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9話 え?

 洋子とリラ達に連れられてタマは近くの喫茶店に入っていた。


「タマ。タマ。このショートケーキとかどうですか? 真っ白なクリームと鮮やかなイチゴが美味しそうですよ」

「そうかしら? こっちのチーズケーキっていうのが美味しそうよ?」

『ふむ。ワシとしてはこのモンブランが気になるのぅ。タマよ。これを頼んでみぬか?』

「待ってっ!? 一気に言われても混乱するからっ!?」


 店内でタマ達が案内された席に座ると早速といった様子でメニュー表を見ながら3体のツクモ神達がタマに向かって楽しそうに喋り始めた。それにタマが混乱する。


「ん。にぎやか」

「ですねぇ。ソプラノも楽しそうです」

「2人もソプラノと玉藻さんを止めてっ!」


 タマはリラと洋子に助けを求める。2人も助けを求められれば動き始めた。


「ソプラノ。タマちゃんが困ってますよ」

「ん。玉藻も落ち着いて。2人の分も注文するから大丈夫」

「ホント?」

『しっかりと味覚の共有をするのだぞ』


 リラと洋子が自身の相方をなだめるとそれぞれ反応する。ソプラノはリラの近くへ。玉藻は洋子の頭上へふよふよと浮いた状態で移動する。


「それにしてもタマちゃん。ツクモ神の方々にモテモテですね」

「何か感じるモノがあるの?」


 2人はそれぞれの相方にたずねる。最初に答えたのは玉藻であった。


『ん? タマの事か? うむ。説明が難しいな。何というかツクモ神にとっては心地いい力を纏っているのだ』

「そうね。何というか近くに居れば落ち着けるから休むにはちょうどいいのよね」

「ふふん。自慢の相棒なのです」


 それぞれがタマに対する感想を答えると洋子はうなずいた。


「ん。タマにはツクモ神を癒す何かがあるという事でOK?」

『そうじゃな。過去にそういうのもおったはずじゃ。とはいえ。特別な呼び名はなかったと思うぞ。のぅ。パンドラ』

「そうですね。タマモの言う通りだと思いますよ。人の中には色んなツクモ神と非常に相性のいい人がいるのです。タマは多分それです」

「そうなんだ」


 玉藻とパンドラの言葉にタマは微妙な反応を見せる。


『むっ。他人事な反応をしてるが、タマはもう少し気を付けんとダメじゃぞ。ツクモ神だろうが人だろうが悪しき者はいるからな。これは例えじゃが、力を削いだツクモ神の復活に利用されるかもしれんからな』

「うぇ。分かった。気を付ける」


 玉藻の言葉にタマは嫌な顔をしながらうなずく。素直にうなずいたタマに満足そうな表情で玉藻が答えた。


『うむ。素直なのは良い事じゃ。洋子よ。抹茶はあるかの?』

「ん。抹茶単品はないけど、抹茶ラテならある」


 洋子はメニューのドリンクのページを見ながら答えると玉藻はうなずいた。


『それならばそれにしようかの。ついでにケーキはモンブランでじゃ』

「了解。タマとリラは?」


 洋子が他の2人にたずねる。最初にリラが答えた。


「私はチーズケーキでお願いします。洋子お姉様。ソプラノ1人だと量が多いのでシェアしたいので。飲み物は紅茶で」

「ん。セットがあるからそれでもいい?」

「はい。大丈夫です」

「それなら俺もパンドラと一緒に食べれるショートケーキのセットで頼むか。ドリンクはコーヒーで」

「ん。ミルクと砂糖は?」

「いる」


 洋子の問いにタマは真面目な顔でうなずく。それに洋子はうなずくと言った。


「分かった。注文するね」


 洋子は手慣れた様子で注文用のボタンを押す。店員が来ると洋子は慣れた様子で注文をする。あっという間に店員が去ると洋子は言った。


「ん。注文はこれでおっけー。ところで女子会って何を話すの?」

「ですねぇ。何となくで同意しましたが、女子会って初めてなんですよねぇ。私もよく避けられてたので」

「え?」


 真剣な表情で質問を始める洋子とリラにタマは困惑する。


「とっとりあえず、好きな話をすればいいんじゃないか?」

「なるほど。それだったらタマに似合いそうな服を考えよう」

「いいですね」

「なんでっ!?」


 何故か自分の服についての話題が始まる事にタマが驚く。それを無視してリラは話題を振った。


「私としてははやっぱりフリルとか多めのふわふわした服装ですかね。ちっちゃくてお人形さんみたいな容姿ですし」

「ん。それは分かる。定番」

「ですよね。洋子さんはどんな服が似合うと思いますか?」

「私としてはボーイッシュな服装もアリだと思う。少しだけフリルやリボンとかアクセントがあるとなお良し」

「いいですねぇ。少年チックな恰好も悪くないです」

「ん。他にも試してみたい」


 リラの言葉に洋子は同意する。それにリラが食いついた。


「ですよね。色々と試してみたいですよ」

「今度連れて行く?」

「いいですね」

「俺の意見とかガン無視で話が進んで行く。まだ、何も言ってないよ」


 洋子とリラの言葉にタマはつぶやく。タマの意見を無視して洋子は言葉を続けた。


「ついでにリラに似合いそうなのも探そう」

「洋子お姉様……。私もお姉様に似合う服を探します」


 リラが感動した様子で洋子の言葉に答える。


「タマ。今度はドレスとか興味ある?」

「……なんでいきなり? いや、興味ないよ」


 タマは答える。洋子は言葉を続けた。


「そう。それなら私達好みに着飾って見てもいいかも。パンドラさんはどう思う?」

「いいですね。やっぱりドレスとかのフォーマルな服装はあった方が良いのです」

「こっちで選んでも?」


 洋子はパンドラにたずねる。パンドラははっきりとうなずいてから答えた。


「大丈夫ですよ。ファッションの楽しみを教えて欲しいのです」

「なるほど。頑張る」

「行くのは確定なの?」


 タマはパンドラにたずねる。パンドラはうなずいた。


「確定なのです。サクラからも制服とは別にそう言った服は必要だから時間がある時に探して欲しいと言われてるのです」

「母さんに……うへぇ」


 パンドラの言葉にタマは露骨に嫌な顔をする。


「自分に似合う服を選ぶのも来て慣れるのも練習なのです」

「……分かったよ。着ればいいんだろ? 拒否権はないだろうし」

「良く分かってるのです」


 タマががっくりと肩を落とすと洋子がたずねた。


「タマの服は少ない?」

「少ないのです。最低限はあるのですが、その服をずっと使い回してるだけでおしゃれとかはしないのですよ」

「もったいないですね」

「そうなのですよ。正直、ほぼ同じような服を使い回してるのです」

「別にそれでも問題ないだろ?」


 パンドラの言葉にタマは特に気にした様子もなく答える。その反応に洋子はタマを見ながらパンドラにたずねた。


「本当に?」

「本当なのです」

「……だって楽じゃん。選ぶのが面倒くさい」

「こんな感じなので荒療治が必要なのです。なので連れて行く許可は出すのです」


 パンドラそう言うと洋子とうなずき合ってから口を開いた。


「なるほど。確かにそれは必要。リラ。明後日の土曜日空いてる?」

「私は大丈夫です」


 洋子の問いにリラが返事を即答する。洋子はタマを見て言った。


「タマ」

「何?」


 タマは今までの会話から嫌な予感を覚えながらたずねる。洋子は言った。


「土曜日は時間空けるから買い物に行くよ。ちなみに拒否権はない」

「えぇ……」

「お待たせしました」


 洋子の言葉にタマは困惑する。そのタイミングで店員が注文の商品を持ってくる。商品を机に並べると店員は言葉を続けた。


「注文は以上でよろしいでしょうか?」

「ん。ありがとう」

「ありがとうございます。ごゆっくりして行ってください」


 そう言うと店員はその場から去って行く。並べられたケーキに釘づけのツクモ神達に洋子は口を開いた。


「ん。話はいったん中断。食べよう」

『早くするのじゃ』

「わかった。パンドラも良いな?」

「もちろんなのです」

「食べましょうか」

「楽しみだわ」


 そう言うとタマ達はケーキを食べ始める。こうして喫茶店での時間を楽しむのであった。

 喫茶店での女子会? のお話。

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