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 第6話 【バレる時はバレる】 1 



 「ち、ちょっとアイリスさん……距離、近くないっですかっ?」

 「仕方ない。だってこの部屋のジャパニーズ・オフロが狭いのだから」


 (く、くそ。部屋に付属している風呂がここまで小さいなんて知らなかった! これじゃあバレるのも時間の問題じゃないかッ! それに、さっきからこう……アイリスさんの柔らかい胸が体に当たって……うおおっ、なんだよこの状況はっ!?)


 部屋にある浴室はは狭いから、普段は寮の大浴場を使うように管理人から言われていたのだが、新たとアイリスはものの見事にそれを聞き逃していた。

 ゆえに、今このような一人用の小さな風呂に二人で入るという珍事が起こっているのである。


 「アリスって、おっぱい小さいのね」


 アイリスはまじまじと新太の無に等しいそれを見ながら言う。

 ちなみに、新太は腰にタオルを巻いて入浴しているため、パッと見た程度では何もわからないようになっている。


 「うん、もう少し大きければいいのにね……」


 実際問題、新太はそのことについて考えたことがあった。

 学園長に【性転換トランスセクシャル】の魔法をかけられた後、胸に謎の物足りなさを覚えたのだ。

 貧乳を気にしている女性の気持ちを初めて理解でき、無性に切なくなった。


 「じー……」

 「アリス、なんか目が怖い」

 「気にしないでいいよ。ちょっとアイリスさんのおっぱいを分けて欲しいなぁって思っただけだから」

 「……あげない」


 自分の胸を両手で隠すように抱き寄せるアイリスであったが、豊満な二つの球体は腕からこぼれてしまう。


 (やべぇ……すごく可愛い……)


 頬を膨らませ顔を赤らめているアイリスを見て新太はそう思った。

 艶やかな金髪は水をしたたらせ、肌をほんわかに湯気を帯びている。

 アイリスの容姿はとても同年代の女の子が持つものでなく、どこか現実離れしていた。

 まるで、天使のよう。

 新太はここでふと、桐生智也きりゅうともやの言っていた【二重能力ダブルアビィティ】のことを思い出す。

 

 (こんなに可愛い彼女はそれに加えて【二重能力ダブルアビィティ】を持っている……。そんな特別な女の子と【ルームメイト】だなんて、ものすごく幸運なことじゃないのだろうか?)


 けれども、そう思ったのは一瞬。

 新太を待ち受けていたのは地獄であった。


 (……!? つ、ついに……来たのか)


 新太が物思いにふけっている時、それはなんの予兆もなく始まった。


 

 

 

 


 

 

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