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魔法少女ごっこをしてるだけなのに、勝手に周りの人が曇っていくのはなぜ?  作者: さたけやま


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3章 幕間4 「しっくり」

「…………お?」


 目が……見える?


 暗闇がどんどん光に変わっていく。


 お?

 お?


「おぉーー!!!」


 光を見るのは久々なような気がする。

 いや、実際は見ているのだろうが、僕の記憶だと覚えていないのだから、久々であっている。


 僕は目を開けては閉じて、自分の感覚で目が動くことが嬉しくて何度も行う。


 すると、次第に誰かが真っ直ぐ近づいてきているのが分かった。

 僕は話しかけた。

「僕のこと、君が助けてくれたの?」


 その人はよく見れば異様な容姿だった。

 服はピンクと黒のやけに毒々しいもので、顔は包帯でぐるぐる巻きにされていて分からない。

 ただ片耳に大量のピアスがあることと、髪型がピンクのサイドテールなのは分かる。

 そして、左腕は服の中にしまっていて、見えないようになっている。


「……あたしが……いや、私が……俺……?……いや僕……わたくし……?……いや、うち……うん。うちが1番しっくり来る。そうだよ。うちが君を助けた。」


 その人は一人称を並べている時、どの一人称でも違和感が無かった。不思議だ。俺やわたくしという普通は使わない一人称が混ざっていたのに。


「そっか!ありがとう!僕はショウ!照らすと書いて、ショウだよ!助けてくれてありがとう!」


「うちは……ごめん。名乗る名前があり過ぎて、分からないや。……うちの名前なんていいから、着いてきて。今すぐ脱出しよう。」


 その人はなんだか複雑な事情があるみたいだったけど、僕を助けてくれたのは事実みたいだし、素直に従ってその人に着いていく。


 道中少し話を聞いてみた。


「僕のこと、誰かわかってて助けてくれたの?」

「……そうといえばそう。うちは君を見た時に、誰かはすぐに分かった。そして、色々な記憶を繋ぎ合わせると、君は序列一位であり、ジジイから『雷神』って呼ばれてるね?」

「『雷神』……はよく分からないけど、僕が序列一位で間違いないよ!僕がいない間に変わってなかったら、だけど……あはは……」

「うちは君を助けられたのはほんの偶然。下から上がってくる時に、君を見かけて、うちの記憶の1つが君を助けるように囁いた。だから助けただけ。その人に感謝してよ。」

「……記憶……。……その人って、誰のこと?」

「序列二位、遥。うちの中に眠る記憶の1つ。……遥も探してみたけど、見当たらなかった。うちがいた15階より、もっと下にいるのかもしれない。逆に君がわたし……遥よりも上にいた事が少し不思議なくらいだよ。」

「僕……戦力として数えられてなかったのかなぁ……ショック」

「それは無いよ。」


 なぜかその人は強く言い切る。

 そして、そんなことを話していたら管理局の地上1階まで辿り着けた。

 僕はエントランスに誰もいないことに少し違和感を覚えながら、管理局を出る。


「うわぁーー!!太陽だぁ!!」


 太陽の光は僕の目を照らし、その光は僕の名前がつけられた理由を思い出させ、また僕の活力になった。

 人の心の全てを照らす。


 僕は名前に恥じない人間になる。

 これは確定事項なので、言い切らせてもらう。


「うわぁ!海もこんな近くに……!」


 僕は山の中の田舎で育ったので海は初めて見た。


「ねぇねぇ!入ってもいいかな!?」

「……うちは入らないよ」

「分かった!ちょっとだけ入るね!」


 僕は港から


 どーーん!!


 って大きくジャンプして海に勢いよく入る


 ザブーン!


 海の中は青くて、下を見れば海底が見えるが、地平線の方を見ると海底がどんどん低くなっていく。


 この先はどうなっているんだろう……!


 僕は泳ぎたくて、泳ぎたくて仕方なかったが、


 あの人も待たせてるのもあって、海から顔を出す。


「入りなよ!すごく気持ちいいよ!」

「いい。……うちはこの包帯を外せないから」


 そう言うこの人に強要するわけにはいかないので、


「じゃあ僕が君の分も泳ぐよ!」


 僕はバシャバシャ音を立てながら海の中をクロールする。


 僕は薄ら分かっていた。


 僕がこうやってはしゃぐと、あの人は少し、包帯の中で笑っていることに。


 だから僕ははしゃいだ。


 あの人は夜になっても僕を見てにこにこしていたので、流石に夜には海を出た。


 僕たちはそのまま、その人のいくつかある家の1つに向かった。

 ……その家は僕にとっても懐かしいもので……


「遥の家かぁ……」


 その人は無言でドンドン家に入っていく。

 僕も遅れず後に着いていく。


「……ねぇ、君は遥……なの?」

 僕がそう聞いた時、彼女は立ち止まらず、

 そのまま寝室に向かって行き……


 バフーーン


 大きな音を立ててベッドにダイブした。


「あぁぁぁ〜!帰ってこれた〜!!」


 その人はベッドに顔を伏せたまま大きな声で喜ぶ。


 僕は少し呆気にとられたが、でもまぁあんなところに行ったんだから無理もない。と納得する。


「……うちは……うちは遥じゃないよ。……でも、誰かの名前を使うなら……」


 その人は少し考えて、こう言った。


「うちはツバメ。そう呼んで」


第3章 小百合編 完


 ————————

 作者より

 今まで投稿してきた話が、変身してるしてないというのが分かりにくかったので、修正しようか悩んでいます。

 そういう単純作業が一番苦手なので、やるとしてもゆっくりやると思います。


 これからも今作をよろしくお願いします。

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