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38 マイペースは動じないです。

遅くなりました、続きです。

ん、揺れが収まったと言うことは目的地に着いたのかな。ずっと僕を担ぎながら山道を歩いていて疲れただろうに。あ、意外と丁寧に降ろしてくれるのね。ありがとう。でも手足はちゃんと縛って行くのね、くたばれ。


「お目当ての人物を攫ってきたぜ。」

「しっかし、この学校の警備はザルだな。余裕で島に上陸出来たぜ。」

「今回もちょろかったな。」


顔の目隠し取ってくれない? 僕は姉さんみたいに気配を感じ取る事は出来なんだよ。


「毎度ご苦労様。お金は後で振り込んでおくわ。」

「お嬢様も懲りずにご利用ありがとうございます。」


あ、この声聞いた事あるかも。


「この子全然動かないけど、ちゃんと生きてるのよね?」

「ん? あぁ、ちょいと薬で寝てるだけさ。直に起きるだろう。」

「そう。あまり時間をかけていられないから、起きない場合は強制的に起こしましょうか。」

「くふ、それはいつも通りの方法でよろしいのかな?」

「そうよ。」

「いいねぇ。本当、お嬢様はいい趣味してんな。」


何か不穏な事言ってるけど、僕に手を出したら後が怖いよ? 絶対薫子さんは許さないと思うし、お母さん達も報復しにくるよ。


でも1番怖いのはやっぱり姉さんだよなぁ。最悪この人達ぴちゅんされるかも。


「待っているのも面倒だから。強制的に起こしましょう。」

「きましたぁ、お楽しみターイム。」


何するんだろう? と思っていたら服を強引に掴まれた。この人は乱暴だな。


「ハサミを貸せ。」

「はいよ。」


ハサミとな、それは何に……あ、体操服を切る音が聞こえる。そうか腕を縛ってて脱がせないから切るのか。納得。


「うひょー、めちゃくちゃ綺麗な肌じゃねえか。」

「顔はイマイチだったが身体は極上だな。」


上も下もスースーする。でも何故下着を残す。いっそ取っ払って貰っても構わないのに。


「もういいでしょう。目隠しを取って起こしましょう。」

「さーて、この子はどんな反応してくれますかねぇ。」


やっと目隠し取ってくれるのね。


「おはよう。気分はどうかし……ら……」

「「「……」」」


目を開けて様子を見ると同じ学生服を着た人とガタイの良い男が3人いた。聞いた事ある声だと思ったら、昨日のリーダーじゃないか。姉さんの言った通りになっちゃった。選りに選って1番手を出したらダメなのに手をつけるなんて運がないね。


辺りは開けた場所で山の何処かだと思うけど、どの辺なのかさっぱり分からない。それに山道から外れている為か静かだった。


さっきから僕を見てずっと口あけて黙ってるけど大丈夫か、この人達。


「どうしたの?」


「ッハ! やばいやばい、つい見惚れてしまった。」

「今まで見たどの女よりも美しいな……」

「声まで綺麗なんて反則だろ。」


なんだこの男の人達は。今度は全員鼻の下を伸ばしてだらしない顔になってる。間抜けだな、ふふふ。


「あら、笑ってる余裕なんてあるのかしら? 今の自分がどういう状況かも分かってないのかしら?」


「んー、どうせなら下着も取って欲しかった。」


「なっ! 貴方には恥じらいがないの?! 仮にも女の子でしょ!」


恥じらいねぇ、姉さんも言ってたな。でも裸を見られてもなんとも思わないんだよな。


「きゃあー。」


「すごい棒読みだな。まぁ、そんな事どうでもいいや。もう始めちゃって良いよなぁ?」

「うふふ、良いわよ。」

「よっしゃ。それじゃ先ずは胸から……」


あ、胸を触るのはやめてほしいな。


「触れて良いのは姉さんだけだからダメ。」


「ふん! 今更言っても遅いわよ。」


もうどうなってもいいや。流石に見も知らない男の人に触られるのは気持ち悪いので力を使おう。よいしょっ、その邪魔な手をどけてね。


「は? どうやって縄をっ 『ボキィ!』いでぇぇ!!」


あっ、今すごい音して吹っ飛んだいった。手の骨折れたか脱臼したかも。加減するの難しいな、ごめんね。でも、チャンスだ。もう1人は呆気にとられて動きが止まったので、男の弱点を蹴り上げておこう。


「調子のるなっ! ほげぇ。」


うわぁ、股を蹴り上げた感触が気持ち悪い。……白目向いて倒れたけど死んでないよね? よね?


「畜生! このガキが。」


あぁ、この人はナイフ取り出して距離を取っちゃった。


「何やってるのよ! 早く取り押さえなさいよ!」

「うるせぇ。仲間の2人がやられたんだ。どんな手品を使ったか知らねぇが、ガキだからって油断は出来ねえ。」


正直ナイフなんて怖くともなんともないんだけど、彼が自滅しないかが1番の懸念だ。


どうしようかなぁ。僕は姉さんみたいに器用じゃないから、木々を操る事なんて出来ないし。あ、そうだ、逃げればいいんだ、別に僕が相手する必要ないし。


そして逃げようとすると、見覚えのある陣が足元に光っていた。


「こんどはなんだ!? 」

「眩しい!」


「タイミングはバッチリね。もう、急に逃げようとしないでよ紫苑。」


まるで見ていたかの様なタイミングで姉さんが現れた。


「まさか見てた?」


「み、見てないわ。」


これは嘘だな。


「後はお姉ちゃんに任せて、紫苑は先に戻ってなさい。」


ちぇ、しょうがない。後の面倒ごとは姉さんに押し付けよう。


「分かった。また後でね。」


転移を使って移動する。そいえば、姉さん怒って無かったな。これならあの人達も大丈夫かな?



ふぅ、やれやれ困ったものだわ。まさか紫苑に危害を加えてくる愚か者がいるなんてね。事前に調べていて良かったわ。


さて、この人間どうしてあげましょうか。


後ちょっと。

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