34 1日目終了と問題発生です。
今日は少し遅めの更新。
室内競技場から自室に戻りさっきの試合について感想を言い合っていた。
「決勝戦凄かったね。」
「ゆりさんも紫苑さんもかっこよかったですぅ。」
「私は怖かったよぉ。紫苑ちゃんのサーブが私にしか来ないんだもん。」
「羨ましいわ。私にも紫苑の愛が欲しかったわ。」
「そんな愛なんていらないよっ!」
僕の愛を顔面で受け取って欲しかったのに。結局1回も仕留めきれなかった。
「私紫苑ちゃんに何かした?」
「んー、なんとなく。」
「なんとなくなの!?」
「サエリだからいいかなって。」
「私だけ扱いが酷い!」
「うふふ。冗談はそこまでにして、夕食までどうしましょうか?」
「よかったぁ、冗談だったんだ。」
僕は何となくだったから別に冗談とかでは無いんだけどね。まぁいいか。
「その前に、汗かいちゃったから部屋のシャワーを借りていい?」
「私もー。」
皆んなシャワーを浴びたいみたいなのでローテンションで入ることにする。じゃんけんで勝った冬香ちゃんが入っている間に、暇つぶしでホテル内の設備について話していた。
「確かここの大浴場って温泉だよね?」
「そうそう。露天風呂もついてるみたいだよ。」
「露天風呂?」
「んー、これは口で説明するより実際に目で確認した方がいいかもね。」
「百聞は一見にしかずってところかしら。」
そうなのか。ならお風呂の時間まで楽しみに待ってよ。
結局ローテーションで皆んながシャワーを浴び終わった時には会話が盛り上がっていて、夕食の時間まで自室で話ているだけに終わった。
夕食は1階の宴会場での食事となる。クラスのグループごとに座る場所が決められているみたいだ。
クラス対抗戦が終わって皆んな制服から私服に着替えおり新鮮な感じがする。多くの人が、特に男子が普段の制服じゃない女子を見てそわそわしていた。
「雲雀君と司君はどうやっても男の子には見えないね。」
「コサキもそう思うか。」
雲雀と司の服装は男物みたいだけど、女の子が男物を着ている様にしか見えないので、他の男子が凄い興味深かそうに見ていた。マモルは確か甚平だっけ? を着ていて職人さんみたいで非常に似合っていた。
僕はというと姉さんとお揃いのパーカーを着て、ショートパンツを履いていた。コサキはガーリー系の服装だった。
指定された席に座るとテーブルに真ん中にはエビチリやフカヒレ、麻婆豆腐と言った中華料理が並べられていた。
「美味しそう。」
「まだ食べちゃダメだよ。最初に先生からのお話があるみたいだから。」
「むー。」
「紫苑君は可愛いなぁ。」
「えー、雲雀様私は?」
「勿論可愛いよ。」
「やったぁ。」
「先生が出てきたから話をやめるんだ。」
全クラスが揃ったようなので先生から大事な話があるみたいだ。
「今から猫柳高等学校の校風について重要な事を伝える、しっかりと聞いてくれ。」
「皆んなも知っての通りこの学校は自由を校風としている。そのため多くの事を君達学生が選択する事になるだろう。既に部活動に参加した者は知っているかも知れないが、設備の申請や移動に使うバスの手配などは全て生徒がやっている。我々先生は毎年生徒会から提出される予算を見て配分しているだけだ。」
「学校行事も生徒が企画立案して実行している。自分の考えを学園全体に反映する事の出来るチャンスが君達にあるのだ。失敗を恐れるな、何事にも挑戦して行け、尻は我々先生が拭ってやる。」
「そしてこの学校は今後会社を担う事になる人、スポーツでトップに立つ人、海外で活躍する人などの可能性を秘めた学生が多く在籍している。ここで築いた交友関係は未来の君達に大きく関わってくるだろう。大いに利用しろ。」
「最後に一言、この学校は男女の交際を認めているが、何かあった場所は自己責任だからな。この自己責任の意味は頭のいい君達なら理解出来るだろう。正しくモラルを守れよ。以上だ。では夕食にしようか。」
最初は皆んな真剣に話を聞いていたけど、最後の一言で呆気にとられていた。自己責任という言葉の意味が分かった人達は、特に女子は赤面している人が多かった。男子は何故かやる気に満ち溢れていた。
自己責任ってどういう意味だろう? もぐもぐ、エビチリうまうま。
「この学校はやはり色々と凄いな。」
「ふふふ、そうだね。ちなみにマモル君は最後の一言にど、どう思った?」
「ん? そうだな……これからもよろしくな、コサキ。」
「えっ、うん! よろしくね!」
おー、コサキの尻尾がものすごい勢いで揺れてるよ。そんなに麻婆豆腐が美味しかったのかな?
「見せつけてくれるねぇ、君達。」
「なんなら今日の夜、僕たちの部屋を使ってもいいよ?」
「「そんな気遣いはいらん(ないよ)!!」」
あ、そうだ。皆んな最後に言っていた事の意味が分かってるみたいだし聞いておこう。
「ねえ、自己責任ってどういう意味?」
「えっとね。それは紫苑ちゃん、つまりセッむぐぅ。」
「やめろ司、紫苑に変な事を教えるな。ゆりが何するか分からん。」
マモルが強引に手で司の口を塞いでしまった。何か言いかけてたけど、なんだろう? セッ?
「もう、いきなり激しいね。乱暴な男の子は嫌われるよ。」
「いや悪い。司が余計な事を教えそうだったからついな。」
「マモル君もゆり君も過保護だね。」
「いや、俺はどちらかと言うと自分の身を守るためだがな。」
「紫苑ちゃんはゆりちゃんに後で教えて貰ってね。」
「んー、了解。」
なんだか上手いことはぐらかされたなぁ。フカヒレ貰い。まぁいいか。
夕食も食べ終わり僕たちは自室に帰る事にした。班長の人はこの後会議があるみたいなので呼び出されていた。
今日はもう予定が無いために就寝時間までは自由時間みたいだ。入浴時間はクラス毎に決められているが別に自室のお風呂で済ませてもいいみたい。
自室に戻ると真ん中にあったテーブルが横に移動していて、布団が敷いてあった。ふむ、これはチェックせねば。
「あ、お帰り。戻ってきたらお布団が敷かれたんだけど、何処がいい?」
枕はまあまあだな、もうちょっと沈み込む感じだとエクセレントだったのに。敷布団とシーツは完璧だ。皺1つない美しいものだ。後は掛け布団だけどこれはダメだな、ふかふかが足りない。
「紫苑は聞いてないから私の近くでいいわよ。」
「じゃ、私はコサキの横で。」
「お風呂の時間までどうしようか。」
「ケン達の所にお邪魔する?」
「うーん、それは変な誤解をする人が出てくると思うからやめた方がいいですぅ。」
「部屋じゃなければいいんじゃない?」
「でも、お風呂までそんなに時間ないからお風呂の後にしない? 色々準備あるし。」
「マモル君には綺麗な姿を見てほしいものねー」
「あら? 赤面するだけで反論しないのね。何かあったの? 言ってみなさい。」
「な、何もないよ?」
「コサキの尻尾は嘘つけないもんね。さぁ、はきなさい。」
僕がお布団のチェックと掛け布団に手を加えている間、コサキは姉さん達に尋問されていた。
「ふぅ、コサキが強情なせいで汗かいちゃった。」
「今からお風呂に入るんだから問題ないでしょ?」
「うぅ、お嫁にいけない……」
「ほら、コサキも行くよ。どうせマモルが貰ってくれるから問題ないでしょ。」
「もぉー!」
「紫苑さんも行きましょう。」
「僕はもうちょっとしたら行く。」
「それなら紫苑は私と行くから先に行っていいわよ。」
「分かった。じゃ先に行ってるね。」
ふう、いい仕事をした。記念に携帯で写真撮っておこう。
「終わった?」
「終わった。」
「なら行きましょう。」
「おー。」
姉さんと少し遅れて大浴場に向かう。向かう途中で姉さんがふと足を止め首を捻っていた。
「どうしたの?」
「んー、ちょっと気になる事があってね。寄り道していい?」
「いいよ。」
姉さんに手を引かれながら人があまりいないフロアに移動していく。ここに何かあるのかな?
着いた場所は営業時間が終了したスポーツジムの所だった。そこに1人を囲むよう3人の女子が立ちふさがっていた。
僕達はバレないように角からその様子を伺うと、囲まれている人が誰か分かった。お風呂上がりなのか髪を下ろしている司がそこにいた。
「あらあら。」
「どうするの?」
「んー、そうね。とりあえずは様子見かしら。」
一体どうなるんだろう。
もうそろそろプチ目標の10万字に達成する。




