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プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
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赤い花びら恋の色 第3話

 西洋の客人をおもてなしする鹿鳴館。いつもなら舞踏会が行われるのですが今日集まってるのは華族の貴婦人や令嬢ばかり。紳士はおりません。今日は年に1度のプリンセス大会なのです。広間にはこの日のためにステージが作られその前には椅子と長テーブルが並べられ貴婦人達が座ります。彼女達は審査員です。

 その後ろには大会を観に来た令嬢や貴婦人達がいます。

「皆様ごきげんよう」

大会の開始を告げるベルが鳴ると栄子がステージに現れます。

「只今よりプリンセス大会を開催致します。わたくし本日司会を務めさせて頂きます。鍋島栄子でございます。」

栄子の挨拶が始まるとオーケストラが演奏を奏でます。

「プリンセス大会の審査は2つドレス審査とフリー審査でございます。まずはドレス審査からです。どんなドレスで出てきてくださるでしょうか?最初のプリンセス、どうぞ。」

栄子が袖に履けると音楽が盛り上がっていきます。最初に出てきたのはマリーです。金髪を縦ロールにピンクのリボンを付けて袖と裾に同じリボンついたピンクのドレスで歩いてきます。中にはパニエが入っています。ドレスの裾を後から持ち上げながらステージ中央に歩いてきます。

「ごきげんよう」

中央に行くと審査員や観客の方に対し裾をつまんでお辞儀をする。

「アントワネット様のドレス可愛いわ。」

「本物のフランス人形かと思いましたわ。」

令嬢達はマリーのドレスに目を奪われます。 

 次に登場したのは婉容です。婉容は黒髪を夜会巻にしてオフショルダーの青いドレスを着て黒い毛皮を羽織ってます。手にはキセルを持っています。

「アントワネット様とは対象的ですわね。」

「大人の淑女って感じがしますわ。」

令嬢達は再び呟きます。

 その次に出てきたのは全子です。全子は淡い白色の青い花柄のドレスです。胸元には水色のリボンにレースの丸襟がついてます。

「ごきげんよう」

全子はお辞儀をすると舞台袖にいる栄子の方を見ます。栄子は全子と目線を合わせると頷きます。全子のドレスは栄子が選んでくれたものです。

 それからプリンセス達はそれぞれのドレスでステージに登場しました。 スペインのレティシア王女はフラメンコドレス、ロシア帝国のタチアナ姫は白いエンパイアドレス、そしてインドのジャスミン姫はサリーで現れました。

 最後は虞姫の番が来ました。虞姫は赤いドレスに白い毛皮を羽織って登場します。

「あのお姫様、あまり見かけないわね。」

「西楚の国の虞姫様よ。美しい方ね。」

「美しいけど婉容様と似てないかしら?」

虞姫は先日婉容に連れられて行ったブティックで購入したのです。婉容が日本ではエスと言って仲の良い女学生が髪型や装いをお揃いにするのが流行ってると教えてくれたのです。新しい友情の印で色違いのドレスと毛皮を選んだのです。

「綺麗だけど婉容様の真似かしら?」

「いえ、そうでもないみたいだわ。」 

貴婦人の1人が虞姫の髪に目をやリます。

「綺麗な簪ですわ。」

虞姫の髪には赤いけしの花の簪が刺してありました。

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