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6話 そういえばお勤めってなんだ?

「タマ。リラのツクモ神であるソプラノと合流したけど、これからどうするの?」


 リラの相方であるツクモ神のソプラノと合流した後。洋子がタマにたずねる。タマは少し困った表情で答えた。


「うーん。ごめん。そこからは何も考えてなかった」

「もう。タマったらうっかりさん。それなら先に教員室に―」


 洋子がそういうとスマホの鳴る音がする。音の方を向くと紅蓮がポケットに手を突っ込んでから言った。


「あ。わりぃ。俺だわ」

「ん。早く出る」

「おう。少し離れるぞ。もしもし―」


 紅蓮はポケットからスマホを取り出して離れる。話の聞こえない位置まで離れて通話を始める。それを見た洋子は口を開いた。


「むっ。紅蓮はこの後一緒に行けないかもしれない」

「葛葉さん。どういうこと?」


 タマがたずねると紅蓮は少し慌てた様子で戻って来る。タマ達の前で手を合わせた。


「悪い。お勤めで招集がかかった。大輔。お前もアンナさんと来いってさ」

「私もですか。承知しました」


 紅蓮の言葉に蘆屋が返事をする。2人でそのまま移動し始めると洋子はたずねた。


「何かあったの?」

「おっと。そうだったな。なんか滅茶苦茶大きなツクモ神がこっちに来るかもしれないってさ。調査のために俺と大輔が呼ばれた。まぁ、メインは大輔だろうけどな。親父が情報が確定したら師匠にも話は来るだろうから準備だけはしてくれってさ」

「なるほど。分かった。今は案件がないから準備だけしておく」

「おう。親父に伝えておく。行ってくるぜ。大輔」

「ああ」


 洋子が返事をすると紅蓮は蘆屋を連れて移動を始める。それに洋子は言った。


「ん。行ってらっしゃい。蘆屋も頑張ってね。アンナさんは2人をよろしく」

「はい。言ってきます」

「任せなさい」


 洋子の言葉に返事をすると紅蓮と蘆屋とアンナはこの場を後にする。2人と1体がいなくなるとタマは洋子にたずねた。


「そういえばお勤めってなんだ?」

「ん。国を脅かすツクモ神が発生した時に対処するのは力を持つ九十九士の一族の仕事の事。紅蓮は戦神の力を降ろせる家系の1つである来夏家の筆頭跡継ぎ。一緒にいる蘆屋は安倍晴明とライバル関係にあった術士の蘆屋道満の子孫で術の扱いに長けている。今回は蘆屋の星占術……占いが目当て」

「占い? それって毎朝テレビとかでやってる奴?」


 タマがたずねると洋子はうなずいた。


「ん。認識はあってる。ただ、それは一部」

「一部?」


 タマはさらに頭を捻る。話を聞いていたリラが答えた。


「う、占いは太陽や月、星などの配置や動きを見て知りたい未来やその人の吉凶を見る為の術です。今回のように行動に指針が必要な時には占いを使うのです。私がオススメした占術の授業で習えますよ」

「そうなのか。蘆屋さんはそれが得意なのか?」


 タマは洋子にたずねる。洋子は肯定するようにうなずいた。


「ん。得意。アンナさんとの占いを楽しむためにがっつり学んでた」

「アンナさん中心なのか」

「アンナさん中心。小さい頃から将来はアンナさんと結婚するとずっと言ってた」

「お、おう。そんな事まで言ってるんだな。それにしても良く知ってるんだな」


 よくいえば一途。悪く言えば病んでると捉えられても仕方のない蘆屋にタマはドン引きしながら返事をする。洋子は答えた。


「ん。小さい頃から戦闘指南もしてたから良く知ってる。それととりあえず2人は大丈夫。私も来ることが確定しない限り出番はない。そういえばリラとタマはなんでここに入学したの?」

「私は海の守護や警護がメインではあるんですが、占いも好きなのでここに学びに来たのですよ」

「そうなんだ。俺はパンドラとの契約で少しイレギュラーな事が起きたからそれを調べたくて来た」

「イレギュラー?」


 タマの言葉に洋子が頭を傾げる。


「これは言っとかないとな。医者の先生が言うには契約でパンドラと俺が混ざり合った状態って言われた。元々は男だからな。俺」

「え?」

「ん。玉藻から聞いたから知ってる。でも、可愛いからオッケー」


 タマが自分の事をしゃべる。その言葉に困惑するリラと特に気にした様子のない洋子がそれぞれ答える。洋子はリラにたずねた。


「リラはタマが元男の子でもダメ?」

「いっいえっ!? そんな訳ないじゃないですかっ!? 今のタマちゃんは女の子なので問題ないですよっ!」

「リラ……」


 洋子の問いにリラは力強く答える。その言葉にタマが感動したような声を漏らす。


「それに女の子初心者という事は私達で好きに女の子らしく染められるという事ですよねっ!?」

「そう。リラは良く分かってる。しっかり女の子のファッションの沼に沈めてから仕草を教えて戻れなくもいいやって思わせよう」

「はいっ! 私がんばりますっ!」

「ん。一緒にがんばろう」

「リラ……葛葉さん……」


 素直な2人の反応に先程とはうって変わってタマは冷ややかな視線を送る。下手に反応すると藪蛇になりそうだったため、タマは軽く咳払いして話を戻した。


「ん゛ん゛っ。話を戻すぞ。今は奇跡的に人とツクモ神の中間でバランスが取れてるから問題ないみたいなんだ。ただ、今後は何が起こるか分からないから大丈夫な内に対処できるなら何とかしたいから来た。ついでに男に戻るために」

「なるほど。それは大変ですね。困ったことがあった言ってください。出来る事は協力しますよ」

「ん。私も渋々協力する。ついでに出来れば性別が戻らないようにする手段も一緒に探す」

「ちょっとっ!?」

「ん。渋々は冗談」

「そっか。ん? 待ってっ!? 性別の部分は協力してくれないのっ!?」

「ふふっ」

「どっちなのっ!?」

「秘密。どっちでしょう?」

「えぇ……」


 洋子がからかうとタマは困惑する。少しすると協力をしてくれる2人に照れた様子でタマは礼を言った。


「……うん。とりあえず協力してくれてありがとう。それなら早速聞いてもいいか?」

「ん。何でも聞いて」

「学園の図書館ってどこなんだ?」


 タマはたずねる。


「私は知らない。リラは?」

「図書館なら知ってます。こっちです」

「頼む」

「お任せくださいっ! こっちですよっ!」


 リラは場所を知っているのか元気よく返事をする。タマ達はリラに案内されて図書館へと向かうのであった。

 紅蓮達の離脱と学園内の探索の再会までのお話。

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