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10話 幽世結界?

 次の日の午後。午前の授業を終えてから担任の石丸から簡単な施設の利用方法や施設の案内の説明を聞き終えた後。


 タマの元に紅蓮がやってきて声を掛けた。


「おっす。タマ」

「おっす。紅蓮」


 2人は気安い挨拶をした後に紅蓮は頭を下げた。


「昨日は急に先に帰ってすまんかったな」

「そこまで気にしてないよ。呼ばれてたんだろ?」

「おう。そうなるな。理解を示してくれて助かるぞ」


 短いやり取りで謝罪を受け入れるとタマは紅蓮の周囲を見る。もう一人の蘆屋の方は朝から学園には出て来ていなかった。


 それにタマは気がつくと紅蓮にたずねた。


「今日、蘆屋は来てないんだな」

「おう。今は占いと合わせて近づいて来ているデカいツクモ神の動向を追っている状態だな。俺も行きたい部活の確認だけ終わったら後で大輔と合流する予定だ」

「言っても良かったのか? 紅蓮」


 あっさりと答える紅蓮にタマは聞き返す。紅蓮は頭を縦に振った。


「おう。今回のツクモ神に関しては下手に隠すよりも迫って来る事を公表して幽世結界で隔離することになった」

「幽世結界?」

「気になるですよ」


 タマは頭を傾げる。机で待機していたパンドラも興味を持ったのかタマと紅蓮の間に寄って来た。


「幽世結界ってのは国の脅威に対して使用が許された対ツクモ神用の結界だ。ツクモ神用という名前だけあって入れる事が出来たら中からは絶対に壊す事が出来ないくらい強固なんだぜ。今回みたいな大きい相手を相手にする為の場所になるんだ」

「そんなのがあるんだ」

「おう。前回はデッカい怪獣を捕縛するのに使われてたな」

「デッカい怪獣?」

「おう。その時は上手い事海で隔離してから師匠の親父さんが仕留めてたから大事にならなかったんだぜ」

「そうなのか?」


 タマは洋子にたずねる。洋子はうなずいた。


「ん。父がこの学園の校舎くらいの怪獣を一刀両断してた」

「それは……凄いな。そんな事が出来るんだ」


 洋子の言葉にタマは驚く。洋子はうなずいた。


「うん。私もいつかは出来るようになりたい所」

『あれは無理だと思うがの。正直、今の当主はワシが知る中でも1,2位を争うレベルのバケモノだと思うのじゃが』

「むぅ。玉藻はイジワル」


 呆れた様子で玉藻は洋子にそういうと洋子は不機嫌そうにむくれる。話を聞いていたタマは洋子の父に思いをはせながら口を開いた。


「凄いんだな。洋子のお父さん」

「うん。自慢の父。いつかは超える」

『まぁやる気があるのはいいことじゃな』


 タマが褒めると洋子は嬉しそうに微笑む。紅蓮は口を開いた。


「話を戻すぜ。幽世結界は要はデカいツクモ神を隔離するための結界だ。そこであればどれだけデカいツクモ神が暴れても被害を出さずに済むって話だ」

「なるほどなぁ。その幽世結界を使って今回の巨人を捕まえようって話なんだな」

「おう。とはいえ結界は自由に動かせないから誘い込むのがこれからなんだけどな。その時には俺も師匠も動くだろうな。師匠も言われたんだろ?」

「ん。昨日の夜に言われた。動きの特定が出来次第私も動く」

「そうなのか。俺も手伝えることがあればいいんだけどな」


 タマがそう言うと洋子は優しい声で言った。


「ん。そう言ってくれるのは嬉しくもあるけど、タマはまだ初心者。今は力を蓄えるのが優先」

「うん。分かった。頑張るよ」

「ん。素直なのは良い事」


 タマは素直にうなずくと洋子は満足そうに答える。そうこうしている内に外の方から賑やかな声が聞こえ始めた。


「外がにぎやかになって来たな」

「ん。という事は勧誘が始まったという事」

「そういえば先生が説明会あるって言ってたな。リラは何か知らないか?」


 徐々ににぎやかさが増している外の声を聞きながらタマは少し離れた場所に座っていたリラにたずねる。リラは反応した。


「お姉ちゃんに聞いた話だと外は勧誘の嵐らしいです。出るならもう少し待った方が良いかもです。説明会は複数回あるので私は人ごみが落ち着いてから移動するつもりです」

「なるほどな。教えてくれてありがとうな」


 タマは礼を言う。礼を言われたリラは微笑みながら答えた。


「どういたしまして。タマちゃんも出る時は他の人と一緒に出てくださいね。半端じゃないので」

「ああ。気を付けるとするよ」

「ん。私が一緒に行く」

「洋子お姉様が一緒なら安心ですね」


 洋子の言葉にリラが安堵する。その様子にタマは不満そうに口を開いた。


「一応言っておくが、同い年だからな?」

「ん。分かってる。でも、用心するに越した事はない」


 心配そうにする洋子の元にタマはうなずいた。


「そうだな。うん。分かった。とりあえず外見てもいいか?」

「ん。見るくらいなら多分問題ない。廊下よりも校庭の出入口の方を見た方が良いかも」

「それもそうだな。教えてくれてありがとう」

「うん。どういたしまして」


 洋子がそう言うとタマは教室の扉の反対側の窓を開ける。扉から離れた場所にある廊下の一角には様々な部活がそれぞれイスと机を用意しており、新入生を勧誘している姿見えた。


 タマは活気のある空間を見てワクワクした様子で言った。


「おお。凄いな。洋子。一緒に行ってみようぜ」

「ん。いいよ」

「リラは?」

「私はあの人ごみの中は遠慮したいので待ってます」

「そうか。紅蓮は?」


 タマは紅蓮にもたずねる。紅蓮は答えた。


「誘ってくれるのは嬉しいが、俺も少し待ってから行くつもりだ。やりたい部活は決めているけど、今は勧誘で忙しいだろうからな」

「そっか。決まってるならそうなるか。よし。洋子。行こう」

「待って。部活動は逃げて行かないから落ち着いて行こう」

「どんな部活があるかな?」

「ん。聞いてない」


 紅蓮の言葉を聞いたタマは素早い動きで洋子を呼び留めようと声を掛けながらタマと洋子は人ごみの中へと向かい始めた。

 蘆屋を除いた生徒達の会話と日本にある大結界の1つである幽世結界のお話。

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