表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/43

7話 え? 入れないの?

 リラの案内で校内を奥へと進んで行った先。木々で囲まれた場所には校舎と同じ位の大きさの明らかに古いと分かる施設があった。


「ここが九十九士学園の図書館です」

「でっか……」

「大きいです」

「ん。大きい」

『こんな奥まった所にあるんじゃな』


 リラの言葉に案内された面々が目の前の図書館を見上げながらつぶやく。


「私の相方であるツクモ神がたずねてるんだけど、なんでこんな奥まった場所にあるの?」


 洋子はタマモの代わりにたずねる。リラは答えた。


「図書館は一般では見せられない本があるらしいのでここに隔離しているという噂もあるそうです」

「噂? そんなのあるのか。ん? でも、リラは何で入学したばっかりなのに詳しいんだ?」


 リラの詳しい説明にタマは感心する。同時に思っていた以上に詳しいリラにタマは疑問を口にするとリラは少し苦笑いした。


「それは私のお姉ちゃんがここの卒業生だからです。去年までここに居たから色々と話は聞いてるの」

「なるほど。それで詳しいんだな」

「そうなんですよ。お姉ちゃんが『面白い場所だから行ってみると良い』って言ってたんです。中に入るのは初めてなので少しワクワクしてます」

「そっか。それは楽しみだな」


 楽しそうに答えるリラにタマも興味がわく。そんな2人を見た洋子はリラにたずねた。


「ん。リラ。マンガとかもある?」

「それは……いいのか?」

「中学の図書室にはあった」

「あったのか……」


 洋子の問いにタマが戦慄した様子でたずねる。それにリラが苦笑して答えた。


「あるそうですよ。洋子お姉様。私も聞いたことがあります。とはいっても古いマンガだけだってお姉ちゃんが言ってました」

「ん。ありがとう。もしもの時はそれで時間が潰せそう」

「そうですね。洋子お姉様だったらそれも良いかと思います。それでは入りましょうか」


 そう言うとリラに連れられて図書館へと入ろうとする。扉を開けると目の前には背を向けた状態の担任の石丸が大量の箱を抱えて男の背中が目の前にあった。


「わわっ!?」


 目の前の扉を開けた瞬間に人がいたことにリラが慌てる。その声に石丸が反応した。


「むっ。前に誰かいるのか?」


 石丸はたずねる。それに洋子が代表して返事をした。


「ん。私。葛葉です。後は環さんと水野さんです」

「なるほど。葛葉達か。振り返れんですまんな。今、頼まれた物を運んでいる所でな。扉を開けるために一旦降ろそうとしてた所だったんだ」


 石丸は答える。洋子は石丸に対して提案した。


「ん。先生。開けときましょうか?」

「おお。いいのか?」

「問題ないですよ」

「そうか。お願いする」

「わかりました」


 洋子はそういうと扉をしっかりと開けてその場で支える。石丸は素早く荷物を持った状態で振り返ると扉の外へと出る。洋子が手を放すと扉は自動で閉まる。


 同時に石丸は洋子に礼を言った。


「ありがとう。助かったぞ」

「ん。先生。頼まれた物って何?」

「明日の午後の授業で使う消耗品の一部だな。ツクモ神から伝わった術を使うのに必要な特殊なインクや紙、薬品、禁書等の管理が必要な物はこの図書館に集まられるんだ」

「図書館なのに?」


 どう考えても図書館に置く物ではないような物を管理している図書館にタマが頭を傾げる。その問いに石丸は答えた。


「ああ。ここの図書館が特別なんだ。校舎内も錬金術や魔術を使って一般の施設よりも頑強なんだが、図書館は学園の創設当時から存在しててな。現代では再現不可能な素材が使われている関係で学園内のどこよりも頑丈なんだ。だから、授業じゃない時はここに保管されてるんだ。もちろん。持った危険な代物は専用の倉庫だがな。そこまでの物になると出し入れも厳重で大変だからそれよりも危険性は下がる代物は大体ここだな」

「なるほど。先生。それって話しちゃって大丈夫なのか?」


 タマはたずねる。石丸はうなずいた。


「別に秘密にしている事ではないからな。っと。そうだった。勉強熱心なのは感心だが、今日は式の関係で図書館はやってないから入っても意味ないぞ」

「そうなんですかっ!?」


 石丸の言葉にリラが驚く。


「ああ。私の方は事前に予約をしていたから図書館に入って受け取ってるが、今は中に入って追い返されるだけだぞ。それに扉は開かないと思うぞ。魔法鍵で特定の条件以外では入れないようになっているからな」

「え? 入れないの?」

「本当だ。開かない」


 石丸がそう言うとタマが思った事を口にして洋子は図書館の扉を開けようとする。


 しかし、扉には鍵をかかっている状態なのか扉は開かなかった。それを見ていたタマは言った。


「うぅん。気になってたけど、そもそもやってないならどうしようもないか。先生。教えてくれてありがとう」

「ああ。それと今日は部活とかもやってないだろうから校内を見て回ってもあまり意味ないかもな。明日からは午前中に軽い授業をしてから午後からは自由時間だ。部活動や九十九士専門科目の申請、依頼の受け方や報告の仕方の基本とか施設の案内の説明会があるから出来れば参加してみると良いだろうな。それと気をつけて帰るんだぞ」


 そう言うと石丸は大量の荷物を持って移動を始める。タマ達は石丸を見送ると言った。


「説明会があるんだ。そうなると今の行動は無駄だった?」

「ですねぇ。でも、こうやってお話しながら歩くのも楽しかったので問題ないですよ」

「ん。リラの言う通り。この後も楽しく話をしながら帰るだけ。タマは楽しくなかった?」

「そうだな。俺も楽しかったからもう少しお話したいな。いいか?」


 2人の言葉にタマは上目遣いでたずねる。それに洋子とリラはうなずいた。


「もちろん。一緒に帰ろう」

「ですね。タマちゃんの事をもっと教えて下さい」

「うん。もちろん。帰ろう」


 洋子とリラの言葉にタマはそういうと帰宅のために動き始めた。

 図書館の前でのやりとりのお話。もっとわちゃわちゃさせたい所。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ