奏護 過去編
それは小学四年生の時、母親と一緒に石川県立音楽堂へ、石川県の『能登フィルハーモニー管弦楽団』の定期演奏会を聞きに行った時のことだ。
母親の手を引かれながら、奏護はホールへと足を踏み入れた。
受付でチケットを見せ、次の公演や会場内の案内チラシを受け取ってロビーを歩いていると、一角にピアノが置かれているのが目に入った。どうやら余興として、ちょっとした演奏会が開かれる予定らしく、プログラムが掲示されていた。
「奏護、もうすぐ演奏が始まるんだから、静かにするのよ」
「分かってるってば」
母親は自分の座席に荷物を置いてから、混み合う前にトイレを済ませたいらしかった。
「始まる前に母さんはトイレに行ってくるけど、奏護は?」
「んじゃ、僕も行く」
そうして二人で会場のトイレへ向かう途中、ふとロビーの人だかりが目に留まった。どうやら、これからピアノの演奏が始まるらしい。奏護はその様子を一瞥しただけで、急ぎ足でトイレへと向かった。
その人だかりの隙間から、自分と同じくらいの歳の女の子が、興味津々といった様子でステージの方を覗き込んでいるのが見えた。
トイレを済ませて戻ってくると、ちょうどピアノの演奏が始まろうとしているところだった。母親はまだ戻ってきていないため、奏護はピアノの周りを囲む人混みの後ろから、演奏を待つことにした。
しかし、見物しようとする大人たちが多くて、背の低い子供の目線ではなかなかステージが見えない。
「そこの僕、こっち来て見てね~」
係員の男性が、小さな子供たちを優先して前へと誘導してくれた。
周りには二、三人の小さな子供たちが集まる。ワクワクしながらしばらく待っていると、温かな拍手と共に一人の女性が現れた。
拍手に迎えられて登場したのは、ドレスではなくオフィスカジュアルに身を包んだ、凛とした綺麗な顔立ちのピアニストだった。もちろん入場料を取るわけではないため、本格的なドレス姿ではないのだ。
「みなさんはるばるお越しいただき、ありがとうございます」
「私は、世界のピアニストを目指して、様々な場所で演奏をしています」
「よろしければ、CDなども出しておりますので、手に取っていただけると嬉しいです」
「今日の演奏曲目は、モーツァルトのK.310と、同じくK.310……ではなくK.280です。ぜひ最後までお楽しみください」
お辞儀をすると、会場から再び拍手が湧き起こる。
椅子に座り、周囲が静まり返る。
一曲目に演奏されたのは、モーツァルトの『ピアノ・ソナタ第8番 K.310』。
その美しく澄んだ響きに、観客たちはすっかり魅了されているようだ。もちろん、奏護も大人しく聴き入っていた。
続いて演奏されたのは、モーツァルトの『ピアノ・ソナタ第2番 K.280』。
どちらもピアノ曲としては非常に有名な楽曲であり、愉快で軽やかなメロディーがロビーの空間いっぱいに響き渡った。
演奏が終わり、ピアニストは立ち上がって温かい拍手を受けながら、笑顔で語りかけた。
「えー、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございました。みなさん、いかがでしたでしょうか?」
その問いかけに、元気な子供たちが声を上げる。
「凄かった!」「かっこよかった!」
そして奏護は、「弾いてみたい!!」と大きな声を漏らした。
その反応に、ピアニストはニッコリと微笑んだ。子供らしくて良い反応が得られたと思ったのか、周りの大人たちも微笑ましいものを見るような苦笑いを浮かべている。
「ありがとうね。みんなもたくさん練習すれば、いつか有名になれるわよ」
「本日はありがとうございました」
挨拶を終えると、見物していた客たちは散り散りに動き出す。元々このピアノは、弾こうと思えば誰でも自由に触れるものだったのだ。
すると、先ほど隣で熱心に聴いていた女の子が、まっすぐにピアノへと歩み寄り、椅子に腰掛けて鍵盤に手を置いた。
曲目はチェルニーの『そよ風』。
非常に初歩的な練習曲ではあるが、これほどスムーズに弾きこなすには、おそらく半年前後みっちり練習を積んできたに違いない。彼女自身も、ピアノを習っている子供の一人なのだろう。
その様子を眺めていた奏護の中で、何かが弾けた。
「うおおおおおおおおお!! ピアノだ!! 俺も弾く!!!!!!!」
何を思ったか、奏護は駆け足でピアノの椅子へと突進していった。
隣で女の子が美しい『そよ風』を奏でているにもかかわらず――。
ガチャン、と。
鍵盤に適当な音を乱暴に叩きつけてしまった。
「あんた! 何すんのよ!!!」
突然の蛮行に、ピアノを弾いていた女の子が驚き、そして激怒した。
いきなりそんな音を鳴らされたら、誰だって飛び上がるほど驚くだろう。女の子が鋭く睨みつけて叱りつけるが、奏護はどこ吹く風とばかりに、まだ興味本位で鍵盤を叩こうとする。
当然、女の子は不愉快そうに演奏をやめてしまった。
そこに、慌てた様子の一人の女性が駆け寄ってくる。
「千宙! もう、仲良くしなさいよ」
優しく、しかし窘めるように自分の娘に語り掛ける母親だった。
「お母さん! でも、この子が! 勝手にピアノを邪魔したの!」
母親に食ってかかる千宙の顔は、ぷくっと怒りで膨らんでいる。
「あたしが弾いてるのに……!」
今にも泣き出しそうな、悔しさと怒りが入り混じった表情の千宙。
しかし、奏護は悪びれる様子もなく、まだ面白半分にピアノを触ろうとしている。
そこに、ちょうどトイレから戻ってきた奏護の母親が、息子を探し当てて声を荒げた。
「あんた、トイレから出てこないと思ったら、こんなところで何をやっているの……!」
「お嬢ちゃん、うちの奏護が本当にごめんね」
奏護の母親が、隣で怒っている千宙に深々と頭を下げる。
千宙は、母親の謝罪を受けて少しだけ落ち着きを取り戻し、こくりと小さく頷いた。
「……うん」
「行くわよ、奏護」
そう言って、母親は奏護の片腕を強引に掴み、無理やりその場から引き剥がそうとした。
「あぁぁぁぁ、まだピアノ弾きたかったのに!!」
必死の抵抗も虚しく、母親の圧倒的な力には勝てず、奏護は文句タラタラで引きずられていく。
そんな乱暴に連れ去られる奏護を見送りながら、千宙は小さく手を振っていた。
その後、ようやくホール内へ、指定された座席に腰を下ろす。
開演までまだ時間があり、母親は先ほど受付でもらったチラシを広げて次のコンサート情報をチェックしている。
「あんた、今度は大人しくしていなさいよ」
「はーい……」
難しそうな顔で適当に返事をする奏護は、果たして最後まで大人しく聴いていられるだろうか。
【本日のプログラム】
作曲家:カール・チェルニー
曲目:大交響曲 第1番
(休憩)
作曲家:クット・アッテルベリ
曲目:交響曲 第8番
※アンコールあり
やがて客席の照明が落ち、暗転した空間にオーケストラの団員たちが次々と入場してきた。
観客席から盛大な拍手が巻き起こる。もちろん、奏護もつられてパチパチと拍手をした。
続いて指揮者が登場する。ひらりと手を振って現れたその指揮者は人気が高いのか、一段と大きな歓声と拍手に迎えられ、満面の笑みで指揮台へと立った。
オーケストラ全体に張り詰めた緊張感が走る。
一瞬の静寂のあと、指揮者がすっと腕を振り下ろした。
――カール・チェルニー作曲『大交響曲 第1番』。
演奏の始まった瞬間、奏護は「いったい何が始まったんだ」と驚きに目を見張ったが、次の瞬間には、圧倒的な音の渦へと引きずり込まれるように曲の世界へと没入していった。
愉快で、それでいて力強いメロディーが次々と展開されていく。
第一楽章は、まるで広大な宇宙を光の速さで駆け抜けていくかのような、爽快感あふれる旋律だった。
(すっげぇ……これがクラシックなのか…まるで流れ星の様になって飛んでいるような…!)
(迫力がハンパないわ……! 俺もなんか、楽器やりたいなぁ……)
続く第二楽章は、一転して優雅で壮大な自然を思わせる、どこか温かなメロディーが会場を包み込んだ。
重厚な余韻を残して一回目のプログラムが終了し、休憩時間に入る。
「終わったわよ。トイレ、今のうちに行ってきなさい」
「うん」
母親に促されるまま、再び二人でトイレを済ませて席に戻る。
すぐに、後半のプログラムを告げるブザーが鳴り響いた。
楽団員たちが再び持ち場につき、先ほどの指揮者が再び颯爽とステージに現れる。
後半の曲目は、クット・アッテルベリの『交響曲 第8番』。
第一楽章から第四楽章に至るまで、スウェーデンの美しい民謡の旋律が変奏を交えながら終始繰り返し演奏され、聴く者の心を揺さぶる。そして、圧倒的で劇的なフィナーレを迎え、壮麗なラストを飾った。
プログラム通りの演奏はこれで終わりのはずだったが、今日はまだ終わりではない。
盛大な拍手に応える形で、サプライズのアンコール曲が用意されていた。
演奏されたのは、ヴァシリー・カリンニコフ作曲『交響曲第1番』の第1楽章。
まず、美しい弦楽合奏による第1主題が切なくも力強く歌い出す。続く第2主題はチェロの艶やかなパートが提示し、甘美な歌謡的メロディーを紡ぎ出す。
提示部が繰り返されたのちの展開部では、第1主題を用いた緻密なフガートが置かれ、音楽はさらに熱を帯びていく。
再現部に入ると、第1主題は木管楽器の豊かな合奏によって響き渡り、第2主題の背景にはハープの繊細な伴奏が寄り添う。そして、壮大なコーダへと雪崩れ込んでいった。
すべてのアンコールが鳴り止み、会場中が割れんばかりの拍手喝采に包まれる中、本日のすべてのプログラムが幕を閉じた。
会場の廊下は余韻に浸る観客たちの人だかりで溢れかえり、出入口付近には取材に訪れたメディアの姿もちらほらと見受けられた。
その喧騒の傍らで、奏護とお母さんは待ち合わせの場所へと向かう。
演奏が終わり、会場の入り口付近で待っていると、
「お待たせ。奏護、母さん……」
と、声をかけてくる人物が現れた。
「あら、お父さん。とっても良いコンサートだったわよ」
現れたのは、天富家の大黒柱であるお父さんだ。お父さんは、この『能登フィルハーモニー管弦楽団』に所属するプロのヴァイオリニストである。お母さんと奏護は、ステージを終えたお父さんに会うためにここで待っていたのだ。
「いやー、今回のコンサートはさすがに疲れたよ……」
「でも、それだけ凄い演奏だったわよ」
「そうなんだよ。今回のチェルニーの交響曲第1番なんて日本初演だろ? だからみんな、いつも以上に気合が入っちゃってさ」
「なるほどね。だからこんなにメディアや熱心なお客さんがたくさんいるわけだわ」
ひとしきり頷き合ったあと、お父さんはふと視線を下ろし、我が子に問いかけた。
「で、奏護。今日のコンサートはどうだった?」
「うーん……すっげぇ迫力だった! 俺も、なんかこういう楽器をやってみたい!」
「おっ、そうか。まぁ、今度家で少し触らせてやるよ……それじゃ、遅くなるし気を付けて帰るんだぞ。また家でな」
お父さんは軽く手を上げると、楽団員たちの控室の方へと戻っていった。
奏護とお母さんはお父さんに向かって手を振り、その場をあとにした。
心地よい疲労感と興奮を胸に、母親と手をつなぎながら夜の帰路につく奏護。
並んで歩きながら、彼はふと、胸の内で固めていた決意を口にした。
「母さん、俺……やっぱりヴァイオリンがやりたい」
隣を歩く母親は、驚いたように目をパチリと瞬かせた。
「あれ? さっきまでピアノを弾きたいって言っていなかったっけ?」
「気が変わったんだよ。ヴァイオリンにする。だって……めちゃくちゃかっこよかったもん」
子供の心変わりというのは、かくも早いものだろうか。しかし、この帰り道での何気ない会話こそが、のちに彼の将来のすべてを決定づける運命の分岐点となったのだった。
「そう……いいんじゃない?」
天富家は音楽、そしてヴァイオリンにゆかりのある家系だ。我が子の突然の宣言に、母親は優しく微笑み、その背中を押すように頷いてくれたのだった。
奏護は母親と一緒に自宅へ戻ると、本格的にヴァイオリンの練習に挑むことを決意した。その意思を受け取った両親は、子ども用のヴァイオリンを買いに行こうと提案する。
もっとも、天富家は音楽一家とはいえ、これまで子ども用の楽器は所有していなかった。そこで次の週末、奏護を連れて専門店へ足を運ぶことになったのだ。どんな音を奏でるようになるのか、両親は期待を胸にその扉をくぐる。
「いらっしゃいませ」
「こんにちは。子ども用のヴァイオリンを探しているんですが、4/3サイズがちょうどいいかなと思いまして」
店内に入ると、いかにも楽器に精通していそうな店員が声をかけてくれた。
「そうですね、ご案内いたします。こちらのコーナーにございますよ」
案内された一角には、4/1から4/3サイズまでの子ども用ヴァイオリンが並んでいた。数十丁のなかから、成長の早さを考慮しつつ、まずは手頃な初心者用のスタンダードなモデルを選ぶつもりだ。フルサイズの楽器なら家族のものがいくつかあるため、サイズアウトするまでの繋ぎとしては十分だろう。
「試し弾きしてもいいですか?」
「ええ、もちろんよろしいですよ」
店員の了承を得て、父親は左側の棚から順に楽器を手に取り、音を確かめていく。何度か鳴らした後、隣で見守る奏護へそれを手渡した。
「よし、奏護。少し弾ってみるか」
「うん……」
父親から教わったばかりの持ち方で、おずおずと弓を構える。初めて手にする楽器に戸惑いながらも、真剣な眼差しで音を紡ごうとするその姿に、父親は温かい期待を寄せた。
何丁か試した後、父親は尋ねた。
「奏護、どれがいちばんしっくりきた?」
「えぇ〜……、どれが良いか分かんない」
「どれでもいいんだよ。ほら、選んでみて」
「ん〜……じゃあ、これ……」
奏護が指さしたのは、棚の左から3番目。値札には「8万6千円」と記されていた。初心者にとって十分なクオリティを持つ、確かな一本だ。
「そうか。奏護がこれからどんな音色を奏でるのか、本当に楽しみだな」
「うん。頑張って演奏する!」
「パパも、楽しみにしてるぞ」
ケースと練習用の弓もついたセットを購入し、店頭で会計を済ませた親子は、しっかりと手を繋いで店をあとにするのだった。
・・・
・・
・
その日から、奏護のヴァイオリンのレッスンが始まった。
まずは音階の練習から入り、やがて「ちょうちょ」や「カッコウ」といった馴染み深い曲の練習へと進んでいく。学校から帰ると家にこもり、ヴァイオリンに向き合う日々。友達と遊ぶのはたまの息抜き程度になっていた。
それから数か月後のこと。
リビングにやってきた父親は、1枚のパンフレットを奏護に差し出した。
「奏護、今度のコンクール、出てみないか?」
「えっ、緊張する……!」
「けど、やってみたい!」
戸惑いながらも、奏護は力強い眼差しを返した。
小さな頃から場数を踏み、人前に出ることへの耐性をつけておくのは非常に良い経験だ。今回のコンクールは小学生全般を対象にしたものであり、出場に向けた特訓がここから始まる。
「曲はもう決まっているんだ。『ラフマニノフのヴォカリーズ』だよ。初心者でも前半部分なら十分に弾ける曲だし、何より美しくも悲しい旋律が特徴的でね……あぁあ〜〜、あぁあ〜〜……」
父親は語るうちに、思わず口ずさみ始めた。
1915年に作曲された『ヴォカリーズ』は、さまざまな楽器用に編曲され、世界中で愛されている名曲だ。ヴァイオリンのE線やA線を中心に美しく響かせることができる一方、今回のコンクールでも演奏時間は約3分、前半部分を中心に審査されることになっている。
「ねぇ、お父さん! 歌ってないで聴かせてよ。ほら、ヴァイオリン弾いて、弾いて!」
「しょうがないなぁ。それじゃあ、初コンクールに向けた『特設ガラコンサート』と行きますか」
コンクール当日はピアニストを自分で用意するか会場で手配する必要があるが、今回は父親のソロ演奏として、子どもたちの前でその手本を見せることになった。
「分かったから弾いて」
「よし、弾くぞ。奏護、大人しく聴くんだぞ」
「うん」
父親は自分の部屋から愛用のヴァイオリンを持ち出し、奏護の前に立った。
(作曲者:ラフマニノフ 曲名:ヴォカリーズ op.34 no.14)
父親の奏でるヴァイオリンの音色が、リビングに深く響き渡る。
どこか哀切を帯び、かつ美しいその旋律は、この100年間でどれほどの物語を紡ぎ、どれほどの人の心を揺さぶってきたのだろうか。
初めてこの曲を生で聴いた奏護は、どこか未知の世界へと引き込まれていくような感覚にとらわれていた。
歴史のワンシーンか。荒ぶる世界の争いの中か。あるいは、巨大な教会の静寂。
鬱蒼と木々が茂る森の中に足を踏み入れると、川のせせらぎが聞こえ、動物の足音が響いてくる。
今度は大海原だ。海面に立ち、風に煽られながら冷たい海中へと沈んでいく。どこまでも続く暗黒の底へ、ぼんやりと体が落ちていくような……。
いや、これは――夢の世界なのか?
演奏が終わり、静寂が戻った。
父親の演奏を聴き終えた奏護は、目をぱっくりと開けたまま放心状態になっていた。一体どんな旅をしてきたのか、それは本人にしか分からない。
いつの間にかやってきていた5歳の妹・奏音は、満面の笑みでパチパチと拍手をする。
「しゅご〜い!」
「……俺も、この曲を弾くのか……」
現実に戻ってきた奏護は、圧倒されながらも呟いた。これからこの曲に挑み、観客に何を伝えるのか。課題は山積みだ。しかし、音楽の深さに触れた息子を見つめながら、父親は「ただ一生懸命に弾いてくれればそれでいい」と穏やかに微笑むのだった。
「よし、お前たちは何を感じたんだ?」
「しゅご〜い!」
奏音は再び同じ感想を無邪気に述べ、拍手を送る。そして、隣にいる兄の顔を覗き込んだ。
「……何を感じたんだろうな。えっと……まぁ、頑張るよ」
奏護の脳裏に、先ほどの旅の残像が蘇る。それは音楽が鳴っている間だけに許された、不思議な旅だった。
――そう、これがクラシック音楽なのだ。
「よし、じゃあ今日から特訓だな」




