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31話 巨人だぁっ!?

 タマ達が外に出てから1時間。タマ達は3つ目の基地で最後の物資を置き終えた所であった。


「嬢ちゃん達。ありがとな」

「いえいえ。どういたしまして。これがお仕事ですから。お兄さん達も頑張ってください」

「ん。応援してます」

「おうよっ! そう言ってくれるとやる気が出るぜ」


 最後の物資を渡した後。基地から出て行くタイミングで基地の長に激励しながらタマ達は基地から離れる。


 基地から離れるとタマは口を開いた。


「ふぅ。これで一旦終わりか?」

「ん。さっきのが最後。お疲れ様」

「おう。洋子もお疲れ様」


 お互いにハイタッチをして相手を労う。タマは結界内の荒れている海を見て言った。


「それにしても海が荒れてるな」

「ん。それだけ巨人の泳ぎが激しいという事。結界内の海は常に穏やかだから」

「そうなのか?」

「そう。だからここまで荒れている原因は巨人の泳ぎ」

「なるほど。そう言われるとそれ以外に考えられなくなるな」

「ん。でしょ」


 洋子の説明にタマが納得する。同時に海が爆発した。唐突な爆音と衝撃にタマが慌てて海を見ると基地から様々な砲撃が海を攻撃していた。


「わわっ!? なんだっ!?」

「ん。落ち着いて。恐らく海に潜った巨人を牽制しているだけ」

「いやっ!? 普通に驚くだろっ!? なんか爆発したんだけどっ!? 」

「爆薬や砲弾を使ってるんだから当たり前。それに大きいツクモ神との戦いとかだと割と戦争と変わらないから驚いていても仕方ないと思う」

「まじか……」

「ん。マジ」


 洋子の淡々とした口調で落ち着いてきたのかタマが困惑する。そんな反応を見ながら洋子は海を見る。波とは別に大きな気泡が浮き上がっている箇所を見てからタマに言った。


「ん。タマ。警戒して」

「どうした?」

「……くる」


 洋子の言葉と共に海の中から巨大な何かが水中から出てくる。海の中から現れたのは腰蓑をした屈強そうな男であった。男の巨人が飛び出てくると周囲に大きな波が出来て海に近い浜が海水の中に沈む。

目の前にいる巨人は基地の映像に映っていた巨人であった


「巨人だぁっ!?」

「タマ。落ち着いて。こういう時はどうするんだったっけ?」


 洋子は言い聞かせるようにたずねる。それで落ち着きを取り戻したのかタマは考えを口にした。


「……えっと。まずは見つからないように撤退だったな」

「ん。よく出来ました」


 洋子の言葉で冷静さを取り戻したのかタマはこれからする行動を口にする。それを洋子は褒めるとタマは少し不満そうな顔をした。


「俺は小さい子供じゃないぞ」

「ん。気のせい」

「ホントかなぁ」


 タマは洋子を疑いながら見る。そうこうしていると海から飛び出して来た巨人は周囲を見渡し始める。しばらくするとタマ達と巨人の目が合った。


「やば。目が合った」

「タマ。目が合ったら逸らさずにそっと後ずさりながら視界を切るよ」

「分かった」


 タマは視線を逸らさずにゆっくりと移動を始める。


 しかし、巨人はタマを見てから大きく反応した。


「見つけたぞぉぉぉっ!?」

「っ!?」

「タマッ!? 揺れが来るっ! 姿勢を低くっ!」


 巨人はタマ目掛けて動き出す。突然動き出した巨人の地響きを耐える為に洋子が慌てて指示を飛ばす。

洋子の指示通りにタマは姿勢を低くして耐えていると巨人はタマ達の目の前まで来た。巨人は片膝をつくとタマの方を見て言った。


「見つけたぞ。運命の人よ」

「ひ、人違いじゃないか?」

「いいや。間違いないぞ。その美しい金髪に華奢な体格と滑らかな白い肌。それに加えて赤子のような可愛らしい無垢な顔。夢にまで見た我が花嫁。パンドラ殿に違いない」

「俺はタマだ。それとパンドラ。言われてるぞ」

「私とあなたは夫婦ではありませんよ?」

 タマは巨人の言葉を否定する。同時に肩に乗っかった状態のままパンドラがたずねるとパンドラはきっぱりと拒否した。タマよりも小さなパンドラの存在に気がつくと巨人は混乱した。


「なにっ!? 運命の相手が小さいのとさらに小さい2人いるだとっ!?」

「あのっ! 話が通じてますか?」


 戸惑う巨人に対してパンドラは大きめの声でたずねる。それに巨人は素直に答えた。


「むっ。聞いているぞ」

「あ。普通に話には応じるのですね」

「会話が出来ないと欲しい女を口説けないからな。俺……俺様はエピメテウス。パンドラ殿……運命の相手を嫁に貰う為にここに来た。だが、2人いるのか……」


 巨人:エピメテウス名乗りながら目的をしゃべる。タマは疑問を口にした。


「2人いると何が不味いんだ?」

「どちらかを娶ると残った方が可愛そうではないか」

「うわっ」


 エピメテウスの発言にタマはドン引きする。その反応にエピメテウスは怒った。


「うわっとはなんだっ!?うわっとは!? 俺様は手に入れた女には尽くす方だからな。本当の最低は女であれば誰にでも手を出していたゼウスの方が酷いぞ」

「……正直どっちもどっちだと思うぞ?」


 タマは呆れた様子でつぶやく。それにエピメテウスは悔しそうに言った。


「くっ。理解は得られなかったか。それならば多少強引でもこのまま2人を連れて帰ってからじっくりと力を示して魅了するのみだ。流石に無人島で3人きりとなれば俺様に惚れていつかは嫁になるだろう」

「それは逆に嫌われないか?」

「ええい。うるさい。問答無用」


 タマが呆れた様子でそう言うとエピメテウスはタマ達を捕まえる為に動き始める。動き始めると同時に洋子は言った。


「タマ。伏せて」

「っ!?」


 洋子の指示に従ってタマはパンドラをお腹の方に抱えてからその場に伏せる。同時にまるでタイミングを見計らっていたかのように大量の砲撃が雨のようにエピメテウスに降り注いだ。

 巨人エピメテウスの登場と撃退するための先制攻撃のお話。

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