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プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
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赤い花びら恋の色 第2話

「虞姫様」

婉容は席を離れ虞姫の元へと向かいます。

「婉容様」

虞姫は婉容に一礼します。

「虞姫様もプリンセス大会に出場なさるのですか?」 

虞姫は一度だけ頷来ますがどこか元気なさそうです。

「虞姫様、ご気分が優れないのですか?」

婉容が心配そうに尋ねます。

「実は先日」

「お待ちなさい」

侍女の1人が話そうとするが虞姫が止めに入ります。

「自分で言うわ。」

 虞姫は婉容と同じ中国大陸にある国西楚のプリンセスです。夫である項羽は隣国との戦に明け暮れ度々城を留守にしているのです。

「お城の部屋で項羽様の帰りを待っていたのですが」

部屋にこもりがちになっていた項羽の帰りを心配していた虞姫に侍女がプリンセス大会の出場を勧めたのです。

「気分転換のつもりにと。」

「そうだわ、私の友達がテラス席におりますの。紹介しますわ。」



 テラス席に婉容が虞姫を連れて戻ってきました。

「婉容様、そちらはどなたですの?」

栄子が尋ねます。

「虞姫様ですわ。」

「お初にお目にかかります。」

虞姫が一礼します。

「フランス王妃マリーアントワネットですわ。」

「鍋島直大の妻鍋島栄子でございます。」

「桓武天皇の妃坂上全子と申します。」

3人は立ち上がり1人ずつ自己紹介をします。

「虞姫様もプリンセス大会に出場されるのですか?」

マリーが尋ねます。

「ええ」

「フリー審査は何をなさるのですか?」

全子が尋ねます。

「それがまだ」

虞姫は俯きます。彼女はまだ何をするか決めていないようです。

「虞姫様、舞はいかがですか?以前紫禁城の舞踏会で披露してくださった。」

婉容が提案します。

虞姫は紫禁城の舞踏会に招待された時白い絹の布を持って一曲踊ってくれたのです。

「素晴らしい案ですがあいにくあの布は持ち合わせてませんの。」

「虞姫様、そちら素敵ですね。」

マリーは虞姫の髪に刺された赤い花に気付きます。

「ありがとうございます、こちらはけしの花でございます。項羽様が戦に旅立つ前に私にくださった花なのです。」

「虞姫様は項羽様から頂いた花を部屋に飾っております。わたくし達が水やりをしようとすると私にやらせてと言ってご自身でされるのです。」

侍女が入って説明します。

「でしたらいい考えがありますわ。」 

婉容が立ち上がります。

「虞姫様、少し付き合ってくださいますか?」

婉容は虞姫の手を取りその場を後にします。



「あの、婉容様、どちらに行かれるのですか?」

婉容は虞姫を馬車に乗せ帝都を走らせます。

「虞姫様、着いてからのお楽しみですよ。」

どれくらい走っただろうか馬車が止まり扉が開けられました。

「ここですわ。」

そこは洋館でした。

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