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奴隷剣闘士からの解放  作者: 午後のミズ
魔法王国 魔法学園編
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第12話 魔法測定

 大きな門を俺はヒメノと二人で通る。門には王宮のように屈強な兵士が立っていない。ほとんど何の検査も必要ないようだ。学院の扉の前には1人の女の人が立っていた。スピカと同じローブを纏い、同じとんがり帽子をかぶっていた。

 俺たちの姿を認めると丁寧なお辞儀をした。


「おはようございます。ヒメノさん、キールさん。お話はスピカ様から伺っているので中にどうぞ」


「おはようございます。今日はよろしくお願いします」


 俺も丁寧にお辞儀とあいさつを返した。

 俺とヒメノはお姉さんの後を付いて中に入って行く。

 魔法学院の中は入るとすぐに天井までの広い吹き抜けになっていた。大理石でできているであろう太い柱が二階と天井を支えている。

 左右には二階へと伸びる階段。一階の左右へと廊下が続いていた。大理石の床が奥まで続いている。

 そして最も目立つのは広いホールの真ん中に立つ石像だ。柱の素材と同じく大理石でできた真っ白な像は髭の生えた老人が背筋をピンと伸ばし偉そうに立っている像だった。天井までは10メートルほど、像は5メートルほどで立っていた。


 案内人のお姉さんはその像の前で立って説明を始めた。


「こちらは我が光聖王国を建国し、魔法学院の初代学長でもあるアルバ・ヴェルシス様です。彼の素晴らしさを称えこの像が建てられました。現在は第32代国王ダルム・ヴェルシス様と妹の第32代学長スピカ・ヴェルシス様です」


 ん?なんだか聞き覚えのある名前が聞こえた気がする。


「えっと、もしかしてヒメノの師匠のスピカさんって学長なの?」


「そういえば言ってなかったかの~。そうじゃ(わらわ)の師匠のスピカは学長じゃよ」


 またも学院入口で見せたような誇らしげな顔でドヤっとした様子で言った。なんか腹立つな。顔がいいから余計に腹立つ。

 師匠の言っていたように強い魔法使いだとは聞いていたが学長だったとは…。


「キールさんのお師匠様の剣聖ガレリア様もすごいお方でから」


 すかさず案内人のお姉さんからフォローが入ってきた。師匠がすごいと言われても俺はこの国に来るまでに師匠がやる気のない様子を散々見てきたせいですごいとは思えない。やる気のないおっさんぐらいの感覚だ。狼型のモンスターと遭遇した時は師匠の剣技を見て驚いた。そしてこの国に来て剣聖と言われているほどの強さを持っているということは剣技は余程の物なのだろう。

 でもなー、今朝もソファーの上で爆睡してたし尊敬するっていうのもなー。


「では、次は魔力の測定をしますのでこちらへどうぞ」


 俺が師匠について考えていると案内人のお姉さんは歩き出した。

 左右に伸びている廊下のうち右へと歩いていく。廊下の幅は広く多くの学生が行き交っていた。学生たちは案内人の後ろに付いていく俺たちのことを好奇の目で見てはひそひそと何事か話している様子だった。中には歓迎の意ではないような敵意というか侮蔑の目で見る者もいた。なんだろうか。ひそひそと話している声はよくは聞こえないが端々に『異国人』、『蛮族』などと聞こえてくる。外から来た人間のことをよく思っていないようだ。この先うまくやっていけるのか心配になってきた。


 しばらく廊下を進み好奇の目に晒されて廊下の突き当りへと着いた。古びた小さい木製の扉を開ける。

 室内の中心には木製の机と椅子だけが置かれていた。机の上には金属製の見慣れない装置が置かれていた。


「こちらは魔力測定室です。こちらの椅子に座ってください」


 俺は椅子に座り、向かいにお姉さんが来て機械を操作する。


「ガラス玉の上に手を置いてください。この中であなたの魔力を抽出してその色と色の濃さで魔力を測定します。色が濃いとその魔力が強いことになります。そしてこの紙に細かい数値と魔力の属性が表示されます」


 俺がガラス玉の上に手を乗せると、ガラス玉の中で光り輝く黄色が段々と濃くなっていった。

 後ろからヒメノが見守っている。


「すごいのー、(わらわ)と同じぐらいかの」


「それはすごいのか」


 ヒメノは魔法の才覚を見込まれてこの国で魔法を学んでいるということだから少なくとも才能がある方なんだろう。と俺が吞気に思っていると。


「すごいなんてもんじゃないですよ!さすがガレリア様が選ばれるだけはありますね。魔力属性も珍しい黄色で魔力量も1000以上ですね」


「あの、全然分からないんですけど…。それってどうすごいんですか?」


 突然興奮気味に俺とヒメノの会話に割って入ってきて言われても魔法の知識が俺にはないので全然分からなかった。


「5属性の中でも黄色は珍しいのじゃよ。剣聖殿も同じ黄色だが歴史上でも稀にしかいない。多くは赤、青、緑のどれかじゃな。何年か前に黒が出て話題になったこともあったの。それで魔力量は普通は500ぐらい。鍛えれば多くなるが妾は今1200ぐらいじゃの」


「私は700ぐらいですね。お二人ともすごいですよ。私なんてここに10年もいますけど元が300だったので羨ましいです」


 なるほど、数字にされると自分のすごさが分かった。これだけ高いということはすごい魔法が使えたりするのだろうか。


「魔力量が多いからといってすぐにすごい魔法が使えるわけじゃないからの。安心せい。鍛錬はしっかりしてやるからの」


 そう言われて俺はドキッとしてしまった。顔に出でていただろうか。


「おうおう、顔に書いてあるぞ。分かりやすいの~」


「おい!勝手に俺の考えてることに答えなくていいんだよ。すごい魔法使ったっていいじゃねえか」


 そうやって言い合っている俺たちをお姉さんは苦笑いしていた。


「では、明日から編入ということになりますのでお願いします。結果はスピカ様に報告しておきます」


「報告なら(わらわ)がしておこう。この後会う約束をしておるからの。ほれ、キールも行くぞ」


「あ、おい。ちょっと待てよ。失礼します!」


 そう言ってから俺を一方的にからかってから部屋を出て行く。俺も遅れないように椅子から立ち上がってお姉さんに挨拶してから、その後を追いかけた。





魔法の属性には5種類あります。

赤、青、緑、黄、黒です。

それぞれの細かい解説は次話でします。

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