37 事件発生です。
ブックマークありがとうございます、今回かなり短いです。
写真撮影が終わり皆んなの携帯に写真を送ったところで、昼食を取るために近くのテーブルに座る事にする。お寿司〜。
「テーブルもちゃんと設置されているんだね。日当たりも丁度良くて気持ちいいね。」
「それに景色を眺めながら食べれるのは乙なものだ。」
最初に手毬寿司を食べる事にする。手毬寿司は小さくて綺麗な見た目なので、目で楽しむことも出来ていいね。
「暖かいお茶が身に染みるよ。疲れた心が癒されるなぁ。」
「ん? 何かあったのかい?」
「あ、いや何でもないですよ雲雀様。ただの例えです。例え。」
ん〜、美味しい。後は鰻のちらし寿司だ。副菜の漬け物で口をさっぱりさせてから食べよう。
「そうか。変な質問して悪かったね。」
「いえいえ。」
鰻を食べるのは久しぶりで美味しい〜。甘いタレが最高。
「紫苑は無言でお弁当食べてるな。」
「無言だけど美味しさに足をバタバタさせてるのが、めちゃめちゃ可愛いんだけど。天然は別格だね。」
「昨日の夜も紫苑君は一心不乱に食べていたね。あの小さな身体のどこに入ってるのだろう。」
「あれだけ食べて体型維持出来るなんて凄いよね。」
「紫苑ちゃんは花より団子なのかな? あれだけ凄い絵を描くのに。」
「紫苑君は絵を描くのかい?」
「あっ! どうしよう紫苑ちゃん……教えてもいい?」
お弁当を食べ終わりお茶を飲んでまったりしていたら、コサキが聞いてきたので返事をする。
「ん、別に隠してないから。」
「ありがとう。それでね紫苑ちゃんが描いた絵がこれなんだけど。」
コサキが携帯に保存してある僕の絵を雲雀達に自分の事のように誇らしげに見せびらかしていた。
「へぇー、綺麗な絵だね。紫苑ちゃんは画家さんだったのか。」
「……」
お、雲雀は直ぐに気付いたみたいで驚きに目を丸くしていた。
「雲雀様どうかしましたか?」
「これを紫苑君が……本当かい?」
「やっぱり雲雀君は気づいちゃったかぁ。やっぱり驚きだよね。」
「? 何の事?」
「あぁ、この作者の作品は有名でね。最近あった海外でのオークション落札価格は確か20万ドルだったような。」
「20万ドルって幾らぐらいだっけ?」
「日本円で約2000万円だね。」
へぇ、オークションなんてやってたんだ、知らなかった。
「ほぇぇ……え、ちょ、ちょっとまって。これ描いたのって紫苑ちゃんなんだよね?」
「そう、みたいだね。コサキ君が嘘をつくとは思わないし。」
「と、言う事は紫苑ちゃんって超有名人の上、凄いお金持ちって事か……えぇぇーー!!」
「やっと理解したみたいだね。私も驚いたよ。」
「紫苑ちゃん本当なの?! いや、紫苑様!」
「んー、描いたのは僕だよ。」
何故様付け?
「何故表舞台に出ないんだい? 」
「興味ないから?」
「ふふ、紫苑君らしい答えだね。」
「勿体ないなぁ。僕だったら絶対自慢するよ。」
そういうものなのかな? よく分からない。
「はぁ、紫苑は自分がどれだけ凄いか理解する必要があるな。」
「そこは大丈夫じゃない? ゆりちゃんがいるし。」
「だから、余計に心配なんだがな。」
僕の何がすごい? 食欲と寝具にしか誇れる物はないぞ。
お弁当を食べ終え食休みを挟んでから下山する事にした。景色は携帯で写真の撮り方を教えてもらって保存しておいた。後で姉さんに見せよう。
「それにしても、行きと違ってすれ違う人が多くなったね。」
「時間的に夕暮れ時の景色を見に行く人達だろう。」
「確かに夕暮れ時の景色も良さそうだね。」
「でも、私達には時間制限があるからね。夕暮れ時までいたら時間をオーバーしてしまうよ。」
「だよねぇ。ま、充分楽しめたし満足かな。」
「まだ終わりじゃないぞ。」
「後は足湯だよね? 楽しみだね紫苑ちゃん。……あれ?」
「ん? どうした?」
「紫苑ちゃんがいない……」
「「え!」」
「と、とりあえず電話してみるね。」
◇
現在見知らぬ人に運ばれております。いやぁ、それにしてもびっくりした。いきなり湿った布を顔に当てられたかと思ったら、すぐに視界が真っ暗になってしまった。
道幅の狭い曲がり角で行きの人とすれ違い様の一瞬の事だった。それにしてもこの人達手際が良いよな。
んー、どうしよう。ここで抵抗してもいいけど加減が出来ないし、山道だから下手して怪我されても嫌だしなぁ。何処に向かってるか分からないけど、とりあえず着くまで寝とこ。




