表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界は神様と共に  作者: 腹巻
41/42

41話 皇城の地下




この日もクリスは手掛かりを求めて工業区を訪れていた。


「マリア。向こうが騒がしい。少し回って行こう。」

「ええ。そうね。」

騒ぎを避けて迂回するため脇道に入った。

どうやら衛兵が人を探しに来ているらしい。

師匠かもしれない。

そんな思いで気配を探ると、人が石壁の裏で息を殺しているのが分かった。


見ればまだ成人前の子供のようだ。

「君達。」

「「ひぃぃぃ」」

若い男女が驚いてこちらを見た。


「兵士は行ってしまったよ。」

クリスの言葉に辺りを見回して確認すると、ハァ~っと息をついた。

「なぜ追われているんだ?」


なにやら二人で話し合っていたが、女の方が説明を始めた。

「あの、私たちは呪術師を探してるんです。実は・・・」





「そうか。君達が召喚された勇者だったのか。」

「それにしても酷いわね。」

逃げてきた経緯を聞いて同情してしまう。


「呪術に関しては心当たりがある。しばらくは傭兵ギルドに隠れているんだな。アンヘルさんに頼んでやろう。」

「ありがとうございます。」

「ありがとうござ・・・・うぐぅぅ」

「なに泣いてるの?ダッサ。」




◇ ◇ ◇




アニエスとラグナは皇城近くで知人と会っていた。

「久し振りだなぁ二人共。」

「もう4年は経つ。」

「ちょっと出れねぇか?」

「・・・分かった。交代してくる。」

そう言って友人のマイクは一度戻ると、行き付けの酒場で待ち合わせになった。


店で再会したマイクは、こちらを見るなりニヤリと笑って言った。

「クルー団長の事だな。」

「ああ。情報が欲しい。鉱山つってもこう数があっちゃ探し切れん。」


「俺らも探しているんだが見付からないんだ。ただ、普通の鉱山じゃあ無いと思う。」

「どういう事だ?」

「どうやら皇帝は頻繁に会ってる様子なんだ。」

「なんだって!」

「皇帝は城から出る事はない。だから・・・」


「鉱山は皇城の中にあるって事か?」

「ああ。その可能性が高いと思う。」

「それじゃ見付からない訳だ。」


「しかし、我々でも皇城の奥には入れない。探索は無理だ。」


「いや、その情報だけでもありがたい。」

「何か分かったら連絡する。どこにいるんだ?」

「宿は・・・」

「傭兵ギルドのギルマスに知らせてくれ。」

「ああ、分かった。交代の時間だ。またな。」

「またな。」




「バカ!宿にはハルさんしか居ないんだぞ。」

「そうだった。すまん。」







「今日、帝国の勇者に会った。」


「ほ~。どんな奴だ?」

「15、6才かな。召喚されて来て酷い扱いを受けているらしい。」


「あの馬鹿皇帝はどうしようもねーな!」

「それで傭兵ギルドで保護して貰っている。奴隷紋を解呪出来る人も探さないと。」


「アニエス。出来るか?」

「見てみないと断言は出来ない。明日ギルドに行こう。」

「頼む。」



「今日、マイクに会ったんだが奴らもクルさんを探していたらしい。んで、可能性が高いのは皇城の中だ。」


クリスは話を聞いて確信した。

あの皇帝が考えそうな事だ。


「でも鉱山が皇城にあるんでしょうか?」

「地下牢の事かもな。」


「では明日は皇城を探ろう。」

「中には入れてくれないだろうな。」

「知ってそうな人物を探す。」

「分かった。そうしよう。」


話に入れず頷くだけのハルだった。


召喚勇者と言う事は、アヤトと一緒で日本人だったら良いな。




◇ ◇ ◇




「魔石は順調に集まっております。土竜どもに通常より倍は掘らせています。」


「あの臭い獣共はどうにかならんのか。」

「しかし、奴らが採掘する魔石は我が帝国の動力源です。それに稀に出土する魔晶石は莫大な富を産みますので。」


「ふん。まぁいい。それより奴はまだ話さんのか。」

「すみません。思いのほか強情でして。」


「まぁ時間はある。精々苦しめてやる。逃げられん様に手足は落としてあるからな。」

皇帝の冷酷さに側近達は震え上がる。


「ウーシン様。死なれては困りますぞ。行方を知るのはもうバルカン卿しかおりませんので。」

「分かっておる。しかし奴は昔から俺に対して悉く反対しおる!これが無ければ殺しているところだ。」

幼少の頃から傍若無人な振る舞いを度々嗜められ、怨みを募らせていた皇帝は、何とかして処刑出来ないものかと考えていた。


国民にも人気が高く、古参の貴族からも人望が厚い為、皇帝とは言え勝手に処分する訳には行かない。


敗戦の責任を全て押し付ける事で、目障りなバルカンを処分する事が出来ると思っていたが、まさか古代兵器の秘密を知る唯一の人間だとは思ってもいなかった。


完全に逆怨みなのだが、皇帝を嗜める人間はもういない。


「地下に眠るあの鉄巨人さえ起動出来れば、帝国が世界を統べる事も夢ではありません。」

「くそっ!勇者さえしっかりしておれば、鉄巨人なぞ必要無いものを!」

「嘘か真か大昔、神との戦で使用されたと伝説では語られています。」


「俺では動かせないのか!」

「あの兵器を起動するには旧帝国の王族が持っていたという聖印が必要なのです。」


「忌々しいルスタムの血よ。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ