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ピュアハート~異世界に魔法聖女爆誕!~  作者: 初雪しろ


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初めての戦いー混乱

 真っ白な光りに包まれて次に視界がひらけると――あまり状況は変わっていないように思えた。

 ただ、めちゃくちゃ視線を感じる。

 周りを見ると戦っていて余裕のない人以外があたしの方を見ていた。

 この状況でそんな行動とるほどの何かだと思うんだけど……言い方はあれだけど強く光っただけだよね?

 視界が真っ白になったというか光に飲まれたけど、あたし自身が変身したとかわかりやすい変化は――そう思って自分の手を見るとつけた覚えのないピンク色のシュシュをつけていた。

 そしてスカートもピンクと白を基調とした――そうまさしく魔法少女とか変身する女の子のアニメとかでよくあるようなスカートになっている。


「ちょっ!? 変身したのはいいけど、なんでこんな色!? こういう聖女って聖なるあれだからシスターとかに近くて、せめて黒とか白じゃないの!?」


 よりにもよってピンクは聞いてない!

 たしかに憧れの気持ちは少しぐらいは持っていたかもしれないけど。

だとしてもこの年になって自分が着るってなると、流石に高校生になって全身ピンクは結構恥ずかしい。

 コスプレですらやってみたいと思うことはたまにあるけど実行にはうつせたことないんだけど!?

 しかも、鏡ないから全身を見れない。なんとなくで想像するしかないけど――少なくとも戦闘中とはいえ気になってしまう程度にはすごい格好だったりしないよね!?


『グオオオオオ!!』


 あたしが状況の把握に四苦八苦していると魔物がそんな雄叫びを上げてこっちを向いた。


「やばい……けど、逃げ場なんてないし、やってみるしかない!」


 恥ずかしさをどうにか頭の隅に追いやってあたしは一歩足を踏み出して魔物の方向へと走りだしたつもりだった。

 だけど、地面を強く踏みしめて一度蹴った瞬間に、想像以上に前にでた――いや、もはや跳んだ。


「ちょっ、本当にこんなになるの!?」


 正直、お約束ではあるかもしれない。

 でも自分自身が体験すると力加減なんて最初からできないのもわかる。

 それと、あたしは今上ではなくて前に進もうとして地面を強く蹴った。

 つまり――気づいたら目の前に魔物の胴体があった。


「ちょっと、待って!?」


 あたしは自分の勢いを止めるためにも反射的に壁に手をついてブレーキするのと同じように魔物のお腹に両手を突き出した。

 結果、あたしはその場でどうにか止まり地面に立つことが出来たんだけど……。

 魔物が吹き飛んで城の壁に轟音と一緒に激突した。


「うそぉ……」


 自分で自分に若干引いた。

 ただ、そんなあたしの都合はもちろん聞いてくれない。

 魔物は瓦礫の中から飛び出してこちらへと突進してきた。


「え、えっと、本当に大丈夫なのかな?」


 さっき吹き飛ばしたのは偶発的なそれで、本当に魔物をいつでも吹き飛ばせるぐらいに力が強くなっているか実感できてない。

 ただ周りにさっきまで戦ってて、疲労困憊の人もいるのを見てしまった。

 ここであたしが逃げたら多分だけど大惨事になる。


「なるようになれ! 怖さは無理やりアゲて後で怖がれあたし!」


 ヤケクソに自分を拳て突っ込んでくる魔物に向き合う。

 とにかく、あのでっかい爪の攻撃にだけは特に気をつけよう。

 他は――わかんないけどかわすしかない。

 でも、体が大きいだけあって動きは遅くて大振りだから見やすいし、一匹だけでよかった。


「ひとまず、試しにパンチ!!」


 あたしは目の前までやってきた魔物のお腹めがけて飛び込んで右手でパンチした。

 何ともいえない感触はさておいて、魔物は後ろにのけぞって数歩下がってお腹を抑える。


「効いて……る?」

『グアアアアアア!』

「あっ、やばいかも」


 モグラには詳しくないけど、明らかに怒った感じが伝わってきた。

 そして勢いよく突進してくる。

 さっきとは比べ物にならないくらいの速さで。


「と、とにかくかわさないとぉっ!?」


 反射的にあたしは突進から逃げようと跳んだ――空高く。


「加減がわかんないって!? というか高い!!」


 ある程度の高さで止まるとそのまま今度は下に落ちていく。

 残念ながら飛行能力はないみたい。


「って、冷静に分析してる場合じゃないでしょ。真下にいるし!?」


 魔物はあたしのことを見失ったがすぐに見つけてこちらを向く。

 そして知能があるのかはわからないけど、しっかり落下地点あたりで待ち構えだした。

 周りから魔法使いの人が攻撃してどうにかしようとしてくれてるのが見えるけど、あまり効果はない。


「こうなったら、見様見真似の必殺キック――は落下してるだけだとあんまり効果なさそうだし。あたしにできることだと……かかと落とし!」


 あたしは空中で思いっきり右足を振り上げて、魔物にたいしてかかと落とししながら地面に着地した。

 そしてその威力は想像以上で魔物は地面に少しめり込むように倒れた。


「よ、よかった。きいて……え?」


 あたしは魔物は伸びてくれたものと思ったけれど、ゆっくりとあたしの目の前に立ち上がる。

 もしかして、あたしの能力があったとしても黒の魔力とやらには効かなかったりするの?

 心は絶体絶命のピンチの気分になった。

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