第12話 邪神と忍び込む盗賊
クレイトとメイさんと出会ってから数日。
邪神の国「アインベーゼ」俺は今、興味本位でここに来ていた。
いや、興味本位じゃないなお願いされてきたの間違いだな。これ。
興味本位2お願い8ぐらいの割合だな。
それはもうお願いで来てるっていうんだよなぁ……。
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「クロス~「アインベーゼ」に行ってくれない?」
え?やだ。
どこ?そこ国?
とりあえず否定から入るタイプです。
「アインベーゼに封印された邪神がいるらしいんだよね。仲間にしてきてくれない?」
「え……嫌なんだけど……」
邪神とか絶対やばいじゃん。
怖いんだけど。
いーやーだー!行きたくないー!
仲間にするとは?懐柔しろってことか?
邪神懐柔とか絶対無理だろ。
「大丈夫クロスならできる!」
そんな、オレンジの服を着た元野球選手みたいなこと言う。
その自信どこから湧いてくるんですか?
行かされるの俺なんだけど……。
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なんて、文句を言っていたがルナのお願いにあっさり陥落してしまった。
やっぱり俺、お願いに弱いな。
上司からのお願いにも弱いからな……。
いや、それは命令だな。
無理やりやらされていただけだな。
辛い……。
俺がネガティブなことを考えて、悲しい気持ちになっていると、アインベーゼの邪神が封印されてるところに着いた。
で、封印ってどうやって解くんだよ。
場所だけ教えて、そこは教えてくれなかった。
不親切すぎる。
ブラック企業の入社説明ぐらい不親切すぎる。
ルナに渡された地図の目的地近くに近づけば近づくほど、なんだか禍々《まがまが》しい雰囲気が増していく。
何だか怖いんだけど……。
もう帰りたいな……。
まあ、だいぶ歩いてきたから流石に戻るのはな……。
数分程度歩くと、禍々しい雰囲気の本拠地?に着いた。
すんげぇ禍々しい。
ここらの木が変色して溶けているのはどういう事でしょうか。
腐敗……だよね。
俺まで溶けたりしない?
「おい。人間」
「うわっ!」
「うわっ。とはなんじゃ我に向かって、われは神だぞ」
声が直接脳に届いている感じ。
テレパシーみたいな、何だか気持ち悪い。そんな感じだ。
「人間。我の封印を解いてはくれぬか」
「俺の名前人間じゃないんだけど……っていうか封印って
度うっやて解けばいいんだ?」
「貴様。神に向かってタメ口とはな。我の言うことを信じていないか。」
「いや?信じてるけど」
「信じていて、神にタメ口とはな」
まあ俺、魔王に向かってタメ口だからな。
あいつも俺の世界では神だし。
神にタメ口っていけないことなのかなあ。
別にいいと思うのだが……。
「まあいい、人間。封印を解いてくれ」
「解くっていっても具体手に何をすればいいんだ?」
「お主。そこに丸い石があるだろう。それを叩き割ってくれ」
異様に大きい木の根元に、俺の顔より少し大きいくらいの丸い石が転がっている。
石なんて俺に壊せるかなあ……。
「なにかハンマーとかはないのか?」
「ん?そんなものなくとも素手でいけるであろう」
いや、無理だって。
素手で石を叩き割るとか、どんなバケモンだよ俺は。
「?何をやっておるのだ。早く叩き割ってくれ」
無理だって。
俺は叩き割れないって!
俺の心の中の悲痛な叫びは、邪神には聞こえない。
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なんだ?結界に反応があるな。
魔王ノ力を使えば結界だって張れるし、聞き耳だって立てられるのだ。
えっへん!。
……誰もいないのに胸を張るって恥ずかしいんだな……。
とはいえ、こんなところに入ってくるなんて、何事だろうか。
敵の可能性が高いので、とりあえず聴いてみる。
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「なんすか?ここ」
「ここはサルジニルグっていうらしい」
「どこすか?そこ?聞いたことないんすけど」
「魔王の国ってやつだ。習わなかったのか?」
「俺、学校出てないんで。ってか、本当にこんなところにいるんすかね?こんな辺鄙なとこに」
「投げつけた場探(場所探知機)にここが引っかかったから、ここで間違いないらしい」
「正確なんすか?その情報」
「おい。お前これは国家からの任務なんだぞ、正確じゃないわけあるか」
「それもそうっすね」
「って!!。おい!」
「どうしたんすか?急に」
「やばいぞ。どれだけ離れていると思ってんだ。おかしいだろこんなの……」
「どうしたんすか?」
「おい!全員集合だ!これはやばいぞ」
「だから、どうしたんすか」
「見られているんだよ」
「は?誰にっすか?」
「わからない。だが、俺たちの侵入が相手にはバレているらしい」
「位置は?どこすか」
「50kmは先だ」
「はぁ?なんすかそれ!バケモンじゃないすか!」
「やばいぞ。逆探知で距離まではわかっても相手の顔どころか姿も見えない」
「本当にやばいっすね……。全員呼んできます!」
「うぅ……。あそこからの任務だから、嫌な予感はしてたんだが、目先の金に釣られてしまった。クソ……。全員!このままいくぞ!」
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お~すごいね。逆探知が使えるんだ。
私に聴かれていることに気付くなんて中々やるね。
こんなにも早々にバレるとは思っていなかったよ。
魔王の国に足を踏み入れてくるだけはあるね。
でも、強そうなのは私に気付いた奴とその隣の側近だけだね。
ほかにも反応は数えきれないほどあるけど、ほかは見せかけだね。
でもまあ、このまま突っ込んでくるんじゃなくて、引き返した方が身のためだけどね。
引き返すなら、まだ許してあげようかとも思ったけど……。しょうがない、私が迎えにいくか。
「メイちゃん。クレイトくん。私ちょっと行ってくるね」
私はそう、メイちゃんとクレイトくんに一声かける。
「ちゃ、ちゃん……は、はい。いってらっしゃいませ」
メイちゃんはそう返してくれる。
ちなみにクレイトくんは無言だ。
愛想悪いなぁ……。
「『転移』―――!」
私の身は白く淡い光に包まれる。
私は盗賊のもとへと向かった。




