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21話 受けます

 校長の言った依頼の内容に洋子は口を開いた。


「校長先生。タマはまだ初心者。戦う事は出来るかもしれないけど、防衛への参加は推奨できません」

「洋子……」


 洋子の言葉に困惑するタマは戸惑いながら名前を呼ぶ。洋子の言葉に校長は洋子の言いたいことを察したのか苦笑した。


「ああ。すいません。勘違いさせましたね。別に戦いに参加して欲しいという事ではないのですよ」

「どういうことですか?」


 洋子は校長にたずねる。校長は答えた。


「葛葉君。もう少しお話を聞いてください。すぐにわかると思いますよ。環君。九十九士協会の方から話は聞いています。大量の物資を小さな箱の中に入れる事が出来るんですよね?」

「はい。あ。なるほど。防衛拠点に持って行けばいいんですね?」


 タマは校長の言いたいことを察して以来の内容を口にする。それに校長は笑顔で答えた。


「はい。そうです。環君には物資の運搬をお願いしたいのです。葛葉君は不測の事態のために環君の護衛として行って欲しいのです」

「なるほど。そうでしたか。さっきは早とちりしてすいませんでした」


 校長の意図を理解すると洋子は頭を下げる。それに困った様子で校長も同じように頭を下げた。


「いえいえ。私も勘違いするような事を言って申し訳ありませんでした。それで葛葉君。依頼は了承してくれるかい?」

「ん。承知しました。タマの護衛は任せてください」

「はい。お願いしますね。環君。依頼は了承という事でよろしいでしょうか?」

「はい。受けます。ちなみに巨人との戦いを見学してもいいですか?」


 タマは依頼を受けるついでにちょっとした要望を口にする。それに校長は難色を示した。


「うぅむ。見学ですか。遊び場ではないので出来れば運搬が終わったら避難して欲しいのですが……」

「うっ。ですよね」


 真っ当な指摘にタマは言葉が詰まる。それに助け舟を出したのは洋子であった。


「ん。校長先生。占い部がタマに辻占いで巨人と対峙する結果を伝えていました。多分巻き込まれると思うので見える所に居た方が安全だと思います」


 洋子がそういうと校長は考え始める。しばらくすると校長は口を開いた。


「……そうですか。分かりました。環君と葛葉君の見学を許可しましょう。戦闘部隊の方々には私の方から伝えておきましょう」

「ありがとうございます。ほら。タマも」

「あ、ありがとうございます」


 校長の言葉に洋子が礼を言いながらタマにも真似するように促す。タマも同じように頭を下げる。その後に洋子は一番肝心な部分を思い出してたずねた。


「校長先生。運ぶのはいつですか?」

「おっと。そういえば伝えてませんでしたね。物資の準備と荷物を入れる時間が必要ですので木曜日の放課後にここに来てください。物資を環君の箱に入れてから次の日の金曜日。公欠の扱いにするので朝から作戦を行う場所の基地へと向かってください」

「「はい」」


 校長の指示にタマと洋子は同時に返事をする。反応を聞いた校長は言葉を続けた。


「いい返事です。到着したら現地の九十九士の方々の指示に従ってください。容量については協会の方から話はうかがっていますが、環君はなるべく箱の中は開けておいてください。こちら側もある程度余裕は開けておきますが、それなりの量になりますので。後で目録と一緒にお渡ししますね。それと物資を箱に入れる際には教師陣もお手伝いします」

「分かりました。よろしくお願いします」


 校長の言葉にタマはうなずく。


「依頼については以上です。達成したらこの依頼書にサインをもらってください。葛葉君。やり方は分かっているね?」

「もちろんです。タマの事は任せてください」

「お願いしますね。環君。初めての依頼で責任重大な内容かもしれないが、学園側もしっかりとバックアップしますのでどうかよろしくお願いします」

「はい。がんばります」


 校長の言葉に洋子とタマは返事をする。校長はたずねた。


「いいお返事です。ちなみにお二人はこの後に時間ありますか?」

「ん。私はあります」

「俺も大丈夫です」


 校長の質問に洋子とタマは時間があると伝える。校長はうなずいた。


「良かった。時間があるんであれば残りの木曜日までは私と一緒に修行をしませんか?」

「修行?」

「ん。ぜひ。お願いします」


 校長の提案にタマと洋子はお互いに見つめ合ってから洋子が真っ先に答える。


「タマも受けよう? 校長先生の稽古はハードだけど、絶対にタメになる」

「俺戦いとかに関しては完全に素人だけどいいのか?」

「ん。校長先生は教えるの上手いから問題ない。それに生き残る手段はたくさんあって損はしない」

「そっか。それなら……お願いしてもいいですか?」


 洋子の説明を聞いたタマは校長を見ながらたずねる。それに校長は優しく微笑んだ。


「もちろんですよ。それでは私専用の鍛錬場の方へ行きましょうか。貸切なので誰かと接触するという事もないでしょう。着いて来てください」


 早速といった様子で校長は洋子とタマを連れて鍛錬場へと向かうのであった。

 依頼の確認と洋子と校長の関係と稽古の提案のお話。

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