第45話 「したくない」
私は家に帰ってきてもリビングの様相は変わっていなかった。
相変わらず美桜と能愛は倒れたまま。
この2人が死んでいたら……
私はどう思うんだろう……?
ツバメの時みたいに獲物を取られた悔しさと、ツバメを失った悲しさが、同時に襲ってくるのかな……?
でも
そんな想像、今回は必要ない。
この2人は生きている。
それは何となくわかった。
理子ちゃんと姫愛縲さんが相手をしたというなら殺しはしないだろうなという変な信頼があったからだ。
「能愛は致命傷、美桜ちゃんは眠ってるだけだよ。」
「……致命傷?」
……なら……
「うん!治してあげればいいんじゃないかな?美香ちゃんは治せるんだよね?歪な方法で!」
姫愛縲さんは笑った。
私も……
笑っていたかもしれない。
表情筋の引きつりを感じた。
また
また能愛に私を食べさせられるんだ……
それって……すごく興奮する。
ダメだ、ここを一度越えると……
一度越えてしまうと、もう歯止めが効かない気がする……
「いいんじゃない?だって能愛はこのまま治さないと、死んじゃうし。」
……なら私が……
もう1回……
もう1回能愛を所有物にしても……
いいのかなぁ……?
あぁダメだ
こんな可愛い子を貰えると思ったら……
また興奮してきちゃう……!
「じゃあ理子ちゃん!私たちはあっち行ってよっか!」
「えちょっと、」
姫愛縲さんが理子ちゃんを連れて、寝室の方に行ってくれた。
……今ならできる……
出来る?
出来る
やる?
やる
だって
目の前に極上の食べ物があるんだもん。
そこに空腹な私がいたら……
そりゃ食べるしかないよね?
食べ物は抵抗しないんだ。
なら仕方ない。
仕方ないよね。
「変身」
私は変身し、痛みと怪我を対策する。
「能愛……っ!能愛!私……あなたのこと……忘れた日はなかったよ!まともになったなんて言ってさ、もう手は出せないって……っ!ずっと!ずっと抑えてたんだ……でも!今私の目の前に……居るんだから、しょうがないよね?ごめんね?……いただきます」
私は能愛の足に馬乗りになって、
口を大きく開けて、そのまま能愛の服をずらしてお腹を露出させて、
刺されたような傷跡に向かって……
ガブッ
「あぁっ!!」
能愛は痛みで起きたようだ。
私は能愛のお腹の脂肪を咀嚼して飲み込む。
その味は今まで食べたものの中で1番ぐらい、おいしい。
吹き出す血が、まるで肉汁のように感じられ、高級なステーキを食べているようだった。
「……美味しい……能愛……美味しいよ……もっと食べさせて……」
能愛は状況を理解したのか、涙目で私のお腹辺りを押して、押し返そうとする。
でも、私の体重は返せなかったのか、何も起こらない。
「だ、ダメ!美香、今それをしたら、もう戻れない!だから!」
ごめんね能愛……
……そんな言葉は……
私を興奮させるだけなんだ……
ガブッ
「ぐあっ!!……ぐっ!!」
痛みから逃れるためにために、床に力を込めた手を置いて、必死に痛みを堪えている能愛にさらに興奮し、
ガブッ
また能愛から肉を奪って、咀嚼する。
「次は……何をして欲しい……?……能愛は久々で……よく分かんないかな……私がしたいことしていい……?いいよね?ごめんね」
私は手を伸ばして自分のお腹に手を突っ込む。
グチャ
自分のお腹から肉を引きちぎる。その肉を能愛の口に持っていく。
「……食べて?」
能愛は口をキュッと結んで食べようとしない。
「……なら、…………美桜に食べさせちゃおうかな?」
瞬間能愛が上半身だけ起き上がって——
「美香っ!!それは——」
ズボッ
「んん!」
私は能愛の口が開いた瞬間に手を突っ込んだ。
そして口の中に私の肉を擦り続ける。
「んんう!!んんんん!!!」
そして、喉の奥に手を持って行って、
奥で肉を手放した。
「んんんぐご!おえっ!」
「吐いちゃダメだよ。飲んで。」
私は両手で能愛の頭と顎を持って、力づくで口を開かせない。
能愛は嘔吐ともに吐き出そうとするが……
やがて諦めたのか、吐瀉物ごと無理矢理飲み込んだ。
「……能愛……ごめんね……もう、もう止まれないんだ……私が能愛を穢してるって分かってる。でも……もう、もう私のモノになったなってことばっか、頭をよぎるんだ……そして……凄く気持ちがいい……もっと食べさせて……」
「……美香……ここで止まるなら……私はもう何もしない……でも……これ以上……するなら——」
私はうるさい能愛の口に手を突っ込んで、無理やり開かせる。
「っんぐっ!」
そして、自分のお腹をもう片手でかっ捌いた。
ブシャアー
びちゃびちゃ
私は能愛の顔の上を跨ぐ。
私のお腹から、血や肉が飛び散る。
その真下にいた能愛の口にどんどんと入っていく。
「っおえっ!お、う、ぶぇっ!」
能愛は全部を吐き出そうとして、吐瀉物を撒き散らす。
だが私は口を開かせたまま。
だから口には入り続けた。
そして能愛は反射なのか、そのまま吐き続ける。
私の肉の自重で落ちるところは全部落ちたので、能愛の顔を見てみる。
顔は……
涙で目を濡らしながら、口元と飛び散ったから鼻まで、吐瀉物まみれだったが、確かにその口はだらしなく空いていた。
まるで、求めていたものを得られたかのように。
私は馬乗りの体制に戻って、能愛の上半身を抱き起こした。
そして耳元で囁いた。
「……嬉しいんだね……そっか……ならいっぱい楽しもうね……」
能愛は体をビクッとさせると、顔を赤くしていく。
その後……能愛と、血生臭い素晴らしい時間を過ごした。
だが……
……同時に、私は能愛に手を出してしまっていたことにも……実感が湧いてくる……
それは……
私の体を……
壊すほどの罪悪感で……




