番外編 白髪の皇子であるということ
読んでくださってありがとうございます(*´ω`*)
中途半端なところでの番外編ですが、すみませんストックが切れてしまって…
明日の投稿は遅くなる見込みです。
話のきりが良いところまで書き切りますのでよろしくお願いします(-_-;)
「よお、ランヴィー!元気か?」
「レアナン兄上、視察お疲れ様です。俺は変わりないですよ」
まるで太陽だ。
平等に光を降り注ぎ、温もりを与える。
レアナン兄上はそういう人だ。
母上は昔から病弱で、共に居られる時間は少なかった。
だからこそ、時折会いに来てくれる兄上たちが好きだった。
あれは、そう。俺が5つを過ぎた時。
ー今日は俺から、会いに行こう。
歳を一つ重ねたことで、どこか世界が開けたように思ったのであったか、ある種の全能感に突き動かされるように初めて一人で兄上たちの住む棟に足を踏み入れた。
ーどこが兄上たちのお部屋だろうか。
兄上たちの部屋など知らないことを失念していて、半ば迷子になっていた。
人目を避けるように動いていたのもあったが、誰一人として手を貸してくれるものはいなかった。
それはそうだろう。
母上と他の妃たちは折り合いが悪いのだ。
白髪の皇子だということを抜きにしても、雇い主の政敵となる派閥の人間に手を貸すもの好きはそう居ない。
全能感よりも心細さが勝ってきて、思わず足を止めた時。どこからかバチッという音が聞こえてきたのだ。
導かれるようにしてたどり着いた部屋の扉はわずかに開いていて、中の様子が伺えた。
ー(誰?)
覗いた先に居たのはレアナン兄上と、第二王妃アンヴェリナ様。
バチンッ!
状況をよく理解していないうちに、また先程の音が鳴った。
アンヴェリナ様がレアナン兄上の頬を打ったのだ。
『レアナン!!何度言えば分かるの!!あの妾の子とは会うなと何度も言っているでしょう!!』
『……』
金切り声をあげるアンヴェリナ様に対して、レアナン兄上は無言だった。
いつも浮かべているあの太陽のような笑みも消えていた。
『いい?あの子供はね卑しい血を引いているのだから貴方とは違うの。それにもうすぐ居なくなってしまうのだからね。もう一切あの子に会うのは止めなさい』
『…』
『まったく。強情っぱりね。いいわ、いずれ分かることでしょうから』
妾の子という言葉も卑しい血を引いているというのも意味が分からなかった。
もちろんそんな事実はない。母上は正真正銘父上の妃だ。
ただ一つ、レアナン兄上が頬を打たれたのは俺のせいだということはよく分かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今でも変わらずに俺を気にかけてくれる兄上たち。
自分には返せるものなんて無いと、そう思ってしまう。
傷つきたくないし、傷つけたくない。
何かを守る力なんて無い俺には、大切なものが少ないほうが身の丈にあっている。
ーそう思っていたのに。
「ランヴィー?」
「ー!何です?」
「いや、急に黙ってしまったものだから心配になって」
「すみません…考え事をしていました」
心配させまいと笑みを浮かべ答える。
レアナン兄上はなおも不安そうであったが、用事があると言って去っていった。




