第23話 「釣り合ってなかったら」
「お、お姉ちゃんっ!」
美桜が飛び起きる。
「うん。おはよう美桜。お姉ちゃんだよ?どうかした?」
「い、いえ……えっと」
美桜はなにか気がかりなことでもあったのか、スマホを見る。
でもね、美桜、昨日のことはさ、書く時間無かったんじゃない?
知らない方がいいよ。
美桜は美桜でいて?
「美桜、朝ごはんにしよっか」
「え、ええと、はい……」
美桜は戸惑いながら頷く。
うーん!
可愛い!
私の妹は可愛いなぁ……!
「美桜、キスしてあげよっか?唇に」
「えっ?そ、それって、どういう……」
何も言わず美桜に近づく。
美桜は座ったまま、次第に顔を赤らめて、後ろに下がろうとする。
逃げる手を抑えて、唇が触れ——
「や、やめてください!」
ドン!
「っとと。美桜?どうして嫌がるの?」
「お、お姉ちゃんが、私に、そんなことしてくれる訳ありません!お姉ちゃんどうしちゃったんですか……!?」
何を言ってるんだろう。
美桜が可愛かったから、キスをする。
それじゃ、ダメなの?
だって、美桜は私のことが好きなんでしょ?
だったら、いいじゃん。
「お姉ちゃんは何もおかしくなってなんかないよ?ほら、しないの?」
「し、しません!…学校に行く用意をするので!」
美桜は急に立ち上がると、部屋を出ていく。
隣の部屋が空いた音がしたので、珍しく自分の部屋で着替えるみたいだ。
美桜?
美桜の様子が変だな。
大丈夫かなぁ……
美桜も多感な時期だしね。
そういう事もあるか。
なんなら、私に体を見られるのが恥ずかしいっていう可能性もあるよね。
だって、私のこと、好きらしいし。
うん。
可愛いじゃん。
私も準備するか。
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「美香、あんたどうしたの?」
「なにが?」
「だって、目が全然笑ってない……」
「そう?ツバメの目が腐ってるんじゃないの?」
「目が腐る……美香、今日はもう帰った方がいいよ……なんか変だって。」
「え、いやいや。授業受けないと。えーっと、おーいkー!こっち来てよー!一緒に受けよ?」
「ちょ、ちょっと美香、どうしたの?」
「私……いや……分かった。」
「アハハハ!これで3人で受けれるじゃん。多い方が楽しいよ。多い方が正しい。命の価値だって、多い方が正しいんだよ!アハハハ!」
「美香!あんた何言ってるの!?美香、ねぇ美香!」
「ツバメー揺さぶらないでよーグラグラする。ほら、この子が起きちゃったじゃーん。」
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ
「な、何?なんの音!?」
「美香!!君……っ!どうしてまだ持って……っ!!」
「だってーこんな便利なやつ、捨てるには勿体ないでしょ?紹介してあげよっか?」
「やめろ美香。ツバメは一般人だ……」
「あそっか〜!ならツバメも魔法少女になりなよー?可愛い女の子をいたぶっても、何も言われない最高の仕事だよ!?」
「美香!なにいって!!」
「……だめだ。すまない。ツバメ、私は美香を家に返す。まだ、学校は無理だったみたいだ……」
「何言ってるの?k。私今帰ったらこの授業落単しちゃうじゃん。そしたら、美桜を養えなくなる。私から美桜を奪おうって言ってるの?ふざけないで。……美桜とkじゃ全然釣り合ってない。それなら、殺しても——」
「美香、すまない」
グニャリ
「えっ!?消え……」
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「なにするの?」
「……君には分からなかったのか?」
「なにが?」
「そうか……ここで失礼する……」
「逃げんなよ。おい」
グニャリ
「チッ。美桜に害が及ぶならkでも容赦しないからね……」
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…………………………
「……………………」
グニャリ
っ!
「あ!できた!アハハハ!昨日ぶり、能愛!うん?どうしたの?……いつもの無表情はどうしたの!って聞いてんの!そんな怯えた顔してー?うっかり殺しちゃうかも知れないよ……?アハハハハハハ!!」
「っ……うっ……うっ……ぐっ」
「何ー?……泣いてるの?慰めてあげよっか?ほら、いい子いい子!……あぁ、より泣いちゃった!面白いね!」
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「ほら、早く吐いて?美桜を治す方法。それが聞きたくて来たんだから!それなのにそんな怯えた顔ばっかしてたら、いじめたくなっちゃうよ……!」
パン!
「いっ!!」
「アハハハハハハ!!早く言って……!?手が滑ったら殺しちゃうよー!!」
パン
パン
パン
「……い、言う……言うから……やめて……やめて……ください……」
「うん?……あぁ、可愛いなぁ……!うちの子にならない?ドロッドロに溶かしてあげる!」
「言うから……もう、やめて……」
「ふふふ。ほら、言って?」
「……私が模倣した……『聖女』の魔法を使えば……治るかも……」
「治る……かもぉ!?この期に及んで不確定なのー!?アハハハハハハ!死にたいんだ?」
パン!
パン!
「いっや、やめて……」
「ふふ!顔がもう完全に腫れちゃったね?可愛い顔が台無し!はぁ……愛おしい…………ねぇ、能愛って、もう私のものだよね?だって、私の体の一部が、能愛の中で動いてるの、感じるもん!……だったら、何しても許されるよね?だって、私のものだもんね。うん!良いよね!」
「も、もう痛いことは……しないで……何でもするから……」
「っ!何でも!?アハハハ!!焦りすぎだよー?そんなこと言ったらどうなるかも分かってない!ほら、じゃあ私にキスして?」
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チュッ
「アハハハハハハ!泣いてる人とキスするのは2回目かも!いや!唇でのキス自体2回目だ!アハハハハハハ!!……あれ?前はなんでキスしたんだっけ?まぁいいか!アハハハハハハ!!」
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「ほら、能愛、帰ろう?私のものだもんね?」
「………………」
グニャリ
「うんうん。私に魔法を使えなくさせる魔法を使ったら、殺すからね?……じゃあ、ほら、おいで?ギューってして寝かせてあげる」
スタスタスタスタ
「ギュー……」
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……今日も美香大学来なかったな。
大丈夫なんかな。
前も様子おかしかったし。
連絡先交換してないのミスだったかなぁ
でも美香携帯持ってないし。
そんなの今どきありえないって。
あー
家電ぐらい聞ーとけばよかったなぁ
グニャリ
「……今の美香を止められるのは君だけかもしれない……」
「なっ……えっ!?な、うちっ!?」
……世界はまだ、動き続けている




