17 招待します。
なるべく1週間開かないよう更新していこうと思います。
マモルの家に行く事を薫子さんに伝えるために合流場所に向かった。マモルとコサキは準備があるからと、一足先に帰っていった。
あの2人は僕等みたいに仲がいいなぁ。うん、いい事だ。
「あ、薫子さん遅くなってごめんなさい。」
「いえいえ、お気になさらず。」
「ほぇ、すっごい美人さんだね。お母さん?」
「違う、薫子さんはお手伝いさん。でも家族みたいなもの。」
「そうなんだ。いやぁ、お手伝いさんまでこんなに美人だなんて紫苑ちゃん達何者?」
「あの此方の方々は?」
「あぁ、ごめんなさい。紹介がまだだったわね。」
薫子さんに今での経緯を説明して、これからマモルの家でパーティーがある事を伝えた。
「了解しました。そういう事なら予約していたお店をキャンセルしておきますね。」
「助かるわ。」
お店予約してあったのか。もしかして前に言っていた高級料理だったかもしれない。ぬぅ、惜しい事をした。
「なんか紫苑ちゃんがしょんぼりしてる。」
「高級料理ぃ……。」
「ん?よく分からんが安心しろ、マモルの家は老舗料亭だからな。味は保証するぜ。」
「りょうてい、って何?」
「あー、そうだな。日本料理をメインにした高級飲食店って感じか?」
「おー!それは楽しみ。」
「本場の日本料理は初めてだもんね。」
(ちょいちょい、勝手にハードル上げて大丈夫なん?なんか紫苑ちゃん達、外国のお嬢様って感じするんだけど。)
(仕方ねえだろ、つい口が滑ったんだよ。それにマモルの家なら大丈夫だろ。なんたって日本有数の料亭なんだから。)
お寿司、天ぷら、お吸い物〜♪考えただけでワクワクする〜♪
「早く行こう。」
「慌てなくても料理は逃げないぞ。」
「紫苑ちゃんの笑顔かわゆす。」
「変態キモい。」
「ぬおぉー、そんな事言わんでー。」
「まぁ、パーティーは夕方の予定だからそれまではどっかで時間潰さないといけないんだけどな。」
夕方からかぁ、今はちょうど昼を過ぎた辺りだから結構時間あるな。一旦家に帰る?あ、マモルの家知らないから別れたらダメか。
「本当は一旦解散して、マモルの家に行く予定だったがゆり達を招待するなら別々にならない方がいいしなぁ。」
「じゃこれからどうするー?お昼まだだし、レストランでも行く?」
「んー、どうすっかね。」
「時間があるのでしたら一度家に来ますか?電車で二駅ほどの距離なので然程時間もかかりません。皆様の事を色々知りたいのですが、ダメでしょうか?」
「いいんですか?」
「はい。皆様はゆり様達の初めての御学友ですから。」
「そう言われると行くしかないよね?」
「そうだな。マモル達には悪いが一足先にお邪魔するか。」
薫子さんは何を考えているか大体は予想出来るなぁ。おおよそ、ケン達が僕達にとって有害かそうでないか判別する為に家に呼んだのだろう。
ま、どちらにせよ隅々まで調べ尽くされるだろうな。家族構成とか色々。皆んな良い人そうだから問題無さそうだけど、少し申し訳ないかも。
そうだ。今日マモルの家でお世話になるから手土産に、最近描いた絵の中で僕のお気に入りでもプレゼントしよう。これしか贈れるものがないけど、喜んでくれるといいなぁ。
何にせよ一旦家に帰りますかね。
◇
我が家に帰ってきたぞぉー。疲れたぁ。でも、今日はこの後に高級料理が待っているので、寝るわけにはいかない。あれ?ケン達が家に入ってこないけど何してるのだろう。
「ちょっと、なんで玄関の前で突っ立ってるのよ。じゃまー。」
「ふと庭のガーデニングが目に入ってな。」
「確かに目を引くけど、こういうのはケンも見慣れてるでしょ?紫苑ちゃん達もう入っちゃたよ。」
「あぁ、いや俺の気のせいか?でも確か……。」
「もうー、考えてないで早く入ろうよ。」
「分かった押すな。」
「「お邪魔します。」」
あ、やっと入ってきたみたいだな。早くこの制服をぬいでリビングに降りよう。薫子さんがどんなことするのかも気になるし。
鬱陶しい制服を部屋に脱ぎ捨てリビングに行こうとすると、丁度良く部屋着に着替えた姉さんに捕まった。
「捕まえた。どこに行こうとしてるの?まだ教室で出来なかったキスが終わって無いでしょう?」
「あの二人が気になって。」
「大丈夫よ。薫子さんに任せておけば問題ないわ。さ、早く私の部屋に行きましょうね。」
あう、これはどうしようもない。姉さんがその気になっているので止めることは無理だろう。仕方ない、気になるけどここは姉さんを優先するかな。
◇
ゆりと紫苑がお楽しみのころ、リビングでは薫子さんによる尋問もとい質問が始まっていた。
「なるほど、職業は建築士なのですね。」
「そうです。親父が建築士で母が専業主婦で下に妹が二人います。」
「私の両親は二人共ファッションデザイナーなの。それで小さい頃から仕事をお手伝いをしてきたおかけで、可愛い人を見るとインスピレーションが止まらなくて。紫苑ちゃんに嫌われちゃったかも。」
「そこは心配しなくても大丈夫ですよ。問題はゆり様の方だと私は思います。」
「?なんでゆりちゃん?」
「私の口から何とも。ただ紫苑様には限度を守って接していれば何も無いでしょう。」
「そう言われると、怖いもの見たさでやっちゃうかも。」
「なんでお前は斜め方向に行こうとするんだよ。ここは素直に聞いとけよ。」
見たところ普通の善良な市民って感じですね。特に嘘をついている様子もないので大丈夫でしょう。だた問題なのは、これから紫苑様と接して行くならいずれどこかでその正体に気付く事でしょうか。隠しきることは無理でしょうね。紫苑様は噓が下手くそですから。
それなら御学友の皆様の両親がパーティーに集まるのはいいチャンスかも知れませんね。早かれ遅かればれるのでしたら、最初から打ち明けた方がいいですからね。気心の知れた友人がいた方が学園生活も楽しくなるでしょうし、困った時助けてくれるかもしれません。後で、菫様達に連絡しておきましょうか。
「そういえば紫苑ちゃん達部屋って二階でしょ、覗きに行っても大丈夫かな?」
「確かに中々降りてこないな。何かしてるのか?」
「お二人はお楽しみ中なので暫くは降りてこないかと。その間私は昼食の準備をしておくので、お二人はソファーでテレビでも見ながらお寛ぎください。」
(お楽しみ中って、止めなくていいのか?)
(覗きに行って見る?)
「それはお勧めしませんね。止めはしませんが覗くなら自己責任でよろしくお願いします。」
「あはは、聞こえてたかー。」
確か紗衣里といいましたか、あの子は一回痛い目にあった方がいいでしょうね。好奇心は猫をも殺すとも言いますし、彼女は鳥ですけど。しかしながら中々面白そうな方々と知り合いになったものです。これからどのような人脈を築いていくのか楽しみですね。
おまけ
(お楽しみ中失礼しまーすと。うわぁ、うわぁ。凄い濃厚なキスしてるよ、あれは舌絶対入ってるわ。)
「もう薫子さんとの会話は終わったのかしら、覗き魔さん?」
(うそぉっ、ばれるの早ずだよぉ。ゆりちゃんからは死角なはずなのにぃ、何故ばれたし。)
「これはお仕置きが必要かしら。人のプライベートを詮索するのはダメよ。特に私達の関係は、ね。」
(さらばっ!)
「逃がさないわ。」
この後、如何にゆりと紫苑が愛し合ってるかを嫌と言うほど説き伏せ、昼食のおかずが一品減らされるという地味なお仕置きがあった。




