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第七章


あの後、どこをどう走ったか全く記憶にないけど、ちゃんと家にはついた辺り、まだ脳はまともなのかもしれない。


けど心はボロボロで。


顔も情けないほど涙でぐちゃぐちゃだった。


ふらつく足でなんとかベットに辿り着き、力なく倒れ込む。


意思とは関係なく溢れ出る涙を布団に吸わせ、私はじっと宙を見つめた。


甦るのはさっきの光景。


信じていた。

いや、信じていたかったのに。


見てしまった光景は、いとも簡単に私の心を打ち砕いた。


信じたくなかった。


あれが真実なら、彼には私じゃない恋人が他にいたということ。


……いや、そもそも私は彼の恋人だったんだろうか。


私はそう思っていたけど、彼には単なるお遊びだったのかもしれない。


舞台にいたのは私だけ。


一人で踊っていただけの、愚かな道化人形だったんだ。


「……バカみたい」


あの人は大人なんだから、私みたいな子供を相手にするなんて有り得なかったんだ。


そんなことにも気付かないなんて、本当バカみたい。


〜♪〜♪


ふいに携帯が鳴った。


清貴さんかと思ったけど、ディスプレイに表示された名前は違う人だった。


「……はい……いえ……え?…………分かりました」


用件だけ聞いて切った電話。


もう何もかもどうでも良くなって、私はそのまま携帯の電源を落とした。


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