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第十五章


「桜、そんな風に考えてたの? だから彼氏の話、してくれなかったの?」


悲しげな雅の顔。

その顔を見れば、私の考えがどれだけバカバカしかったかが分かった。


「ごめ……」


「ごめんね、桜ぁ……」


謝ろうとした私に何故か抱きついてきた雅に、私は慌てた。


「雅?」


訳がわからない私に、雅は嗚咽を漏らす。


「桜がつらい思いしたの私のせいだぁ……」


「いや、だからね?」


ふぇぇん、と泣き出す雅の頭を撫でてやりながら、私は苦笑した。


ふと雄大に視線を向けると、お手上げのポーズで返される。


そしてようやく雅が泣き止んだ頃、タイミング良く予鈴が鳴った。







放課後。帰る用意をする私に、雅が後ろから抱きついてきた。


「桜! 一緒に帰ろ?」


「ごめん。今日はダメ」


巻き付いてきた腕をポンポンと叩き言うと、雅は泣きそうな顔になる。


「婚約者さんだろ」


後から来た雄大に微笑むと、雅はあっ、と私から離れる。


「そっか。だよね」


今までは内緒にしてたから、迎えに来るって言ってくれる清貴さんの申し出は断り続けてた。


けどもうバレちゃったしね。


「雅は雄大とイチャイチャしてなさい」


「はぁい」


素直に頷く雅に微笑んで、私は先に教室を出た。


校門を過ぎてしばらくすると、前方に見知った車がある。


「終わったよ」


開いた窓から中を覗くと、清貴さんの笑顔が私を迎えてくれた。


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