第4章 幕間2 「告白」
お姉ちゃんは帰ってきました……
それは、色々と……
……何かと比べられないほど大きなものを代償に、お姉ちゃんは帰ってきました。
今のお姉ちゃんには、魔法少女としての記憶すらありません。
半年ほどの記憶を飛ばしました。
いえ、正確に言うなら、半年ほどの時間戻した、というのが正しいでしょう。
そんなことが出来るのは、世界で2人だけのはずです。『聖女』と呼ばれる第二位の魔法。それか、
それか……
能愛ちゃんと言う、私が意識を取り戻した時にはお姉ちゃんの、1番近くにいた少女。
状況から見るに、能愛ちゃんは私たちを逃がしてくれたようですが……
どうなったかは分かりません。
いいえ、無事では済んでいないと思います。
ぼんやりと思い出せることもあるのですが、能愛ちゃんが私たちを逃がそうとした瞬間、能愛ちゃんの胸から血が吹き出しているのが見えました。ですが、魔法の発動は止まらず、私たちは家に帰ってきていました。
能愛ちゃんも一緒に帰って来れそうなものですが……
……能愛ちゃんは一緒に帰ってはきませんでした。
理由は分かります。
今のお姉ちゃんにとって、能愛ちゃんは他人だからです。
能愛ちゃんが帰ってこない。
つまり……
最大のライバルが……いない……
私は最低です……
最低だから、これを好機だと思ってしまったんです……
そして、それがまさか……
こんな結果をもたらすなんて……
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私はお姉ちゃんがお昼ご飯を食べ終わったあと、大学大丈夫かな……と不安そうに口にした瞬間、
唇を奪いました。
「……んっ!?」
お姉ちゃんは驚きの顔で私を見つめ返します。
そのまま20秒ほどお姉ちゃんを味わいます。
「ぷはっ!」
……私は唇を離して、どきどきする心臓を感じながら……
「お姉ちゃんのことが好きです!」
告白しました。
お姉ちゃんは目を白黒させて、次第に顔を赤くさせていって……
てっきり断られると思っていた私はこの時点で、『玉砕してもいいから自分の気持ちを、伝えられるうちに伝えたい』という目的が、見事にズレたことを理解しました。
……だって、お姉ちゃんが急にあんな長い期間出ていくなんて思わないし……
言えるうちにって思ってしまったんです。
……私色に染めてしまえばもしかしたら、あんなふうに離れることも、おかしくなる事も無いのかなって、ただ漠然と思っていただけなんです。
だから……
断ってくれても良かったんです……!
お姉ちゃん……!
こんなずるい方法で……!
ごめんなさい……!
私が悪いのに……!
……………………………………
………………………………………………
……お姉ちゃんは口を開いた。
「……私……美桜のこと、そういう目で見たこと無かったよ。でも……なんだか目が覚めてから感じていた寂しさとか、胸の苦しさとかが全て救われる感じがした。そして、美桜が私の胸にすって入ってきたのもわかった。だから、美桜……私で良かったら、付き合わない?」
「付きっ!?お、お願いします!!」
私は頭を下げる。
「これからもよろしくね。」
お姉ちゃんは頬を掻きながら、恥ずかしそうにそう言いました。
私の胸は幸福と罪悪感が半々ずつぐらいで……
そのままお姉ちゃんの唇をまた奪って、幸福に傾けて、逃れようとしました。
ですが、逃れてはくれず……
この日が私にとって、人生の転換日となるのでした。




