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18 お邪魔します。

感想、ブクマありがとうございます。

物語のスピードは遅いですが、更新頻度は遅くならないようにします。

変態は姉さんの説教と昼食のおかずが一品減らされるという地味なお仕置きで、一時は大人しくなっていたが暫くすると元に戻っていた。タフな奴め。


薫子さんの見極めは早い事終わったために、パーティーまでの時間をどうやって潰すのか悩ましい。皆んなで出来るような娯楽品は無いし。


ケン達はソファーで寛ぎながらテレビを見てるけど退屈そう。


「んー、暇だねぇ。」


「そうだなぁ。」


「テレビもこの時間帯だと面白いのないしねぇ。」


「と、言っても何するよ?」


「紫苑ちゃん達の部屋見てみたーい。」


「それ俺にとって凄い気まずいんだが。というか、紫苑達が嫌がるだろ。」


「気にしないけど。」


「私も問題ないかな。見られて恥ずかしい物なんてないし。」


「俺の考えが間違っているのか?」


「ま、気にしない気にしない。紫苑ちゃん達が良いって言ってるんだから見に行こうとよー。」


「本当にいいのか?」


「ん。」


そんなに気にしなくていいのに。でも僕の部屋に面白いような物なんて一つも無いけど大丈夫かな。それに物が散乱してるせいで人が入るスペースないし。


一先ずは姉さんの部屋から入る事になった。


「お邪魔しまーす。おぉ!覗いた時は一瞬だったから分からなかったけど、この部屋は全体的に和風な感じなんだね。」


「家全体は洋風なのに、この部屋だけ床が畳なのは珍しいな。」


姉さんの部屋に入るのは何時もの事で特に見るものも無いので、今の内に自分の部屋の片付けでもしに行こう。ケン達が座れるスペースだけでも確保せねば。


「んー、本棚も実用書ばっかりだねぇ。」


「流石首席ってところか?」


「それは関係ないわよ。私が好きで買ってるのよ。」


「お?なんか楽譜がいっぱいあるけどこれは?」


「それは私の趣味でたまに曲を作って楽譜に書いてるのよ。バイト代も出るし。」


「ほへぇ。凄いなぁ。」


「ちなみに紫苑の描いている水彩画は有名みたいよ?」


「なんで疑問形なんだ?」


「お母様から聞いただけで、実際どの程度なのか私も紫苑も知らないのよね。」


「描いてる本人も知らないのかよ。」


「紫苑はその辺に全く興味が無いみたい。」


「あー、何となく分かる気がするわ。」


「他に見るものも無いし、紫苑の部屋に行きましょうか。」


「そうだな……。タンスの中を調べるのはマズイと思うぞ、エリ。」


「な、何のことかなぁ?」


「はぁ、あの子はどうやったら大人しくなるの?」


「あそこまで他人にずっと興味を待っているのは久しぶりなんだよな。俺にも分からん。」


「あら?そうなの?何時もあんな風に鬱陶しい言動かと思ったわ。」


「最初は俺達もあんな風に絡まれたもんだわ。まぁ、あんたら姉妹にエリを惹きつける何かがあるんだろうよ。」


「何かねぇ。」


「それが分かられば俺も苦労はしないんだがな。」


「お互い大変ね。」


「あぁ。」



なんとか全員が部屋に入るだけのスペースを確保できたぞ。そこいらに転がってる絵の具やらは踏まないように気を付けて欲しいところだ。踏んだら掃除が面倒くさいぞ。まあ、薫子さんが大変なだけだけど。


コンコン、とノックがきたので部屋の中に招待する。


「お邪魔しまー、ケンは見ちゃダメ!」


「なにおっ、ぐはぁ!めがぁぁ!!」


「紫苑たら脱いだらちゃんと洗濯機に入れなさいっていつも言ってるでしょ。」


「後でやるからいいの。」


「仕方ないわね。ちゃんとやるのよ。」


「ほーい。」


「あのー、出来ればケンの目に入らない所にお願いできますか?」


「ほいほい。」


「痛ってぇ。いきなりなにすんだよ。」


「まだダメ。」


「首ぃ。」


あー、申し訳ない。ケンよ君の死は無駄にはしない。まさか下着の一つでこんなことになるとは。これから人が来る時は目の届く範囲に置かないようにしないと。


「よくわからんがひどい目にあったわ。」


「ごめん。でもケンは見ちゃダメなの。」


ん?なんか変態の様子が少し変かも?顔が微かにだけど赤くなってる。あ、姉さんは何かに気付いたみたいで、耳打ちすると変態は真っ赤になっていた。後で何を言ったのか教えてもらおう。


「んん。気を取り直して紫苑ちゃんのお部屋を拝見しまーす。あははー、凄い散らかってるね。」


「画材道具と描き終えた絵が散らばってるな。」


「紫苑、いいのは出来た?」


「ぼちぼち。」


「そう。また後でじっくりと見せてね。」


「りょーかい。」


「よく見るとそこら辺に落ちてる絵の一つ一つが、美術館とかにあっても違和感のない様なものばかりだな。でも、この作画は何処かで見た事ある気がするんだよなぁ……。思い出せん。」


「確かにこれなら、人気が出てもおかしくないよね。」


そうなんだ。それなら僕の絵をプレゼントしても心配ないかな?後でマモルの家に行った時にお土産として渡してみようっと。


「それにしても、物が散乱しているのにも関わらずベッドだけ凄く綺麗なのが違和感あるよな。」


「本当にねー。シーツもぴっちりしてるし、手が込んだそうだね。」


「そこは僕の聖域だから侵入禁止!」


危ない、危ない。僕のベッドだけは誰にも触らせないぞ。姉さん達は例外だけど。


「おおぅ、びっくりした。」


「さ、触らないから大丈夫だよー。」


「うふふ、紫苑は本当にそこだけは主張するわよね。それ以外は適当なのに。」


それは仕方ない。僕を構成しているのは睡眠、ご飯、姉さん、だからね。


ともあれ僕達の部屋の紹介は終わり、地下の音楽室や庭のガーデニングなどを見て回っていたら丁度いい時間帯になって来た。


「そろそろマモルの家に行くか。準備は大方終わったみたいだ。」


「おっけー。ならお母さん達に連絡するね。」


「皆んな制服なら私達も制服で行きましょうか。」


「またあれ着るの?」


「お着替えしましょうねー、紫苑ちゃん。」


「変態はついて来ないで。」


「やっぱり駄目か。」


「いい加減学習しろよ。不名誉なあだ名で呼ぶぞ。」


「やめてぇ、それだけは言わないで!」


不名誉なあだ名ってどんなのだろう?気になる。姉さんにまた制服を着せてもらい、薫子さんは入学式の時と同じスーツに着替えて準備完了。いざ行かん高級料理。



最寄りの駅から3駅程で目的地のマモル家に到着した。趣のある家?店?だなぁ。のれんが玄関にかかっていて、瓦の屋根で出来てるや。


がらがらと音を立てて戸を開けケンが中に入って行く。


「こんばんわ、樹さん。今日はお世話になります。」


「ケンか、よく来たな。」


「樹さんは何時もムキムキだねぇ。」


「ん?がはは、当たり前よ。料理も筋肉にも隙は1ミリもないわ。」


あの筋肉さんがマモルのお父さんなのかな?はち切れんばかりの筋肉で職人服が凄い事になってるや。鉢巻を頭に巻いている190cmぐらいの巨漢で、猿の尾が生えてる所が同じだ。大っきいなぁ。


「「お邪魔する。(わ)」」


「失礼します。」


「おぉ、この方々がマモルが言ってた人達だな。ようこそ我が家兼お店へ。俺は父の(いつき)だ。よろしく。」


「よろしく。僕は――」


「あぁ、大丈夫だ。自己紹介は皆んなが集まってからでいいぞ。二度手間になるしな。」


「はーい。」


「おーい、マモル。ケン達が来たから案内してやれー。」


そうして、呼ばれてやって来たのはコサキだった。


「マモル君は今忙しくて手が離せないから、私が案内するね。」


「おうおう。まるで夫婦の様だな。夫の代わりにお迎えか。」


「ま、まだそんなんじゃないです。」


「まだねぇ。」


「もう!からかわないで下さい。」


怒ってるけど、尻尾は嬉しそうに揺れているのがとてもプリティー。尻尾は雄弁に物語ってるよ。全員がその光景を微笑ましく見ていた。


コサキは照れを隠すかの様にそそくさと行ってしまったので慌てて後に続く。


そして案内された場所はお座敷だった。そこではマモルが料理を並べて忙しなく働いていた。


「来たぞ、マモル。何か手伝う事あるか?」


「いや、大丈夫だ。もう少しで終わるから皆は座って待っていてくれ。」


「私も手伝うね。」


「いや、コサキも休んでていいぞ。色々手伝って貰ったしな。」


「いいのいいの。私が好きでやってるんだから。」


「そうか。なら頼む。」


マモルとコサキちゃんの関係はコイビトってやつなのかな?今日は大勢の人が集まる見たいで、続々と人がやって来た。早くご飯食べたいよー。


皆んなが集まった所で樹さんが音頭をとって話始めた。


「集まった事だし始めるか。」


「「「おー!」」」


「初めましての方々もいるが追い追い自己紹介して行こうと思う。」


「それじゃ、マモル達皆んなの進級を祝って乾杯。」


「「「乾杯。」」」


待ちに待った高級料理が食べられるぞ。何から食べようかなぁ。品定めをしているとテーブルの下に見た事ある紋様が光っていた。


え、これってまさか。さては薫子さんが連絡したな。姉さんも驚いてるって事は薫子さんの独断だな。これはどうしようもない、皆んな驚くだろうなぁ。


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