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プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
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赤い花びら恋の色 第4話

 1次のドレス審査が終わると次はフリー審査です。

最初はマリーの番です。

「ごきげんよう、本日わたくしはヘアアレンジをしたいと思います。会場の中でどなかモデルになってくださるかたいらっしゃいませんか?」

「アントワネット様のモデルに?」

「私やってみたいわ。」

マリーの呼びかけに多数の令嬢、貴婦人が挙手をします。

「どなたにお願いしようかしら?」

その時マリーは自分と同じ袖にリボンをつけたドレスを着た腰まで髪を伸ばした令嬢が目に入りました。 「そちらのお嬢さん、お願いできますか?」

マリーは彼女を指名しステージに上がってもらいます。彼女を椅子に座らせると櫛を取り出し髪を梳かしていきます。今度はヘアアイロンで髪を巻き自分と色違いのブルーのリボンを彼女に付けます。

「どうぞ。」

鏡にはマリーと同じ髪型の令嬢が写ります。

「アントワネット様とそっくりですわ。」

マリーは令嬢の手を取り客席にお披露目するように立たせます。

「ドレスもお揃いですこと?」

「まるでエスですわ。」

マリーと令嬢に対して拍手が起こりました。

 

 次に登場したのは全子です。先ほどのドレスではなくいつもの和装です。

「そちらの侯爵夫人、壇上に上がって頂けますが?」

全子は審査員の侯爵夫人を指名します。夫人が舞台に上がると全子の侍女が座布団を持ってきて勧めます。「どうぞ」

その間も全子は茶道の道具を定位置へと並べます。全子はお茶のお手前をするのです。侍女が今度はお菓子を持って来て夫人の前に出します。

 全子は袱紗を付けると夫人にお菓子を勧めます。棗の蓋を開けて茶杓で粉を掬い上げお茶碗にいれます。柄杓でお湯を入れると茶筅でといでいきます。泡が立つと夫人の元へ持っていき絵柄が夫人の方へ向くように回して出します。

「お点前頂戴致します。」

夫人は1言添えると絵柄の部分を避けお茶を口に入れ飲み終わると絵柄を全子の方へ向けて置きます。

 すると今度は侍女が客席に現れお菓子を配り始めます。

「これ先ほど全子姫が出していたお菓子だわ」

令嬢の1人が侍女から渡された包を広げます。

「皆様」

全子が客席に呼びかけます。

「こちらは私が今日のために作ったお菓子です。どうぞお召し上がり下さい。」

 

 プリンセス達のパフォーマンスは続きました。レティシア王女のフラメンコ、タチアナ姫は戯曲「桜の園」のワンシーンをフランス語で1人芝居、婉容はピアノでジャズを演奏します。婉容の演奏は手拍子で会場が一体となって盛り上がりました。

 その様子を舞台袖から虞姫が見ていました。

演奏が終わると婉容は一礼して舞台袖に戻ってきます。

「大丈夫ですか?虞姫様」

虞姫は顔が強張っています。

「大丈夫です、皆様のパンフォーマンスに圧倒されてしまって。私もあんな風に会場を1つにできるかしら?」

「虞姫様、そんな事を考えなくてよいのです。項羽様の事だけを考えておやり下さい。」

婉容が虞姫の手を握ります。

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