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16 目を付けられました。

安定のスローペースに物語が進んでます。長い目で見てくれたら幸いです。

隣の猫ちゃん(小咲ちゃん)にゆすられ目を覚ますと入学式が終わっていた。教室に帰ろう。


帰るときに皆が頻りに新入生代表が素敵だったとか、精霊を始めて生で見たとかの感想を言い合っていた。周りが楽しそうに入学式の会話していたので、ちょっとだけ寝ていたことに後悔。


教室に着いてからは、明日の連絡事項をした後にクラスメイトの自己紹介が始まった。


「俺は猿渡護、中学校のエスカレーター組だ。部活は調理部に所属していたので、リクエストがあれば何でも作るぞ。これからよろしく頼む。」


お、なんか意外だなぁ。てっきりスポーツでもやってるのかと思った。今度何か作って貰おうかな?


「私は猫宮小咲です。マモル君と同じで中学校からです。部活は体力を付けようとして、陸上部に入ってました。けど、高校は文科系にしようと思ってます。」


陸上か、その体型だと走りづらいだろうなぁ。周りの人、特に男子は胸を凝視ながら深くうなずいていた。僕も同意だ。


順調に自己紹介進み僕の前の女の子まで回ってきた。


「私の名前は朱本雲雀(あかもとひばり)だ。理由あってこんな格好をしているが、朱雀家の長男で男だ。皆んな仲良くしてくれると嬉しい。」


「雲雀様はいつも見ても美しいわ。」

「朱雀家って超名家じゃん。」


おぉ、女の子と思ったら男の子?だったのか。朱色のロングヘアーに、モデルの様にすらっと伸びた身長、声と顔だけじゃ、中性的な女の子としか思えないや。


この人が青龍さん達が言っていた問題児の1人なのかな?と言うか本当に男の子なんだろうか、確認のために触らせてくれないかな?


雲雀ちゃん?くん?の自己紹介が終わり、僕の番が回ってきた。よし、マニュアル通り無難にいこう。


「僕の名前は白雪紫苑です。海外から日本に来たばかりです。よろしくお願いします。」


ふう、姉さんに貰った取扱説明書だとこれでいいはず。怪しまれることは無い。


「あのー、質問いいかな?」


「ひゃい!」


う、なんか変な事言ったかな?どうしよう。


「もしかして白雪ゆり様と姉妹なのかなーと思って。苗字同じで海外育ちが同じだし。関係なかったらごめんね。」


「えっ!どうして知っているの?」


「どうしてって、新入生代表で挨拶していたよね?海外育ちってのは噂で流れてるよ。」


そうなの?それなら事前に教えてくれればいいのに。寝てた僕が悪いんだけどさ。そして、もう噂が流れてるの?早すぎるよ。


質問はそれだけで僕の自己紹介が終わって良かった。


これで今日の日程は終了で午前中に解散する事になった。終わったら姉さんが向かいに来るのでそれまで、猫ちゃんとお話しでもしよう。


そう思って席を立とうとすると、教室に残っていたクラスメイトが集まってきた。


「紫苑ちゃんって呼んでいい?」

「もしよかったら俺が、日本について色々教えてあげるよ?」

「ゆり様と姉妹なのー?どっちがお姉さん?」

「これから家でパーティーを開くんだけど、もしよかったら参加しかい?」


うわぁぁ、皆んな一気に話しかけてこないでぇ。なんでこっちに来るんだ、雲雀(性別不明)の方が気になるだろう。


そう思って前を見ると、沢山の女の子達に囲まれいる雲雀の姿があった。よく見るとこのクラスじゃない人が大半なんだが、人気者なの?


「紫苑ちゃんが困ってるよ、皆んな落ち着いて。」


「まぁ、こんなに美しい姉妹を見たら気になるのもの仕方ないが、程々にな。」


よかった。猫ちゃんと猿がフォローしに来てくれた。


「そうだな、時間はまだいっぱいあるんだ。急ぐ必要は無いな。」

「じゃ、連絡先だけでも交換しない?」

「おい、抜け駆けはさせねぇぞ。」

「私も交換してー!」


あれ?さらに悪化してない?結局は自分で何とかしないといけないのか……。ならば。


「携帯持ってない。この後お姉ちゃんと用事あるから。また今度。」(英語)


「そうなの?今時珍しいね。」(英語)

「やっぱり紫苑ちゃんが妹だったのか。」(英語)

「それなら仕方ないね。また誘うよ。」(英語)


ぐぬぬ。英語で話せば分かんないだろうと思っていたけど、甘かったか。結果的には諦めてくれた見たいで助かった。


そう思っていたら、前の雲雀が取り巻きを連れてこちらに向かって来た。一難去ってまた一難か。


「やぁ、可愛いレディー。この後私の主催するパーティーに参加しないかい?君の様な可憐な少女がいれば、パーティーが華やかになると思うんだ。もちろん姉妹2人とも招待するよ?」


「まぁ、名案ですわね。」


(雲雀様に見初められるなんて光栄な事でしょ?)

(もちろん参加するわよね?)


取り巻きさん達が途中小声で何か言ってるけど気にしない。


「面倒くさいから行かない。」


「せっかくのお誘いなのに断るなんて残念な人ですわ。」

「信じられない、自分からチャンスを捨てるなんて。」


大袈裟に言ってるけどそんなに大事な事なのかなぁ?でも、全然知らない人のパーティーとか行っても楽しくないし。


「そうか、残念だよ。また今度お誘いするから都合が合えば是非家に来てくれ。歓迎するよ。」


(直接声をかけてもらったからっていい気になるなよ。)


おぉ、怖わ。雲雀は気付いてないのかな?まだこっちを睨んでいるだけど。


「災難だったね。なにもされなかった?」


「大丈夫か?」


心配そうに猫ちゃんと猿が尋ねてきた。


「うん、大丈夫。一体あれは何?」


「あー。あれは中学校からなんだ。名家の朱雀家長男だからか多くの女性が狙っているみたいで、気付いたら取り巻きができちゃったみたい。」


「本人の性格もあって手当たり次第に声をかけた結果、多くの女生徒が奴の一番になろうとしている。」


「関係ない人からしたらいい迷惑なんだけどね。注意したくても朱雀家ってことで中々言いだせる人がいなくて。」


「俺たちはなるべく波風を立てないようにしている。関わらないのが一番だ。」


「あの人本当に男なの?」


「「多分。」」


多分なんだ。今度何か間接的にでもされたらびしっと言ってやろう。僕たちには朱雀さんのお墨付きを貰っているんだ。



暫く雑談していると姉さん達が教室にやって来た。結構時間がかかったけど何かあったのかな?


「お待たせー、紫苑たん。」


「悪いな待たせた。」


「疲れたー。紫苑に癒されてもらうー。」


本当に何があったの?こんなに元気がない姉さんは初めて見たかも。姉さんに後ろから抱き着かれた状態で犬に聞いてみる。


「入学式の挨拶で目立ったもんで、クラスを出た瞬間に他の新入生に囲まれちまってよう。抜け出すのに時間と体力を奪われたんだわ。」


「私達なんか近くに居ただけなのに、色々と聞かれちゃったしね。有名人気分を味わちゃった。」


「お前は呑気でいいな。俺なんか変な勘繰りまでされて大変だったんだぞ。」


なるほどね。それはご愁傷様。


「折角、紫苑にいい所を見せようと挨拶頑張ったのに寝てるし。」


「あはは……ごめん。」


「もう。キスしたら許してあげる。」


「分かった。」


「ち、ちょっと待てい。流石にここでは不味い。せめて家で二人きりの時にやってくれ。」


「あーあ。シャッターチャンスだったのに。」


「エリは少し自重を覚えることだな。今日の飯は貧相にされたくなければ。」


「すいませんでしたぁー。」


「うふふ、エリちゃんはマモル家のご飯大好きだもんね。」


「んんっ!取り敢えず一旦教室を出るぞ。また囲まれるのは嫌だからな。」


今日はこれからマモルの家でパーティーを皆でするみたいで、僕たちも参加していいみたい。薫子さんも招待してくれるそうなのでご相伴にあずかろうと思う。


まだ知り合ったばかりだけど、この人達といると退屈しなさそうでいいかも。マモルの作るご飯楽しみだなぁ。


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