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異世界は神様と共に  作者: 腹巻
39/42

39話 傭兵ギルド



イリアース教とは女神イリアスを唯一神とする、世界最大の宗教団体である。


聖アシュタル皇国の教皇を頂点として、3人の枢機卿、5人の大司教がいる。

世界中のイリアース教の総本山。


しかし、全ての人間は平等であるという教義に異を唱える人達もいる。


改革派は人にも階級があり、寄進によって位が上がるという教義を加えた。

そして支配者階級の貴族が多い改革派は、豊富な資金力で原理主義派を潰していった。



ミルドレイク王国にも2ヶ所に大聖堂があり、原理主義派と改革派に別れている。


国の権力者達は自分達の都合の良いように、教義を改変し原理主義派の弾圧を始めた。


その為、原理主義派の大聖堂は壊され、今では王都に教会が残るのみとなっている。



しかし、勇者や聖女の神託は原理主義派の教会で行われ、『神託の教会』と呼ばれていた。


これを良く思わない権力者達は、『神託の教会』を壊して、新たに改革派の教会を建設しようと画策する。


これに怒った国王アレクシスが計画を中止させた。



だが3年前の神託により、聖女が原理主義のマリアになった事で、危機感を募らせた者達は秘密裏に計画を進めて行くのであった。





「おい盗賊!土地はまだ手に入らないか?」

「すみません。あのじじいが売っちまった様で、買った奴を探してます。」


「土地さえ押さえれば後はどうとでもなる。3ヶ月後、教皇様の来訪までには絶対手に入れろ!」

「分かりました。こちらでも手は考えておりますんで。」

教皇が皇国を出る事は殆ど無い。

今回、魔王討伐の功績により異例の来訪となった。



「誰なんだ、その土地を買った奴は!」

「ハルとか言う組合員ですよ。」

「!?ハルだと!そうか。奴か。」

「ご存知なんで?」

「昨日俺に無礼を働いた奴だ。」


少し考えてムジンは顔を上げた。

「でしたら理由がありますね。ギーダ伯爵に対する殺害未遂の。」


二人は顔を見合わせて笑った。





ある晩、ギーダ伯爵邸に賊が押し入り、伯爵本人が撃退したという事件があった。

これはギーダ伯爵を直接狙った犯行であり、ハルによる逆恨みが原因だと言う事が分かった。

手配書が王都中に撒かれ、組合も協力して捜査が行われている。


ハルがいないとも知らずに。




◇ ◇ ◇




ギーダ伯爵邸に賊が押し入っていた頃、クリス達は帝国との国境を越えていた。



前日に入場出来なかった人が、城壁の周りで天幕を張っている。


帝都へ入場するためには長い長い行列に並ばねばならない。

戦争も終わったと言うのに、敗戦したからなのか高額な入場料を支払わされた。

これが聖剣購入の為である事は知られていない。


帝都に入ったクリス達は傭兵を装い、まずは傭兵ギルドへ向かった。


ギルド内では多くの傭兵が併設のバルで、仲間達と平和な時を過ごしていた。

「おぅ、遅かったな。」

「お前まだ飲んでるのか。仕事はとっくに終わっただろ。」

「家に帰ってもかかあが待ってるだけだからな。」

「そりゃそうだな。わははは。」



ハルが先頭でギンを連れて、意気揚々と入って来た。

「見ない顔だな。俺がここの伝統ってやつを教えてやるか。」

「ギャハハ!やり過ぎんなよ。」



クリスが中に入るとギルド内がざわめいた。

「良い女だな。俺はそっちにするわ。」



続いてマリアが入るとどよめきが起きた。

「おいおい。大司教のローブを着てるぞ。ありゃ王国の聖女だ。」

「じゃあ前の女が勇者か。」



次にラグナが周りを見回しながら入って来ると、途端にギルド内が静かになった。

「バカ!目を合わすな。狂戦士ラグナだ。殺されるぞ!」

「俺、早く帰れば良かったよ。」



アニエスが現れた時には殆どの傭兵は逃げ出した。

「狂乱の魔術師アニエスだ。逃げろ!」

「「「うわぁぁぁ~」」」



すっかり静かになったギルドにハルの声が聞こえた。

「静かですね。ところで皆さん、ここで何をやったんですか?」

「・・・あれはラグナが悪い。」

「なんでだよ。アニエスがやり過ぎたんだろ。」


その時、ギルド内に大声が響いた。

「おーい!お前達!速やかにこちらに来なさい!」




「ギルマス。ご無沙汰してます。」

クリスは握手して挨拶を交わしている。

「皆も元気そうだな。遅くなったが魔王討伐お疲れさん。」

そう言って皆と握手をする。


「君は始めてだな。俺がギルドマスターのアンヘルだ。」

「はじめまして。ハルです。」




取り敢えずギルマスの部屋に移動した。


女性がお茶を運んで来てくれて、全員に行き渡ったのを確認するとアンヘルはクリスに聞いた。

「クルさんの事だろ?」

「ええ。何か知っている事はありますか?」

「クルさんには世話になってる。俺だって助け出してやりたい。だが手掛かりがまったく無いんだ。」


「報償金を出します。情報を集めて貰えませんか?」

「実はもうやってるんだ。それでも見付からないんだよ。帝都中の鉱山を探したんだがな。」

「そうですか。」


「クリス達はどうする?」

「我々も探してみます。」

「そうか、分かった。こちらで出来る事があれば協力しよう。」

「お願いします。」


ギルドを後にした我々は宿を取り、そこを拠点とした。

ハルはそこで留守番だ。

護衛はギンがしてくれるらしい。






それから数日間、クリスとマリア、アニエスとラグナに別れて帝都中の鉱山を探しまわったが、手掛かりすら掴めなかった。





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