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 第5話 【深夜に起きる。】 4 

 

 「ブフォッ!?」


 盛大に吹き出す新太。

 しかし、アイリスの表情は真剣そのもので彼女なりにアリスのことを心配しているのであろう。


 「やっぱり、体を洗わずに寝るのは不潔。アリスもしっかりお湯につかかった方が肌に良いはず」

 「ま、まぁそうかもしれないけどさ……その、なんというか。一緒に入らなくてもいいんじゃないかなっ」


 アイリスのせっかくの好意にケチをつけるようでためらったが、学園生活がかかっている新太にとっては拒否するのに他はない。

 新太の否定的な言葉にアイリスはやや渋い表情になる。

 

 「ア、アリスはウチのこと……嫌いなの?」

 

 悲しげな彼女の声が新太の背中に刺さる。

 当然、新太には彼女を嫌う理由なんてない。

 まだ出会って間もなく、【ルームメイト】として徐々に慣れあっているところだ。

 暗闇の中、ポツリと吐かれたその言葉に新太は困惑する。

 

 「……嫌いじゃないよ」


 そうして熟考じゅくこうした挙句、アイリスにやっと聞こえるくらいの小さな声が暗闇から顔を出した。

 ここで一周回って『好き』と言えるほど新太も勇気があるわけじゃなかった。

 曖昧に逃げてしまおうとこの言葉を選んだのだ。


 「そっかぁ……! なら、よかった」


 曇り空が突然晴れたような笑顔。

 それはアイリスに背を向けている新太にもわかった。

 

 

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