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第四章


清貴さんと初めて会ったのは高校受験を控えた中学三年生の時。

私の家庭教師として彼はやって来た。


初め母は、私の友達のお兄さんに家庭教師をお願いした。


けどそのお兄さんはすでに家庭教師を掛け持ちまでしていて、代わりに、と来たのが清貴さんだったのだ。


友達のお兄さんを信頼して頼もうと思っていた母は最初、断るつもりだったらしい。


けど清貴さんの柔らかい雰囲気と、教えてもらった私の反応からお願いしてみようということになった。


清貴さんの教え方はすごく分かりやすくて、私はすぐ家庭教師の時間が好きになった。


清貴さん曰く、


「ヒントさえあげれば桜ちゃんは一人でも頑張れる」


とのことだけど、そのヒントが的確に出来る清貴さんがすごいのだと思う。


「教師になるの?」


一度だけ、そう尋ねたことがある。


すると清貴さんはフッと笑って


「なりたくても、今は需要がないから」


と、少し悲しげに答えてくれた。


そのどこか寂しそうな、でも優しい微笑みにイチコロだったんだ。


けど、当時は清貴さんも学生だったとはいえ、私は中学生。


まだまだ子供の私なんか相手にされないだろうって、高校受験を終えて家庭教師が必要なくなってからは会うこともなかった。



転機が訪れたのは高校二年の夏。


雅達と遊んだ帰り道。

スーツ姿で公園のベンチに座る清貴さんを偶然見つけた。


「お久しぶりです」


そう声をかけると、一瞬驚いた顔をして、でもすぐあの時と変わらない優しい目をしてくれた。


それから勉強を見てもらう、という名目で度々会うようになった。


告白をしたのは高校三年にあがる直前。


玉砕覚悟だったんだけど、清貴さんは優しい笑顔で


「こちらこそよろしくね」


と言った。


それから約2ヶ月経った今、私はまだ半信半疑でいる。


どうして清貴さんは私の告白に応じてくれたの?


あなたから見て、私はまだ子供なはずなのに。


決して埋まらない年の差は素直に喜ぶ気持ちを奪っていく。


あなたにとって、私はちゃんと"恋人"ですか?


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