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ゆうしゃ様とまおう様~勇者と魔王の再国譚~「えっ?社畜の俺が魔王の国を復興させる!?無理無理っ!」  作者: 団栗珈琲。
第三章 盗賊と邪神と封印と

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第13話 素手で石は叩き割れない

「なあ、粉々にしたらいいんだよな。別の素手で叩き割る必要はないんだよな」


「む。まあそうだが。粉々にすることで、個々の封印の力を弱めれたらそれでいいからな」


「じゃあいい」


 俺は右手を石に手をかざすと、


「『万物製造ポゼッションメイキング』――――」


 そう唱えると石が粉々に砕け散る。


 今回は一瞬だったのでそんなに疲れていない。


「む。なんだ?その奇妙な技は。まあ良い。これで長い封印生活からおさらばだ」


「ちなみに長い封印ってどのくらい……」


「ん?気になるのか?まあ、ざっと7000年くらいか」


 長っ!いや、いくらなんでも長すぎるだろ……。


「『解除キャンセル』―――!」


 邪神がそう唱えると「ピキ……パキ……。」と何かが割れる音がする。


「ふう……」


 そう邪神は息を吐くと、姿を現す。


 一言で表すなら、それはすごい美女だった。


 黒髪に紺鼠こんねずの目。片目は塗れ絹のような黒髪に隠されている。


 頭部には巻角まきづののようなものがついており、胸元が広々と開いている藍色の洋服に、紺青こんじょうの帯、黒のスカート。


 それは、誰が見ても「美人」というような姿だった。


 というか、この邪神って女性だったんだね。知らなかった。


「貴様。名は何という?」


「俺は、な…クロス=シャーロットだ」


 あっぶねぇ中山翔琉なかやまかけるって言ってしまうところだった。


「クロスか。われは「ベーゼル」邪神ベーゼルだ」


 ベーゼルか。


「もう、ここにも人がいなくなったな。昔は賑わっていたんだがなぁ……」


 ベーゼルは物悲しそうにそういった。


「クロス。少しさせてもらっても良いか?」


「見る?まあいいけど」


「視るぞ。『読描リードリーディング』」


 ベーゼルがそう唱える。

 なんかすごそう(小並感)


「おお、お主ルナと知り合いか。なら話は早い。ルナに伝えて欲しいことが……。いや、我が行く。クロス。方角はどっちだ」


 話が進むののが早いなあ。


「北だ」


「そうか」ベーゼルはそう言うと、俺の腹に手を伸ばし……。


「ブオッ」と音と共に、足が浮く感覚がする。

 腹のあたりに重力が感じる。


「あれ?浮いてる?」


 そう言った瞬間には、高度は十分に上がっており、怖いと感じるほどにはlぷ度は上がっていた。


 ちなみに抱えられているだけで、えらく不安定だ。


 ジェットコースターよりも全然怖い。


「『速度上昇スピードアップ』――」


 ベーゼルがそう唱える。

 すると、肌で感じたことのない風を強烈に感じる。


 いや、強烈というよりは、痛いかもしれない。


 飛行機から顔を出している気分だ。

 ……出したことないけど。


 というか、本当にどうかしてる。痛いぐらいの風ってどんなだよ。


 もう少し、速度緩めてくれませんかね……。


 俺のそんな思いは届くはずもなく、速度は上がるばかり……。


 いや、上がるばかりってなんだよ。

速度上昇スピードアップ」ってベーゼルが唱えた瞬間から、もう痛いんだよ。


 飛ぶにしても、ゆっくり飛んでくれ~!!!!

 という俺の悲痛な心の叫びはベーゼルには届かず、速度は上がり続けるのだった。


   ✕   ✕   ✕   ✕


 私が転移した場所から、すぐ近くにざわめくような声がする。


 間違いない。盗賊だ。


「『メテオ』――」


 私がそう唱えると、大きな火の玉が現れる。

 そして、盗賊目掛けて飛んでいく。


「うわっ!なんだ!?」


「敵だ!攻撃しろ!」


 盗賊たちは突然の攻撃に慌てふためく。


 一応、盗賊の人数確認はしておくか。

 まあ、意味なんてほとんどないけどね。


「『隠結界ハイドバリア』―――」


 人数は……1004人!?。

 この人数はおかしい!。盗賊の人数じゃない。


 ましてや、こんな大人数の盗賊団、聞いたことがない。


 これは間違いなく、裏ギルドが一枚噛んでるとしか思えない規模の人数だ。


 世界政府に裏ギルドどれだけ私を殺したいんだ。


 まあ、とにかく数を減らすか。


 こんなにうじゃうじゃいても、気持ち悪いだけだしな。


「『昏倒魔法ブラックアウトマジック』――――」


 この程度の魔法で倒れる奴は相手する必要なし。


 人数は……56人!

 激減したね。

 つまりは雑魚の寄せ集めってところかな。


「なんだ!?どうした!?なにがあった!?」


 私は慌て叫ぶ男の背後に近づき。

「『気絶フェインティング』――――」

 そう唱えた。


「なんだおま――――ぐあっ!」

 気絶の魔法で、残りの盗賊54人を一掃する。


   ✕   ✕   ✕   ✕


「ありゃりゃ。こりゃまずいね。相手、相当強いらしい。というかバケモンだね」


「まじっすか、まずいっすか。いや、そんなことないと思うっすけどね」


「いやいや、まずいよ。お前何考えてるの。ここまで来てるよ。昏倒魔法」


「いや、俺魔法あんま詳しくないんで、よくわからないんすけど……」


「じゃあ馬鹿なお前でもわかるように説明してやる。この状況はな、覇気だけで1000人気絶させてんのと変わらねえんだよ」


「え。まじすか?バケモンじゃないすか」


「だろ?ていうか、どうやったらこんだけ昏倒魔法、広げれんだよ。意味わかんねえよ……」


「ちょ、ストロンさん。残り俺たちしか残ってないっす」


「え?まじかよ……。いつの間に50人倒したの……」


「てか、こっち来てますよ。そいつ」


「え?……戦闘はまぬがれないかぁ……」



『ザッ』

「そこか!『毒球ポイズンブレッド』―――!」


「え?どこすか?」


   ✕   ✕   ✕   ✕


 毒々しい見た目の液状の球が私に向かって飛んでくる。


 バレたかぁ……。


 まあ仕方ないよね。相手、相当やり手だし。

 う~ん。でも結構高度な隠蔽いんぺい魔法を使ったんだけどなぁ……。


「てか、君誰?相当なやり手っぽいんだけど……」


 互いに同じこと思っていたとは。私は思わず苦笑する。


「私は「ルナ=シャーロット」魔王だよ」


「え?まじすか。魔王すか」


 リーゼントが少し戸惑っているようだ。


「君たちは?」


「え?名乗る流れ?じゃあ……。俺は「ストロン」こっちが……」


 私がそう聞くと、ストロンが苦い顔をする。


「「ルック」っす」


 リーゼントはまた、ちゃらけた様子を取り戻した。


 ストロンは、ハゲで屈強でムキムキ。


 ルックは茶髪でリーゼント。


「まあいいや、でも俺たちの目的はあんたじゃねえんだ。「クレイト」って知ってるか?俺たちの目的はそいつなんだが―――――」


「『フレア』――――」


「うおっ!危ねえ!」


 この盗賊団はどうやらバルメントが手向けたものらしい。


 つまりはバルメントは裏ギルドと関りがあるということだ。


 一国の時期王が、裏ギルドと関係があるってそれは国としてどうなのだろうか。


 まあ、そんなことどうでもいい。

 所詮は他人事。


 クレイトくんとメイちゃんは私が守る!

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