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異世界は神様と共に  作者: 腹巻
33/42

33話 聖地






戦力強化の為、ルナルーは幹部のホブ・ゴブリン達に名を与えた。

その効果として能力が向上して頭が良くなる事が分かった。


だがハイ・ゴブリンに名を与えると、ホブ・ゴブリンに進化してしまった。

その進化は戦闘には不向きで、理性が生まれてしまう。

勝つためなら平気で仲間を犠牲にする残虐性が必要なのだ。



「ウジン。兵は集まったか?」

「はい。只今4万の兵がルナルー様の御命令を待っております。」

「後、1 万集めよ。」

「しかし、国の防衛に2万は残しませんと。」

「いらん。何かあれば国を棄て、人間の国に向かわせろ。」

「では本気で人類を滅亡させるおつもりですか?」

「当然だ。」

「人は怖い生き物です。我々が思いもしない事をしてきます。勇者と呼ばれる危険な存在も居ます。御注意下さい。」

「ふん。心配するな、奴らは知るだろう。この世界が誰の物なのかを。ケヒヒ」

側近ウジンの慎重過ぎる言葉に若干呆れ気味に答えた。


自分より強い者などいないと言うのに。

神すら凌駕する力を手に入れたのだ。


『聖地』で見た光景は、ルナルーの知る世界とは何かが違っていた。


見た事も無い魔術を操る獣もいた。

未知のスキルを使う虫に苦しめられたりもした。


『聖地』の主は言ったのだ。

お前を認めると。力を与えると。

神をも殺せる存在にしてやると。




地上に戻った俺は理解した。

今までとは全く別の存在になってしまったのだ。

そう、神になってしまったのだろう。

この世界は俺の物になったのだと感じた。



話に聞いた人間は愚かな行為を繰り返しているらしい。

なら俺が奴らに教えてやろう。

この世界が誰の物なのかを。

哀れみさえ感じる愚かな生き物に。



大量の兵士を集め、古代遺跡から発掘した武器や防具を渡し、戦力の増強をしていった。






◇ ◇ ◇






見付けたのは偶然だった。


魔の森を移動するゴブリンの大軍。

かなり離れた丘からチラリと見えた姿はゴブリンより大きな体躯をしている。

森に住むハイ・ゴブリンだろう。


しかしあの大軍はどうした事なのか。

ハイ・ゴブリンを数万匹も率いるなんて、強力な指導者が誕生してしまったのだろうか。

方向を見るに王国に向かっていると思われる。


このまま行けば王国は消える。いや、人類が滅亡するだろう。

早く知らせないと手遅れになるだろう。


知っていてもどうにもならないかもしれないが。


我らは人間との交流が途絶えて久しい森の民。

そんな私が言って信じて貰えるだろうか。


そう言えば大昔に別れたという、同族の王が訪ねて来ていたな。

彼なら良い方法を知っているかもしれない。



彼は森の民が住む隠れ里に急いだ。






◇   ◇   ◇






今日のハルは偵察部隊の一人として、クリス達に付いてオークの集落を目指している。

先行している王国兵は既に到着している頃だろう。


集落の周りにもオークが徘徊している為、そうしたハグレオークを間引きするのも偵察の一環だったりする。


「待たせた。それで規模は掴めたか?」

「はい。約1000~2000というところでしょうか。」

「おいおい、随分大雑把な数だな。」

「はぁ、周りのオークが邪魔で集落の全体が調べられないんですよ。」


「ふむ、分かりました。では始めましょうか。」

クリスの声でオークの間引きが始まった。



ハグレと言ってもかなり近い場所に他のオークがいるため、倒した傍からオークが集まって来る。

オークの鳴き声に仲間が反応して更に仲間を呼ぶ。


無限に沸いて来るのかと錯覚するほどだ。


それも織り込み済みでの修業ではあるのだが。


無限沸きオークも数時間後には終了して、偵察の済んだ兵士が戻って来た。

「ご苦労様です。やはり2000近くは居ましたね。キングも確認出来ました。」

「そうですか。やはり数回に分けて間引く作戦になりそうですね。」

「我々はこのまま残って偵察を続けます。」

「分かりました。ベネスに戻ったら閣下に報告しておきます。」

「はい。よろしくお願いします。」

こうしてクリス達は街に戻って来た。


マルゴライム辺境伯は報告を受け、集落の近くに陣を敷く事を決めた。

数日後には全軍を率いて集落へ向かう事になる。






◇   ◇   ◇






ハルは魔道具を受け取りにニコフの店を訪れていた。


「こんにちは。出来てますか?」

「ああ、いらっしゃい。出来てるよ。」


「おおぉ。これは面白そうですね。」

「波長を変えるのはどういう意味があるの?」

「ん~と、土魔術で土を柔らかくするのは【振動】の効果ですよね?」

「そうだね。」

「だから全身を揉みほぐすのに使えるんじゃないかと思って。疲労具合によって強弱を変えたいし、最近肩凝りが辛いんですよね。」

「肩凝りってのが分からないけど色々試したら教えてよ。参考にしたい。」

「分かりました。ではまた来ますね。」

「ありがとう。待ってるよ。」

ニコフさんは肩凝りしない人なのか、うらやましいな。







ニコフの店を出て向かったのは秘密の練習場だ。

色々試しているが思った程の攻撃力は無かった。

だが今日こそは自信がある。

ミサと旅をした時を思い出し、背の高い草に【発火】と【燃焼】を付ける。

すごい煙が出たが一瞬で燃え尽きた。

今までで一番強そうだ。



次行ってみよう!

【爆発】【崩壊】【分離】



失敗も多かったが、確かな手応えを感じ、気持ち悪い笑いをギンに向ける。


ギンは呆れたように顔を背けるのだった。






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