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 第12話 【二人の部屋】 2 

感想が欲しい今日この頃


 一瞬にして自分の状況を把握したアイリスは言葉を失った。

 新太と枕を交互に見ることを繰り返している。

 そうしてようやく言葉をひねり出す。

  

 「……変態」

 

 それは間違いなく自分に対してではなく新太に向けられている。

 

 「はぁ? この状況で何をどうしたら俺が変態呼ばわりされる筋合いがあるんだよ!?」


 ポニーテールを揺らしながら新太は言及する。

 先日軽い性犯罪をした人間と言えどこれは正論である。

 が、アイリスは悪びれる様子もなく平然を装いながら返答する。


 「自分のベッドで女の子が寝ているところを見て欲情……まさに変態としか言いようがない」

 「してねぇよ! そこまでクズじゃねぇよ!」

 「さぁ、どうだか。アリスには前科があるから」

 「くっ……このおよんでその話題を……」


 先日のことに関して突かれては言い返すことはできない。

 新太は言葉につっかえ、長い髪の毛をくるくると手でいじる。

 それをベッドから見ていたアイリスは勝利を確信し、起きあがった。

 けれども、お腹が鳴ったことと、不覚にも新太のベッドで寝てしまったことがあまりにも恥ずかしかったのか、アイリスの顔は未だに真っ赤だ。


 (なんだ、恥ずかしがってただけか。俺までむきになって応戦してたのが馬鹿みたいだ……)


 言い合いに夢中になっていた新太はようやく我に返った。

 ここは仕方がない、自分が折れてやろう、と。

  

 「はぁ……変態で結構ですよー。こんな変態とよかったら一緒に食堂行ってくれませんか、アイリスさん」

 「やだ」

 「えええええっ!?」


 (ここまで折れてやったのに断られたッ!)

 

 新太が驚嘆しているのを見て、アイリスはまだ赤っぽい顔に悪戯いたずらな笑みを浮かべて試すように

 

 「変態アリスがおごってくれるなら行こうかな……」


 と言い、じっと新太の顔を見つめる。

 一方、見つめられた本人はため息を吐きつつ


 「……わかったよ。それでいいですよ」


 と返してやった。

 

 「なら仕方ない、一緒に行ってあげよう♪」


 軽い足取りで新太の隣にポンと立つアイリスを見て不意にドキッとしてしまった新太だが、部屋の扉の前に立ち雑念を振り払うように勢いよく扉を開けた。

 

 「じゃあ、行くか」


 そう言って、後ろからひょこひょことついてくるアイリスのことを極力考えないようにして、新太は食堂へと向かった。


 

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