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異世界は神様と共に  作者: 腹巻
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42話 救出はみんなで一緒




今日も暇を持て余していたハルは、皆には内緒で市場へ買い物に来ていた。

宿から近くて便利だが、比較的小さな市場で品揃えは並以下、安いのが救いだろう。


大量の食料を買い、それを持って古井戸へ入って行った。


地下に住む人全員に渡すのは無理だが、少しでも助かる人が居れば嬉しい。



通い慣れた洞窟を迷いなく進んで行くと、人の声が聞こえて来た。


縦穴に数人の人間がいる。

会話を聞くと、なんと彼らが神と言う事らしい。


「今回は少ないな。そんな事では次から施しはやれんぞ。」

バサッと何かを落とした。

それに群がる土竜の獣人族。




他の人間達は1つの穴に向かって話している。


「好い様だな。見付かる訳も無いのに部下共はお前を探しているぞ。ギャハハハハ!」


「バルカン卿。いい加減諦めて話して貰えませんか?陛下も命は助けると言っているのですよ!」

「それは出来ない。」


「俺はあんなもの無くても困らん。このまま殺してしまえばいいものを。」




ハルは話を聞いてクリス達の捜しているバルカンさんだと気付いた。

そして彼から何かを聞き出そうとして、監禁しているのも分かった。



皇帝達が帰った後、バルカンさんが捕らわれている穴に近付き話し掛けた。


「こんにちは。バルカンさんですか?」

「君は?!」

顔は見えないが驚いているのは分かった。


「クリスさん達と一緒に行動しているハルと言います。」

「クリスが来ているのか!」

ここに来た経緯を説明して、クリスさん達が捜している事を話した。



「そうか。ではクリスには急いで帝都から出ろと伝えてくれないか?」

「それは無理でしょう。」


「しかし私はここから動けないんだ。」

「なぜですか?鍵なら壊しますよ。ギンが。」

あくまでも他力本願なハルだ。


「いや、手足を斬られて歩けないんだ。」

「なるほど。・・・他は?」

ハルはバルカンさんの足を見て、治れと願った。


「・・・呪術でここから出られない。」

胸に刻まれた呪いの刻印を見た。

刻印の意味が分からないので、アニエスさんに任せよう。


「じゃあ明日アニエスさんに来てもらいますよ。」



「本当か?本当にここから出れるのか?」

「アニエスさんなら大丈夫です。」

根拠は無かったがなんとかなる気がしていた。



「ではまた明日来ますね。」

たぶん見えないと思ったが手を振ってバルカンさんと別れた。







地上に出ると皆が待ち構えていた。

「ハルさん。くれぐれも危険な事はしないようにと言いましたよね。」

「ごめんなさい。」

偶然、土竜の獣人と会った経緯を説明した。


「ハルさんは当分外出禁止です。」

えええぇぇー!それは辛いです。


「実はバルカンさんと明日会いに行くと約束したんですよ。」

必死に今日の出来事を説明したが、みんな半信半疑だった。


「師匠に会ったのは本当なんですね?」

「ええ。皇帝さんは何かを聞き出そうと監禁しているみたいでした。」


「皇城の地下に通じていてもおかしかないな。」

「クルさんに刻まれた刻印だが、やはり奴隷紋だろう。ただ術者によって、解呪は難しいかもしれない。」


それでもクリスとアニエスの二人が同行して、土竜の穴に行く事になった。






「ハルさん。その荷物は何?」

「土竜さん達にあげる食べ物ですよ。」

「いや、話が本当ならみんな助け出すんだから、ここに置いて行った方が良いでしょ。」

「あ、そうですね。」

一旦荷物を宿に戻して出発した。



「狭いですね。」

「慣れですよ。」

「ハルさん。何回ここに来ていたの?」

穴に通っていた事がバレてしまった。


「先を急ぎましょう。」

「帰ったら話があります。」

イヤーーーーー!

「そろそろ着きますよ。」

なんとか誤魔化せないかな。


「あそこです。」

指差した穴にクリスが入って行く。



「師匠・・・」

「クリスか!?」

「捜しましたよ。帰りましょう。」

師弟の感動の再会である。ここからでは見えないが。



バルカンの足は昨日付けた【自動再生】で治っていた。

【解呪5】では解呪する事は出来なかったが、アニエスの指示でハルが【呪術無効】を付けると刻印が消えた。


土竜さん達には呪術は付いてなかったので、一緒に逃げて貰った。


あんな所に残っても良い事ないからね。


地上の井戸ではマリアとラグナが待っていて、助け出された事に喜んでいた。

「バルカン卿。お久し振りです。」

「よぉクルさん。元気だったか?」

ラグナはマリアに足を蹴飛ばされた。

元気な訳無いよね。


「マリア殿下。ありがとうございます。」

「相変わらずだな。ラグナ。」


続いて姿を表した土竜さん達の人数に驚いたマリアだったが、事情を話すと王国で暮らせる様に手配してくれるらしい。


宿には全員泊まれないので、土竜さん達はそのまま庭に天幕を出して寝てもらう。



夜中に城壁近くに行き、穴を掘って脱出する計画だ。


穴を掘るにしても城壁を越えるとなると1週間は掛かる。


だが、土竜族の集団は、1日で貫通させてしまった。

王国は優秀な作業員を手に入れたようだ。


帝都から少し離れた場所に拠点を作り、師匠と土竜族全員を避難させた。


クリスは嬉しさのあまり、傭兵ギルドに預けた勇者を忘れて王国に出発するという失態を犯したが、ハルが【呪術無効】を2人に付けて無事解呪に成功した。



バルカンさんの家族は元々帝都から出て、帰り道にある村に逃げているらしい。


色々あったが目的を果たし、100人近い一団で王国を目指した。

途中の村でバルカンの家族と合流する予定だ。





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