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13話 メイドさんだ

 土曜日。タマは待ち合わせ場所である学園近くの駅で緊張した面持ちで洋子達を待っていた。


「うぅ。緊張してきた」


 タマは駅の出入口の近くにある広場の隅でつぶやく。タマの肩で待機していたパンドラがあくびをしながら言った。


「ふぁ。何緊張してるんですか? タマ?」

「休日に女の子の友達とお出かけなんて初めてだったんだもん」

「でも、30分前は早すぎですよ」

「うっ」


 洋子達と約束した30分前であった。パンドラの正論にタマは言葉が詰まる。少しすると2人の少女の声がした。


「ん。やっぱりいた。2人共おはよう」

「早いですねぇ。おはようございます」

「あ。洋子とリラ。おはよう」


 タマが声の方を向くとそこには洋子とリラがいた。


 洋子は肩出しの上着にデニムのパンツ。リラはふんわりとしたフリルの多めのワンピースを着こなしてタマに近づく。


 予定よりも早い到着に少し呆れた様子でパンドラは言った。


「おはようなのですよ。2人も早いですねぇ」

「タマは早く来てると思ってたから早めに出た。口では嫌そうな感じだったけど、昨日からソワソワしてたから」

「私は借りているマンションにお姉様が来たのでご一緒しました。近くに住んでいるので移動にはそんなに時間はかかってませんよ」


 2人がそう言うと話しかけたパンドラが何とも言えない表情で答えた。


「なるほど。タマがソワソワしていたのには気づいていたんですね」

「ん。分かりやすかった」

「ですね」

「うぅ。追い打ちは勘弁して」


 あまりにもバレバレなようであったというパンドラ達の言葉にタマは顔を真っ赤にしながら洋子達から背中を向ける。


 しばらくするとタマは洋子達の方に向く。そこからしばらく沈黙が続いてから洋子は言った。


「落ち着いた?」

「……ああ」

「ん。今日のタマの服装は黒のパーカーにショートパンツ。スニーカーと見事黒一色。靴下とパーカの下は白のシャツと。鞄は無地の肩掛け」


 洋子はタマの服装口にする。その内容を聞いたリラは言った。


「そうですねぇ。せっかくですからかわいい系の服とか試したいです。後、小物とか」

「ん。分かる。アクセサリーとかキーホルダーとかの小物がない」

「そうか?」


 2人の言葉にタマは頭を傾げる。


「ん。男の子っぽい」

「そっか」


 洋子の言葉にタマは少し嬉しそうにする。洋子は頭を傾げた。


「嬉しそう?」

「ああ。嬉しい。でも、時間まではどうする? 早く来た俺が言うのもなんだけど」


 タマはたずねる。リラは少し考えてから答えた。


「そうですねぇ。開店時間まではまだ少し時間がありますね」

「ん。問題ない。移動でそこそこ時間が掛かる」

「そうですね。あ。そういえばどうやって向かうんですか?」

「ん。移動手段は手配した。こっち」


 洋子はそう言うとタマとリラを引き連れて移動する。少し離れた駐車場の方に黒いいかにもな高級車が止まっていた。


 洋子は車の後ろの扉を開けてから言った。


「乗って」

「これに乗るのか?」

「すごく恐れ多いのですが……」


 タマとリラがためらう。洋子は頭を傾げた。


「この車は家の今日の事を言ったら乗せてくれるって言ってた。お花さん。私の専属メイド」


 洋子がそう言うと車の運転席の窓が開く。運転席にはクールな印象のメイド服姿の女性が真顔で頭を下げた。


「初めまして。花蓮と申します。いつもお嬢様がお世話になっています」

「メイドさんだ。ど、どうも。初めまして。タマです」

「メイドさんですよ。は、初めまして。リラともします」


 タマとリラはメイドの花蓮と同じように名乗る。花蓮は言葉を続けた。


「タマ様とリラ様。私の事はお嬢様と同じようにお花とお呼びください」

「分かりました。お花さん。今日はよろしくお願いします」

「よろしくお願いします。お花さん」


 タマとリラが丁寧に頭を下げると花蓮はうなずく。柔らかな物腰で花蓮は言った。


「後ろの席へお入りください。お連れします」


 花蓮は後ろの席に入る事を促す。タマは覚悟を決めた様子で答えた。


「……乗ろう」

「え? 本当に乗るんですか?」


 タマの言葉にリラが聞き返す。タマは真面目な表情で言葉を続けた。


「このまま待ってると洋子が何かしてきそうで……」

「ん。別に変な事はしない。ちょっと強引に車に連れ込むだけ。なるべく痛くはしないし、治療はするけど体を骨折れたらごめん」


 体を軽くほぐしながら洋子は物騒な事を答える。どう考えても力づくで乗せる気満々になっている洋子を見たタマは言った。


「な?」

「ですね。乗ります」


 流石に強引に入れられるよりも自分から入った方が安全であることを察したリラは同意してから車に乗る。


「タマも」

「分かってる」


 リラが車の後部座席の奥へと移動する次にタマが車内に入る。席の中央まで移動する洋子も車に乗って扉を閉めた。


「お花さん。よろしく」

「任されました。出発します」


 そういうとタマ達を乗せた車は出発した。

 予定よりも早い待ち合わせ場所への到着と洋子専属のメイドさんが運転してくれるお話。

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