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第八章
翌日。泣き腫らした私の顔は酷いものだった。
本当はもう何もする気が起きなかったんだけど、そういうわけにもいかない。
とりあえず顔を洗い、薄く化粧をする。
そしてどうにか下がった気分を上げようと、お気に入りのワンピースに着替えた。
まだ肌寒さが残るため、薄手のカーディガンも羽織る。
そして心配しているだろう雅に、家の電話からかけた。
携帯の電源は切ったまま。
どうしても電源を入れる気にはならなかった。
「ごめんね、雅……うん……ちょっと具合悪くなってさ」
雅には軽く事情の説明をする。
と言っても、清貴さんの話はしなかった。
「あ、今日はちょっと……実はね……」
今日改めて遊ぼうと誘ってくれる雅に、私は今日のことを簡単に話した。
そしてあらかた話終えた時、玄関のチャイムが鳴った。
「はい…………お久しぶりです」
雅との電話を終えて玄関のドアを開けた私は、そこに立っていた人物にそう挨拶した。
「やだわ。何でそんな他人行儀なの?」
呆れたように笑う、かっちりとしたスーツに身を包んだ女性。
そして昨夜、私に電話してきた人物こそ他でもない、この私の母だった。
実はとある企業の社長である父と、その秘書である母。
海外に本社を置いているため、なかなか帰ってくることがない人達が、日本に来た理由は一つ。
私のお見合いだったんだ。




