第4話。ベーシックインカム
悪魔
「いいかい、毎月15万円、働かずに入ってくるってことはだね、ベーシックインカムだよ。君は知っているかい?ベーシックインカム。最低限所得保障の一種だよ。オランダっていう国だっけ、そこでは2016年度から実験的にベーシックインカムを導入してみるらしいね。人間にしてはすごい試みだと思うよ。そんなことを実践してみる気になるとはね。
それにひきかえ、この国はなんなんだい?
まるで生活に困っている人や苦しむ人が減ってしまったら社会にとって都合が悪いみたいな感じじゃないか。
社会というのはね、本来なら働くということへのメリットを提示すべきなんだ。だけどどうだ、非正規を意図的に増やし、給料は差別化され、それにも関わらず最近は非正規労働者にも正社員並みの仕事、意識を要求する。働くことのメリットよりもデメリットばかりが浮かんでくる。
誰もが強い人間ばかりではないからね。人によっては精神を病んだり、身体を壊したりする、こんなバタバタした世界ではね。
働くことのメリットを社会は示せていない。むしろ、正直者がバカを見るだ!
しかもね、ワーキングプアとして働くよりも生活保護の方がお得だったりする。その生活保護も何故か受給できる人と受給できない人間がいる、不公平なんだ。つまりね、ベーシックインカムはいちばん平等なんだよ、人間には最善の方法なんじゃないかな。
お金の奴隷にならなくてすむ。自分の信念、夢をお金のため、生活のために捨てなくてすむんだよ。お金の力で人が人を支配する世界からの自由、解放!
まぁ、そんなことはぼくにとってはどうでもいいことなんだけどね。ぼくはなんだってできるし。有り余る力がぼくにはある。なんだって自由なのさ。これで何千年、何万年も生きてきた。
それはそうと、君は確か絵を描くのが趣味だよね?君はできれば働く時間を削って絵を描くことに集中したいと思っている。」
僕
「うっ、図星だ。」
悪魔
「ぼくは何でもお見通しだよ。だけど君の画力では食べていけない。そうだろ?それが分かっているから君は労働の合間に雀の涙ほどの自由な時間に絵を描いているんだ。それだけが君の生きる支えになっているんだ。」




