第4話 【ルームメイト】 4
「なっ、私と……!?」
今度は下段が揺れる。
突拍子も無いアイリスの発言に新太は頭を悩ませる。
(確かに、【二重能力】の呼び声が高いアイリスさんとペアを組んだら心強いことこの上ないけど、彼女は桐生智也が言ってたように魔法雑誌に載るような有名人だぞ? もし魔法祭でいきなり負けでもしたら、大騒ぎになったりして……)
それに、【ペルーシア王国】から来た将来有望な彼女と学園長に最悪の成績だとか言われた自分とでは釣り合いが取れない、と新太は思う。
だが、同時にこれはチャンスになりうる。
もし一年生で優勝できれば男として再入学ができ、素晴らしい学園生活が二年生から始まるはずだ。
チャンス。それも、またとないかもしれない絶好のチャンスなのだ。
だから、新太はこんな答えを出した。
「それはちょっと、考えさせて欲しいかなって」
こんな短時間で決めるべきでない、というのが結論であった。
枕に顔を埋めてアイリスの返答を待つ。
「えー! ウチ、アリスと組みたいよー!」
新太の案の定、そんな答えが返ってきた。
だから新太は、枕で耳も塞いで寝ることにした。
「ねぇ、アリス? ちょっと? 聞いてるの」
駄々っ子のようなアイリスの声も虚しく、アリスの寝息だけが聞こえる。
アリスとアイリスの寮生活一日目は、こうして終わる……はずだった。
《俺は性転換して回復魔法で学園無双することにした。 第四話 完》




