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第十一章
「なんで……なんでいるの?」
困惑する私の頭を優しく撫で、清貴さんはフッと微笑む。
息が荒いのは急いできてくれたから…?
「雅ちゃんが教えてくれたんだ」
「雅……?」
清貴さんの口から飛び出した名前に眉を潜める。
雅の話を清貴さんにしたことはある。
けど雅にはしていなかったのに。
「それって……」
「待てよ、誰だお前は!」
唐突に背後から私の言葉を遮り、お見合い相手の男の人が声を上げる。
やば……完全に忘れてた……
すると、私をグイッと抱き寄せ、清貴さんが口を開いた。
「この子は俺の恋人なんで、手を出さないでもらえますか?」
恋人!?
驚いて見上げると、清貴さんはにっこりと微笑んでる。けど、何か怖い……
お見合い相手も顔が引きつってる。
そして清貴さんからの止めの一言。
「いなくなるなら早くした方がいいですよ?じゃないと殴りますから」
殴……っ!?
いつも柔和な清貴さんからは想像できない激しい言葉に、ビックリしてしまう。
そのあまりにも冷たい響きに、お見合い相手は脱兎のごとく逃げ出した。




