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 第12話 【二人の部屋】 3 

試験期間につき投稿遅れました。

申し訳ないです。




 *****


 「えーと、カレー二つ。あ、一つは激辛でお願いします」

 

 床に塗りたくられたワックスが反射する、女子寮の食堂は小綺麗と表現するのが良いだろう。

 寮生の数よりも若干多めに設置された席は常に余裕がある状態だ。

 そんな中、茶髪少女の格好をした新太は手際よく二人分のカレーを注文していく。

 

 「はい、お待ち。重いから気をつけてよー」

 「ありがとうございます」


 割烹着姿のおばさんからカレーを受け取り礼を言うと、ニッコリとおばさんは微笑んだ。

 

 (うっ、中々重いな……。たったカレー二つだけなのに。やっぱり、身体が女の子になっている分、筋力とかが減ってるのかな?)


 「よし」


 一度、カレーを乗せたお盆を受け取り口に置き、新太はそっと左右の手を天にかざした。

 

 「【筋力強化パワーハイ】……!」


 小声でささやかれたと同時に瞬間的に新太の身体を光が覆い、そして暗転した。

 その後、軽々と新太はお盆二つをアイリスの待つ席へと持って行った。


 「ほら、カレー買ってきましたよ」

 「ありがと……」

 

 すかさず色が明らかに濃い方のカレーをアイリスに渡す。

 この女子寮の激辛カレーは注文する人がほとんどいないほど辛いらしいと、担任の萌花先生から新太は以前聞いた。

 

 (ふっ。これを一口食べればアイリスさんは……っと、まぁ奢ってあげたんだしこのくらいのことはしとかないとな)


 激辛カレーに悶絶するアイリスの様子が脳裏に浮かび、新太はニヤリと笑みを浮かべた。

 いよいよ、アイリスがスプーンを持ちカレーへと手を進ませていく。

 そして順調に、カレーに到達!

 

 (さぁアイリスさん、食うがいい!)


 そう新太が満面の笑みに切り替わった刹那ーー


 「あら、アリスさん! こんばんわです」


 唐突に、新太に向けられた上品な声がアイリスのスプーンを止めた。


 


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