第34話 「また」
「っ!!」
あたしは飛び起きる。
……ここは……
どこ?
あたしはさっき死んだはず……
だってあんな目にあって、生きてるなんて考えられない。
もしかして夢だったのか…?
美香がそんな事をするなんて考えられない。
きっと、きっと夢なのだろう。
なんにせよ、ここから早く抜け出して、小百合を助けないと……!
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「……どういうこと?……どうしてまた咲さんがいるの?」
咲さんは私に気づいていない様子でキョロキョロとしている。
まだ……
まだ遊ばせてくれるの……?
そっか。
咲さん……
私のことそんな好きなんだ。
分かった。
返すね、その愛情。
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「ひっ!!……な、なんで私の胃を食べて……!!」
「私ね。臓器結構好きなんだ。美味しいの。それに……その表情がさらに私を興奮させるって、まだ分からないの?」
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「……殺して……」
「うん。もう放っておいても死ぬしね。いや……死ぬまで見ててあげるよ」
「もういやぁっ!!」
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2回も殺させてくれるなんて……
咲さん……
大好きでした……
「……は?」
咲さんが……また……いる……
……どういうことなの?
「…………ひっ!!」
咲さんが私に気づいて逃げようとする。
私は追いかけて体を掴んで——
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「これで……殺すのは15回目だ。もう気持ちよくも無い。惰性で殺している……」
私が先に進もうとすると、どこかからその度に咲さんが出てくる。
……ほら、また居る
咲さんは私を見ると、すぐに倒れた。
そしてそのまま動かなくなった。
つけた傷が治っていて、そして死んでもまた出てくる。
しかし記憶は引き継いでいる。
どう考えても誰かしらの悪趣味な罠だった。
ならこれ以上付き合う必要はない。
「咲さん、一緒に行こうか。」
「……………………」
咲さんは倒れたまま何も言わない。
「行くなら殺さないよ?」
「………………」
咲さんは何も言わなかったが、ゆっくりと立ち上がった。
私が前に進むと、後ろからゆっくりと足音がした。
……こんな咲さんを殺しても仕方ないしなぁ……
まぁツバメをいじめる時に邪魔してくれなかったら、なんでもいいや。
「私の邪魔をしないでね。」
「……………………」
咲さんは何も言わず、ただ黒黒とした淀んだ目で私の足だけを見つめている。
私の手で……
咲さんを穢したんだ……
すっっごく興奮する……!
私の……私の色で染まってるってことだもんね
あんな綺麗で気高かった咲さんが、こんな暗い顔で何も言わず私の後ろを歩くなんて……
咲さん……好きですよ……
大好きです……
私はそのまま5階へと向かった。
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「動くわ……」
なんとか美香と咲がここを離れてから体感30分。
何とか体を動かせるようになった。
周りを見回してみる。
クジラはそのまま放置されているが、それ以外は見当たらない。
何も無い。
そう形容するのが正しい気がする。
……そうだ
咲を……
咲を助けないと……!
……でも私の優先は小百合だ
小百合を……
……………………
………………………………
……もう、もう無理かしらね?
助けるなんて……不可能かもしれないわ。
でも今更帰るなんて出来ない。
私は帰っても、咲とツバメを巻き込んだ罪悪感で自殺するだけだろう。
なら、せめて2人のために、最後の命を燃やして、小百合を助けに行こう。
それだけで、いいんだ。
それさえ終われば、死んでもいい。
……行こう……
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「咲……?」
私の目線の先には、両腕が無くなっていて、口と鼻からは乾いた血が流れていて、
……お腹からはぐちゃぐちゃになった臓器がはみ出ている、
咲がいた。
弄ばれたんだ。
私は瞬時にそう思った。
殺すならもっと早く殺せたはず……!!
美香っ!!
あの女……!!
……私がこの先会うなら……せめてもの手向けとして、殺してみせるわ……
ごめんなさい……私の無茶な計画に巻き込んでしまって……
ごめんなさい……ごめんなさい……
私は4階を先に進んだ。
しかし、
……その道中至る所に咲が居た。
何かがおかしい。
そんな認識を持ちつつも、私は見てしまった。
美香の隣にまだ咲が居るのを。
……どういうこと?さっきまでの咲は管理局の策だったってこと?
どう見ても美香と共にいる咲は生きているし……
美香を恨むのは見当違いだっただろうか?
何にせよ、私は2人が開いた道を後ろから着いていくのが1番だと気づいたので、付かず離れずの距離でそのまま尾行することにした。




