにかその魔力を集中して魔物にぶつけられませんか。本当は魔法や詳細を教えられればいのですが、この状況ですので!」

「とにかくやってみる!」


 あたしは体の中に流れるそれを手に溜めるイメージをする。

 すると、少し気持ち悪くもあるけれど右手にその力が溜まっている気がしてきた。

 こんな感じで大丈夫なのかな。


「ひとまず、お試しで一発!」


 あたしはそのまま魔物の隙をついてお腹に拳とともにその溜まったものをぶつけた。

 今までよりもしっかりと相手に攻撃が入ったような感覚がする――それと同時に少し疲労感も感じた。

 もしかすると、しっかりコントロールしないと必要以上に魔力が消耗するのかもしれない。


『グググガアアアア!!』

「この感じは効いてそうだけど……このぐらいだと決定打にはまだ弱いってことだよね。そうなってくるともっと溜め込んで溜め込んでからやらないとだめなのか」


 あたしは少し考える。

 仮にさっき以上に魔力を溜め込んで、それをしっかりと命中させるにはどうしたらいいか。

 拳にこめて攻撃は出来たけれど、拳に溜め混んでぶつける方法だとそこまでの魔力は込められない気がする。

 魔力を圧縮する方法でもあれば別かもしれないけど……流石にそれをこの場で感覚だけでチャレンジはやりたくない。

 そうなってくると、もう拳だとか体の一部に集めるんじゃなくて――必殺技みたいな感じでビームだとかみたいに放つのがいいのかな。


「でも、そうなると……流石に動いてるところを狙う自信ないかな。都合よく動きを止めてくれたりも……絶対しないし」


 他に戦える人はいなくもないかもしれないけど、拘束するには心もとない――いや、戦闘経験は圧倒的に頼れるんだけど、相性がとにかく悪いんだよね。

 そうなると……よーし決めた。


「ここからは今までよりもマジでやってみよう!」


 だんだんと気持ちが前向きになってきた気がする。

 あたしは気合を入れ直して魔物をよく見る。

 あの大きい魔物の動きを止めるには気絶させるか、身動きが物理的にとれなくするしかない。

 方法は限られているけれど……城にこれ以上被害を与えたくないし、地面もあいつが掘った穴がどこかにあるから実は危ないんだよね。

 そうなると……空しかない。

 あたしは魔物の攻撃を回避しながら大振りですぐに次の動きはしづらい隙を見逃さずに懐に潜り込む。

 そして腹に突進してそのまま魔物を持ち上げる。


「ふんぐっ。流石におもっい……パワー!!」

『グガッ!?』


 魔物もさすがに自分より遥かに小さいあたしに攻撃で吹き飛ばされるのはとにかく持ち上げられるのは予想外――みたいに思えなくもない反応をした。

 そのまま、あたしは少しめり込むほどに足にしっかりと力を入れてから魔物を空に向かって投げ飛ばす。

 流石にそのまま星になってくれるほど飛ばせるなんて思ってはいない。

 だけど、モグラの見た目の魔物でここまでの戦いを考えたら空中で大きく動き回る力はないはず。


「あとは魔力を溜めて溜めて溜めて――もっと!」


 あたしは両手を胸の中心に当てて背中を丸めつつとにかく体中にある魔力と思わしきものを集中させる。

 そして、両手を振り上げて魔物めがけて突き出して、そのまま溜め込んだ魔力を解放。 瞬間、手のひらを向けた方向――魔物めがけて光のビームのようなものが放たれた。


「ちょっ!? 思った以上に反動がっ。せめて魔物倒すまで踏ん張れあたし!」


 しかし、思った以上の威力で自分の体が吹き飛びそうになり、踏ん張るも少し後ろに動きそうになる。


「シロナ様!」


 あたしが少し仰け反りそうになったところで、背中を誰かが支えてくれる。

 そちらを向く余裕はないけれどエミリアの声だ。


「あたれえええ!!」


 体の中に残っているもの全てを吐きだすつもりで叫んだ。


『グオオオォォ……』


 最後に魔物の断末魔と思わしき声が聞こえたあたりで、あたしのほうも魔力切れか体力がきれたのかビームは消え去って腰が抜けて倒れた。


「シロナ様。大丈夫ですか!?」

「う、うん……魔物どう?」

「先程の攻撃で倒せたようです。シロナ様のおかげです」

「よかった……じゃあ、疲れたからごめん。ちょっと寝る」

「へ? シロナ様? シロナ様!?」


 あたしは魔物を倒せたことがわかると体だけでなく緊張の糸もきれて意識を失った。

 なんかこっちにきてから、気絶してばっかりだなあたし。

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