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第16話 【覚醒】 4
ジトリ、と嫌な汗が新太の背中を伝う。
言われていることは自分自身でも痛いほどにわかっているはずだが、新太は未だに動くことができない。
決闘前、もしかしたらアイリスが戦闘魔法が使えない自分を哀れに思っているのではないか、と決めつけて彼女に八つ当たりしてしまった。
それでもなお、決闘が始まって助言をくれる彼女から消えかけた闘志をもう一度もらった。
勇気をもらった。
決闘開始時から想像は完璧にできている、はずだ。
(なのに、どうして動かない。動けないんだ俺は?)
完全に、傍観者だ。
智也に敗北する双剣を見ているだけの空気。臆病者。
ーー『アンタはどうやってウチを倒した……?』
(俺は、アイリスさんを常用魔法で倒した。けれどもあの時、彼女は戦闘魔法をまだ使えなかった。だから戦闘能で圧倒的に劣るアドバンテージをゼロにできた。じゃあ、今はどう? 敵は状態異常の魔法が使えて、智也も戦闘魔法は使えるはず。この二人を攻略する手立ては……)
ジトリ。
まただ。気づけば背中は異常なほどに汗ばんでいた。
「さぁ、覚悟を決めてくれ。属性選択は風、使用するのは……」
「させるかぁぁぁぁぁ!」
「アリス……!?」
攻略する手立ては、ズバリなし。
もはや考えてる暇はなかった。




