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 第10話 【二つの能力を持つ者】 2 


 *****


 放課後。

 第一決闘場にはうわさを聞きつけた多くの選手たちが集まっていた。

 黒影魔導学園には魔法を使った決闘を行える決闘場がいくつもあり、その中でも一番初期につくられたのが第一決闘場である。

 決闘者プレイヤーが戦う決闘円デュエルサークルを観客席が階段状に囲み、その姿はまるでコロッセオのような雰囲気を漂わせる。


 (こ、こんなに観客ギャラリーが……!? 一体、決闘の情報はどこから漏れたんだよっ)


 北側ゲートでスタンバイしている新太は観客の多さに戸惑いを隠せない。

 学園長以外に今回の決闘を見る人間はいないはず。

 それがどうしてこのような事態になったのか、不気味で仕方がない。


 (あーっ、こんな学園生活がかかってる時に余計なことを……集中しろよ俺!)


 もはや割り切って勝負に集中するしかない。

 相手は【二重能力ダブルアビィリティ】のアイリス、油断すれば瞬殺されかねない。


 『それでは両者、入場するようにぃ』


 学園長のアナウンスが場内に響き渡る。

 そして、客席からの大歓声。

 異様な雰囲気。

 心臓の鼓動が高鳴る。

 

 「やるしかないんだ……俺はアイリスさんを倒す!」


 自分を鼓舞するように叫び、新太は決闘円デュエルサークルへと踏み出す。

 南側ゲートからはもうアイリスが金髪をなびかせて登場していた。

 まっすぐと、あの日以降向けられることのなかった視線が新太を射抜いていた。

 

 『両者、握手を交わしてぇ』

 

 サークルの中心に向かい合う形で対面したタイミングで、アナウンスが入る。

 恐る恐る手を差し出したのは新太。

 しっかりと手を差し出したのはアイリス。

 ギュッと互いの手の感触が共有される。

 そうして手を離した時だった。

 

 「アリス、ウチはあなたを許さない」

 

 前触れもなく吐かれた言葉。

 今朝、寝息を立てて眠っていたアイリスからは想像もできない殺気が新太に降りかかった。

 返す言葉も見つからない。

 沈黙の後、開始に備えて二人は互いに距離をとる。

 そしてーー

 

 『両者、決闘開始ぃ!』


 そのアナウンスを皮切りに、ついに戦いは始まった!


 

 


 

 

 

 

 


 


 

 


 

 

 

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