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ユウエスの悩み⑤

読んでくださってありがとうございます(*´ω`*)


三人称のつもりではありますが、読みづらいかもです。すみません(^_^;)

このお話、時系列的に言うとフィリアの学園編入直前です。

書き漏らしていました。

姉三人が一気に家を離れるのはユウエスにとって寂しすぎる出来事ですね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ユウエスはユースフィリアの部屋を目指していた。

姉弟の部屋は各人気に入った場所を使っている。


ユウエスであれば訓練所に近い部屋。シルビアであれば屋敷の外門が見える部屋。

シルエルであれば図書室の隣の部屋。そしてユースフィリアであれば庭園のよく見える部屋である。


ユウエスとシルエルの部屋は二階にあり、ユースフィリアとシルビアの部屋は三階にある。

そしてちょうどユースフィリアの部屋はユウエスの部屋の真上だった。


だからユースフィリアがたまに窓から庭園に飛び降りて、屋敷を抜け出しているのをユウエスは知っている。


(今日はどこにいるかな)

最近学園入学・編入に伴って、姉妹はとても忙しかった。

気晴らしに街に出ていたっておかしくはない。


もしくは訓練所か、庭園か。

ユースフィリアのように魔法を使えなくとも、ガレディアスのものであれば人の魔力を感知することができる。

しかしユウエスが探ってみてもユースフィリアの居場所は分からなかった。


なので一番最初に部屋を訪ねることにしたのだ。


ーコンコン。

ドアノッカーを鳴らす。

返ってきたのは沈黙であった。


「フィリア姉さん」

「………」

やはり誰もいないようだ。


ユウエスはしばらく考えて、隣室の談話室の扉を開いた。

窓に駆け寄り、外を見る。


見下ろした先には庭園が広がっていた。ここから見ると色とりどりの花が春の訪れを告げるように咲き誇っているのがよく分かる。


「あ!」

ユウエスは淡い彩りの中で目当ての青色を見つけた。

深い深い海のような、はたまた宵闇のようなガレディアス特有の青。

その青は春爛漫のなかでより一層鮮やかさを際立てていた。


今にも駆け出そうとしたユウエスは、ふと思い立った。

そして窓枠に足をかけ躊躇無く跳躍する。


一瞬の身の浮く感覚がとても爽快だった。


階段を降りることさえもどかしく、無性に姉に会いたかったのだ。


たッと軽く地面に降り立つ。

そして今度こそ駆け出した。



ーどうして格好よく見えるのか、どうして憧れてしまうのか。

それはきっとそこに答えがあるからだろう。自分の目指すその形が。


まだ曖昧で、掴めてはいないけれど…

追いかけたい背中ははっきりしている。

それはとても恵まれたことだとユウエスは思った。


「フィリア姉さん!!」

「!?ユウエス」

ユースフィリアは僅かに瞠目し、駆け寄ってきた弟を見た。


「僕、姉さんを目標にします!格好よくて、強くて、優しくてー」

「……」

ユウエスの突然の宣言にユースフィリアは呆気に取られていた。ただ弟の言葉をしっかりと聞いている。


「そして誰かの目指す背中になれるように頑張ります!!」

「…そう。ありがとう」

ぱちりと瞬きをし、ゆっくりユースフィリアは微笑んだ。

弟の言葉を心の裡で反芻しまた微笑む。


そして自分よりも大きな弟を抱きしめた。

「本当に大きくなっちゃって…」

「へへ。今は身長しか勝てないけど…いつか姉さんよりも強くなるから!!」

「負けてられないわね。それに私もまだ成長期だから。きっと」

ここ数年微塵も変わっていない身長ではあるがまだ先のことは分からないとユースフィリアは思っている。


くすくすとユウエスの笑い声が聞こえた。それに釣られるようにユースフィリアもくすくすと笑い出す。

春の日差しが柔らかく二人を包んでいた。



 【ユースフィリア視点】

(やっぱりユウエスは可愛い)

抱きしめた体が昔より固くなっていたとしてもそれは変わらない。

もちろん自身より背が高くともだ。


(だけど…お前も十分格好いいよ、ユウエス)

何かに付けて疎い私とは違って、些細なことによく気づくユウエス。

誰かのために動くことを苦とせず、進んで人を助ける。


そして真っ直ぐな瞳で見つめるのだ。


こうも真っ直ぐに何かを追い求めることは誰しも出来るわけじゃない。

ユウエスを突き動かしているのは、紛れもなくユウエス自身なのだ。


くすくすと楽しげな音が降ってきた。

私も釣られてくすくすと笑いをこぼす。


もう少しだけ可愛い弟のままでいてほしいと、密かにそう思った。


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