表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女ごっこをしてるだけなのに、勝手に周りの人が曇っていくのはなぜ?  作者: さたけやま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/68

第49話 「夢」

私は中学校から帰ってきた美桜がなんだか不安そうだったので、その日一日中引っ付いて、最後は抱っこして寝た。


 すると……

 私は視界の全てがピンク色で埋め尽くされた部屋にいて……


 それは私にとって違和感が強すぎて、すぐに夢だと分かった。


 しかし、体の自由は無いようで……

 自分が動いているのを主観的に見ているだけだった。


 そんな夢の世界。

 

 ピンク色の世界の中に、水色の髪をお提げにしている、特徴的な少女がたっていた。

 少女は私をソファーに押し倒し……


「……堪えてるんでしょ!好きにしていいよー?」


 そう言って妖艶な笑みを浮かべた。

 私はなんのことだか分からなかった。

 そんな私の意思が通じたのか、夢の中の私はそのままそのまま少女を押し返す。


 少女はキョトンとして、首を傾げる。


「どうして?美香ちゃんは美桜ちゃんと居て辛くないの?だってさ、美桜ちゃんは相手してくれないでしょ?」


 相手?

 美桜は十分してくれている。

 美桜は私の愛情を受け取ってくれている。

 そして時折美桜からも愛を伝えてくれる。

 それのどこが辛い?


 私は質問の意味がわからなかった。


 しかし、夢の中の私は違うようで……


 その少女を床に押し倒して……


 ドシン


「乗り気じゃーん!やっぱり溜まってたんだね?いいよ?私で発散しちゃいなよ?」


 えっ!?

 私!?

 嘘でしょ!?

 こんな……

 誰かも分からない少女に……


 ……美桜がいるのに……

 それなのに……


 それなのに私は手を出すの……?


 夢の中の私は私の意志と関係なく、少女に向かって手を伸ばして……


 ……お願いこんな夢覚めて……

 嫌だ……

 美桜以外となんて……

 こんなことなら美桜としておけば良かった……

 最悪だ……

 最悪の夢だ……


 夢の私の手は少女の胸の中心を貫いていた。


 えっ!?

 私何をしてるの!?

 い、いいのか……?

 夢だし……

 手を出しちゃうのかと思ったけど……

 人を殺すような夢なんて……

 しかも知らない女の子を……


 あぁ気分が悪い……


「おぉー!……大胆だねぇ……死んじゃうとは思わなかったの?なーんて……聞いてないか。」


 少女は何故か笑っていた。

 それは何か狙いが上手くいったような悪い笑みでも無く、無理をしているような引き笑いでもなく、


 純粋に嬉しいことがあったような笑顔だった。


 私はそれにすら疑問を持つ。

 ……私は心の奥底ではこんなことを望んでる……なんてことは無いよね?

 だってありえない。

 人の胸を貫くなんて。

 でも、された相手が笑っている。

 それは少しおかしい。

 怖がっていたり、泣いていたり、それなら分かる。

 でも、笑っているんだ。

 私の中で胸を貫くような行いは……どういう扱いなの?

 されて嬉しいわけ、ないじゃん。


 夢の私はそのまま突き立てた腕を抜いて、出来た穴から少女の臓器を次々ほじり出す。


 ……余裕そうだった少女も次第に顔を青くしていき……

 次第に当たりが血まみれになっていく。


「…ありゃ……これ……が限界……みたい。……こんなもんで……解消……出来た……かな?」


 少女は息も絶え絶えで、話すことすら難しいようだが、夢の私は気にせず、更に少女を壊し続ける。


 ……私はその夢を悪夢だと思った。

 だって、意味が分からない。

 それなのに……やけに説得力を持った夢だった。


 普通なら知らないものは正確には見えないはずだ。


 でも……


 私は知らなかったはずの、臓器の位置や、臓器の見た目、そして少女の見た目さえ、全く持って違和感を抱かない。


 ……それに

 この夢は私の心の内側を示しているようでもあった。


 私は何回も覚めろと思った。

 でも覚めず、ただ少女を貪り食う夢は、とても……


 とても……気持ちが良かった……

 そう……美桜とのキスよりも……


 いやっ!

 私は何を考えて……!

 そんなこと考えたらダメだ……!


 ……覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ


「そんなに……思わなくても……大丈夫……だよ……?夢の……限界が……来たか……ら」


 少女が途切れ途切れそう口にして……


 私の視界は完全に闇に染まった……


 ———————————————————————————


 ……私の目覚めは最悪なものだった。

 夢の自分が貪った少女を、起きた時に目の前にいた美桜に一瞬幻視した。

 そして一瞬何かを期待した自分がいた。


 ……私は夢1つで何を考えてるんだろう……


 ごめんね……

 美桜……


 私は美桜をより強く抱き締めて……


 目から落ちようとする涙は必死に堪えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ