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 第10話 【二つの能力を持つ者】 3

 


 「仕掛けないのならば……ウチがやるだけ」


 先に動いたのはアイリス。

 フリーハンドだったはずの彼女の手には一瞬にして巨大な斧のようなモノが現れた。

 魔法によって創造された重く、そして鋭い刃。

 振り下ろされればひとたまりもない。


 「はぁぁっ!」


 迫り来る金髪。

 そしてそれは人間の走る速度ではない。

 紛れもなく、速度強化スピードハイの魔法をアイリスは使っている!


 (あんなに重そうな武器に対してあのスピードでの突進攻撃……だけど、まだまだかわせない距離じゃない!)


 開始直後にとっていた距離がここに来て新太を助ける。

 

 「【速度強化スピードハイ】だっ!」


 刹那、紙になったかのような軽量化感覚。

 俊敏になった身体が前方からの突進を避けきった……はずだった。


 「なっ……血が!?」


 制服の右腕部分が裂け、血で染まっている。

 かすり傷。

 その一言で言い切るには痛々しい切り傷が新太の二の腕にははっきりとついている。

 

 「せやぁぁぁぁぁ!」

 

 斧を振り下ろした直後、間髪入れずに体勢を立て直したアイリスの二次攻撃が続く!

 

 「くっ、マズいよそ見してる間に!」

 

 全ての動作が新太の想定外に速い。

 全力で横に身体を投げ出すも、今度は左腕からの出血。

 入学試験の試験官もこんな動きはしなかったはず。

 なぜ?

 一体何が彼女をこんなにも速くしているんだろうか?

 


 

  

 

  


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